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「お、またセンセイの勝ちだ」
夜の城下町の酒場で鵠沼は、博打に精を出していた。
「ピンころがしは順番にサイコロを振って、出目の数だけチップを積んでいくだろ。
先に一の出目を出した奴が総取りなんだから、勝つ確率は平等だぜ」
「さすが、センセイだな。田舎で教師だった割に博識だぜ!
学がねぇ俺らにはよくわからんが、カクリツロンってやつだもんな!」
むさ苦しい男たちがエール片手に盛り上がっていた。
「確率論なんて中学生でも知ってるぜ?」
中年太りでさらに腹の出た鵠沼は、得意げな顔をする。
「チュウガクゼイ?なんだか知らんが、流石センセイだぜ!よっ!」
パンパンパンと、豪快に拍手を送る男たち。
サイコロも知らない馬鹿どもが。
実際は、このピンごろがしの勝率が平等なんてのは嘘だ。ある程度周りのバカどもに勝たせてから、チップが積みあがったタイミングで特製のサイコロを使うのだ。
わざわざ、金属製のサイコロを鍛冶屋で作って貰ったのには理由がある。特製サイコロは一の裏、つまり六の出目に比重の重い金属を使っているのだ。これを丁度いいタイミングで、すり替えて投げりゃ絶対に勝てるって寸法よ。
職業の詐欺師ってやつも、この俺を崇めるゲームに一役買っていそうだ。
「おおっと!また勝っちまったよ」
獣人ウェイトレスの肩を抱きながら、胸を鷲掴みにする。
「グヘヘェ……。まったく、お前たちは馬鹿だなぁ」
騒がしい酒場で、鵠沼の言葉を聞き取れた者はいなかった。
□
朝早く城門の前には白馬が牽く、白い豪奢なパレード用の馬車が待ち受けていた。
「これから僕たちの冒険が始まるよ」
聖野の言葉にクラスメイト一同は、自信を胸に一歩踏み出した。
四頭立ての馬車、五台に分かれて乗り込み、パレードに向けて走り出す。
先頭のクレイヘルが立つ馬車は、聖野たちが乗る馬車よりいっそう豪華だ。
城門が開き、馬車が列を成して動き出す。陽気な笛や太鼓の音色で賑やかな街では、勇者を一目見ようと人でごった返していた。
「国民よ!!召喚されし勇者たちの雄姿を見届けよ!」
クレイヘルの言葉に湧き立つ国民。
「勇者様だーー!」
「魔王を倒してくれ!!」
「我々の希望だーー!!」
沿道からは歓声が沸き上がり、それに手を振って応える。
「光彦ー!やべーな、俺たち勇者になったんだなぁ」
猿渡が手を振りながら聖野に話しかける。
「そうだね!これだけ期待されているんだ、頑張らないとね」
聖野が手を振ると、さらに歓声が大きくなった。
歓声が続く王都から勇者一行は進み、王都の外に出る門をくぐりパレード用の馬車から降りる。
「あれ?ルーカスさんに、サマリさんじゃないですか。それにアインさんも」
猿渡が疑問を口にした。
「いってなかったかな?僕らも一緒に行くよ!ランドは僕とサマリが治める街だからね」
ルーカスがとぼけた顔をする。
「えー!!そうなんすか。ルーカスさん、ヤベーな!」
「自分はブロン団長の代わりですが、みんなが怪我をしないようお供します」
アインは聖野たちと過ごす内に、堅苦しさが少し抜けてきたようだった。
「こっからは、この馬車に乗り換えて行くんだな」
猿渡が茶色い毛並みの馬が牽く、馬車の荷台に足を掛ける。
「では、気を引き締めて行ってくるのじゃぞ」
クレイヘルは城へ引き返して行った。
◆
夜の闇に紛れて城を抜け出す。王都を囲う城壁を、あらかじめ隠しておいた梯子を使って外に出る。
大きな街道から離れた林に囲まれた旧道で、エルザに手配して貰った馬車に乗り込む。
長距離を移動しても不審に思われないように、行商人がよく使う二頭立ての馬車だ。荷台には幌が張ってあり、雨風を防ぐだけでなく目隠しにもなる優れもので、エルザが逃亡生活には打ってつけだといっていた。
「姫、ロクロ行くぞ!」
エルザが手綱を握り、馬が走り出す。
「上手くいってよかったよ」
俺は力が抜けて荷台の椅子にへたり込む。
「これからどこへ行くのですか」
ランタンの明かりが一つ。薄ぼんやりとした悪路で揺れる中、ロゼッタの声は明るかった。
「勇者たちが北のランドに行くから、俺たちは南の街サンスロウに行く。そこで準備を整えてフーリダ王国に行く予定だよ」
エルザに聞いた話しだが、アルクレイヘル王国は人族至上主義の国で、人族以外の人種は捕まえて奴隷にしているそうだ。
目的地のフーリダ王国は、あらゆる種族を受け入れる多人種国家と呼ばれる国で、俺にはそっちのほうが性分にあっている気がしていた。
「あっ!」
ロゼッタが急に思い出したかのような声を上げた。
「私、貴方の名前を聞いていません」
「なんだ、そんなことか。急に大声をだすからビックリしたよ。
俺は番柄鹿路だ。名前のほうがロクロな」
「ロクロ様ですね。絶対に忘れません!」
嬉しそうに体を寄せてくるロゼッタ。
「ロクロでいいよ。俺もロゼッタっていってるし」
「そうですか?じゃあ……、ロクロ」
照れたような声で呼んでくる。
「なに?」
「呼んでみたかっただけです!」
両手で顔を隠して照れているようだ。
「姫、ロクロ!街道に出るぞ」
王都から離れたことで、旧道から出て踏み慣らされた街道に出る。明日にはロゼッタが居なくなったことがバレて、捜索が始まることだろう。なんとしても王都から離れる必要がある。
月に照らされた夜道を走り続ける。
「エルザ、交代するよ」
ロゼッタを起こさないように小声で話す。
「有り難いが、馬を扱えるのか?」
馬も馬車も、この世界に来て初めて本物を見た。馬を走らすことも初めてやることになるが、やるかやらないか、ではなく。この先の旅程を考えれば、やらなくてはならないのだ。
俺に今、必要な必須スキルは御者の技術だ。エルザは軍人で夜通し馬を走らせることに慣れているだろうけど、俺はそうじゃない。目の前に馬が居て、馬車に乗っている。今すぐにでも手綱を握るのが上達への最短経路だ。
「初めてだから、少し教えてくれないか」
俺は二頭の手綱を握る。茶色い馬とクリーム色の馬だ。
「少しは、男らしい顔になったな」
エルザが俺の横顔を見て、そういう。
エルザには寝てもらい、俺は馬を走らせる。
夏のような季節だからなのか、暖かい夜風を感じながら目指すは南の街サンスロウ。
俺は手綱を握り直した。
「お、またセンセイの勝ちだ」
夜の城下町の酒場で鵠沼は、博打に精を出していた。
「ピンころがしは順番にサイコロを振って、出目の数だけチップを積んでいくだろ。
先に一の出目を出した奴が総取りなんだから、勝つ確率は平等だぜ」
「さすが、センセイだな。田舎で教師だった割に博識だぜ!
学がねぇ俺らにはよくわからんが、カクリツロンってやつだもんな!」
むさ苦しい男たちがエール片手に盛り上がっていた。
「確率論なんて中学生でも知ってるぜ?」
中年太りでさらに腹の出た鵠沼は、得意げな顔をする。
「チュウガクゼイ?なんだか知らんが、流石センセイだぜ!よっ!」
パンパンパンと、豪快に拍手を送る男たち。
サイコロも知らない馬鹿どもが。
実際は、このピンごろがしの勝率が平等なんてのは嘘だ。ある程度周りのバカどもに勝たせてから、チップが積みあがったタイミングで特製のサイコロを使うのだ。
わざわざ、金属製のサイコロを鍛冶屋で作って貰ったのには理由がある。特製サイコロは一の裏、つまり六の出目に比重の重い金属を使っているのだ。これを丁度いいタイミングで、すり替えて投げりゃ絶対に勝てるって寸法よ。
職業の詐欺師ってやつも、この俺を崇めるゲームに一役買っていそうだ。
「おおっと!また勝っちまったよ」
獣人ウェイトレスの肩を抱きながら、胸を鷲掴みにする。
「グヘヘェ……。まったく、お前たちは馬鹿だなぁ」
騒がしい酒場で、鵠沼の言葉を聞き取れた者はいなかった。
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朝早く城門の前には白馬が牽く、白い豪奢なパレード用の馬車が待ち受けていた。
「これから僕たちの冒険が始まるよ」
聖野の言葉にクラスメイト一同は、自信を胸に一歩踏み出した。
四頭立ての馬車、五台に分かれて乗り込み、パレードに向けて走り出す。
先頭のクレイヘルが立つ馬車は、聖野たちが乗る馬車よりいっそう豪華だ。
城門が開き、馬車が列を成して動き出す。陽気な笛や太鼓の音色で賑やかな街では、勇者を一目見ようと人でごった返していた。
「国民よ!!召喚されし勇者たちの雄姿を見届けよ!」
クレイヘルの言葉に湧き立つ国民。
「勇者様だーー!」
「魔王を倒してくれ!!」
「我々の希望だーー!!」
沿道からは歓声が沸き上がり、それに手を振って応える。
「光彦ー!やべーな、俺たち勇者になったんだなぁ」
猿渡が手を振りながら聖野に話しかける。
「そうだね!これだけ期待されているんだ、頑張らないとね」
聖野が手を振ると、さらに歓声が大きくなった。
歓声が続く王都から勇者一行は進み、王都の外に出る門をくぐりパレード用の馬車から降りる。
「あれ?ルーカスさんに、サマリさんじゃないですか。それにアインさんも」
猿渡が疑問を口にした。
「いってなかったかな?僕らも一緒に行くよ!ランドは僕とサマリが治める街だからね」
ルーカスがとぼけた顔をする。
「えー!!そうなんすか。ルーカスさん、ヤベーな!」
「自分はブロン団長の代わりですが、みんなが怪我をしないようお供します」
アインは聖野たちと過ごす内に、堅苦しさが少し抜けてきたようだった。
「こっからは、この馬車に乗り換えて行くんだな」
猿渡が茶色い毛並みの馬が牽く、馬車の荷台に足を掛ける。
「では、気を引き締めて行ってくるのじゃぞ」
クレイヘルは城へ引き返して行った。
◆
夜の闇に紛れて城を抜け出す。王都を囲う城壁を、あらかじめ隠しておいた梯子を使って外に出る。
大きな街道から離れた林に囲まれた旧道で、エルザに手配して貰った馬車に乗り込む。
長距離を移動しても不審に思われないように、行商人がよく使う二頭立ての馬車だ。荷台には幌が張ってあり、雨風を防ぐだけでなく目隠しにもなる優れもので、エルザが逃亡生活には打ってつけだといっていた。
「姫、ロクロ行くぞ!」
エルザが手綱を握り、馬が走り出す。
「上手くいってよかったよ」
俺は力が抜けて荷台の椅子にへたり込む。
「これからどこへ行くのですか」
ランタンの明かりが一つ。薄ぼんやりとした悪路で揺れる中、ロゼッタの声は明るかった。
「勇者たちが北のランドに行くから、俺たちは南の街サンスロウに行く。そこで準備を整えてフーリダ王国に行く予定だよ」
エルザに聞いた話しだが、アルクレイヘル王国は人族至上主義の国で、人族以外の人種は捕まえて奴隷にしているそうだ。
目的地のフーリダ王国は、あらゆる種族を受け入れる多人種国家と呼ばれる国で、俺にはそっちのほうが性分にあっている気がしていた。
「あっ!」
ロゼッタが急に思い出したかのような声を上げた。
「私、貴方の名前を聞いていません」
「なんだ、そんなことか。急に大声をだすからビックリしたよ。
俺は番柄鹿路だ。名前のほうがロクロな」
「ロクロ様ですね。絶対に忘れません!」
嬉しそうに体を寄せてくるロゼッタ。
「ロクロでいいよ。俺もロゼッタっていってるし」
「そうですか?じゃあ……、ロクロ」
照れたような声で呼んでくる。
「なに?」
「呼んでみたかっただけです!」
両手で顔を隠して照れているようだ。
「姫、ロクロ!街道に出るぞ」
王都から離れたことで、旧道から出て踏み慣らされた街道に出る。明日にはロゼッタが居なくなったことがバレて、捜索が始まることだろう。なんとしても王都から離れる必要がある。
月に照らされた夜道を走り続ける。
「エルザ、交代するよ」
ロゼッタを起こさないように小声で話す。
「有り難いが、馬を扱えるのか?」
馬も馬車も、この世界に来て初めて本物を見た。馬を走らすことも初めてやることになるが、やるかやらないか、ではなく。この先の旅程を考えれば、やらなくてはならないのだ。
俺に今、必要な必須スキルは御者の技術だ。エルザは軍人で夜通し馬を走らせることに慣れているだろうけど、俺はそうじゃない。目の前に馬が居て、馬車に乗っている。今すぐにでも手綱を握るのが上達への最短経路だ。
「初めてだから、少し教えてくれないか」
俺は二頭の手綱を握る。茶色い馬とクリーム色の馬だ。
「少しは、男らしい顔になったな」
エルザが俺の横顔を見て、そういう。
エルザには寝てもらい、俺は馬を走らせる。
夏のような季節だからなのか、暖かい夜風を感じながら目指すは南の街サンスロウ。
俺は手綱を握り直した。
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