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20.同じ命
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◆
暗い夜道を京極と河原は歩いていた。
「京極さん、俺そろそろ限界っすよ!」
「わかってる。オレ様も殴りたりねぇ」
ランドの中でも治安の悪い地区の路地裏で、顔面が陥没し黒焦げになった死体が三人分転がっていた。
「あの女をヤルぞ」
「うっす」
酒場の裏手で、酒瓶の入った木箱を運ぶ獣人の女に二人は襲いかかる。
声を上げるより早く、京極が首を絞めて喉を潰す。女の持っていた木箱が落ち、酒瓶が辺りに散乱した。
「先にやらせてくださいよ」
河原がズボンのチャックを下ろし、京極によって地面に両腕を押さえつけられた獣人の女は、恐怖に泣き叫ぶも潰れた喉では呻き声にしかならなかった。
「ヤベー、超興奮してきたぁーー」
河原は女の青い毛の生えたウサギ耳を乱雑に掴むと、犯し始めた。
抵抗する女の腹を、河原は殴る。
「人権がないからやり放題だぜ……、はぁ……はぁ……」
河原の吐息が漏れ、獣人の女は諦めたように涙を流すだけだった。
河原のドブネズミのような灰色の毛先から汗が垂れ、冷たい石畳を濡らした。
「もう済んだか」
交代するように今度は京極が犯す。
「見張っときますんで」
河原は女が苦しむ顔を見たい衝動を抑えながら、京極が事を終わらすのを待った。
「いいぜ、女は久しぶりだ」
京極が拳を胸に振り下ろす。手加減した拳が肉をえぐった。
「あぁ……。これだよ、これぇ!」
月の光が赤い血を鮮明に映し出し、興奮が最高潮に達した京極は女の頭から生えたウサギ耳を両手で掴み、引きちぎる。
堪らず獣人の女は京極の腕を掴む。獣人特有の高い握力と、生死の瀬戸際に置かれた馬鹿力でも京極の暴力は止められなかった。
顔面に一発。獣人の女の手を振りほどき、京極の拳が頬骨を砕く。
二発。
三発。
顔面は完全に潰れ、拳を胸に叩きつける。
あばら骨が折れ、胸部がへこむ。
四発。
五発。
六発。
胸部が露出し、京極は心臓を握る。
「愛ってのは、こういうことなんだな……」
京極は手の中で脈動する心臓を握り潰し、事切れた獣人の女をスキル『獅子の拳』で燃やす。
「スキルってのは便利だなぁ、証拠も簡単に消し炭だ」
京極はニヤリと笑みを浮かべる。
「バレない内にずらかりましょう」
「あぁ、酒でも飲みながらな……」
地面に落ちた酒瓶をラッパ飲みしながら、二人は夜の闇に紛れ、宿に帰った。
───────────────────────────────────────────────
7月6日、月曜日。
定期テストが返却される日だ。それとともに、全教科のクラス内順位と点数が黒板に張り出される。
最下位は番柄君で、すべての教科で0点。
教室中でクスクスと笑う声が聞こえてくる。
「番柄、テストの名前だけ全部書き忘れてたぞ。なんだ、遅れてやってきた反抗期か?」
鵠沼先生が茶化していう。
それに番柄君は苦い顔をして、首を横に振る。
「なんだ、口がついてるだろ。なにか訳があるのか」
鵠沼先生は少し真面目な顔をした。
それでも番柄君は苦い顔をするだけだ。
「番柄ァ!!お前のために言ってやってるんだぞ!」
番柄君は喉を焼かれているから喋れないんだけど、鵠沼先生はそれを知らないから、番柄君が反抗しているように見えるようだ。
「もういい。全員、返却したテストの見直しをすること」
バンッと教卓に手をついて、鵠沼先生は教室をでていった。
クラス中のみんなが、番柄君の幼稚な行動をバカにしていた。
「番柄く~ん。お口ついてないんですかぁーー?」
施陀愛心さんが番柄君の机に腰かけて嘲笑う。
「やめときなよ~愛心ぃ」
「よわいものいじめわぁ、かわいそーだよぉ?」
施陀さんの取り巻きの楠さんと渡会さんが、おどけた口調で番柄君を馬鹿にする。
番柄君は立ち上がって、不愉快そうな顔でテスト用紙を施陀さんに投げつけて、教室を出て行ってしまった。
◆
「遅いお帰りだね」
聖野は日記を閉じて、京極に声をかける。
「ほっとけ」
京極はぶっきらぼうにいうと、ベットに入ろうとする。
「その腕の痣はどうしたんだい?」
手首についた、手形の痣が差し込んだ月明りに浮かび上がっていた。
「それ以上聞くとお前も……」
京極は拳から炎を出して聖野に警告する。
「そうかい、まあいいよ。でも街の人に手を出したら……、許さないよ」
聖野の顔は、恐ろしく笑顔だった。
暗い夜道を京極と河原は歩いていた。
「京極さん、俺そろそろ限界っすよ!」
「わかってる。オレ様も殴りたりねぇ」
ランドの中でも治安の悪い地区の路地裏で、顔面が陥没し黒焦げになった死体が三人分転がっていた。
「あの女をヤルぞ」
「うっす」
酒場の裏手で、酒瓶の入った木箱を運ぶ獣人の女に二人は襲いかかる。
声を上げるより早く、京極が首を絞めて喉を潰す。女の持っていた木箱が落ち、酒瓶が辺りに散乱した。
「先にやらせてくださいよ」
河原がズボンのチャックを下ろし、京極によって地面に両腕を押さえつけられた獣人の女は、恐怖に泣き叫ぶも潰れた喉では呻き声にしかならなかった。
「ヤベー、超興奮してきたぁーー」
河原は女の青い毛の生えたウサギ耳を乱雑に掴むと、犯し始めた。
抵抗する女の腹を、河原は殴る。
「人権がないからやり放題だぜ……、はぁ……はぁ……」
河原の吐息が漏れ、獣人の女は諦めたように涙を流すだけだった。
河原のドブネズミのような灰色の毛先から汗が垂れ、冷たい石畳を濡らした。
「もう済んだか」
交代するように今度は京極が犯す。
「見張っときますんで」
河原は女が苦しむ顔を見たい衝動を抑えながら、京極が事を終わらすのを待った。
「いいぜ、女は久しぶりだ」
京極が拳を胸に振り下ろす。手加減した拳が肉をえぐった。
「あぁ……。これだよ、これぇ!」
月の光が赤い血を鮮明に映し出し、興奮が最高潮に達した京極は女の頭から生えたウサギ耳を両手で掴み、引きちぎる。
堪らず獣人の女は京極の腕を掴む。獣人特有の高い握力と、生死の瀬戸際に置かれた馬鹿力でも京極の暴力は止められなかった。
顔面に一発。獣人の女の手を振りほどき、京極の拳が頬骨を砕く。
二発。
三発。
顔面は完全に潰れ、拳を胸に叩きつける。
あばら骨が折れ、胸部がへこむ。
四発。
五発。
六発。
胸部が露出し、京極は心臓を握る。
「愛ってのは、こういうことなんだな……」
京極は手の中で脈動する心臓を握り潰し、事切れた獣人の女をスキル『獅子の拳』で燃やす。
「スキルってのは便利だなぁ、証拠も簡単に消し炭だ」
京極はニヤリと笑みを浮かべる。
「バレない内にずらかりましょう」
「あぁ、酒でも飲みながらな……」
地面に落ちた酒瓶をラッパ飲みしながら、二人は夜の闇に紛れ、宿に帰った。
───────────────────────────────────────────────
7月6日、月曜日。
定期テストが返却される日だ。それとともに、全教科のクラス内順位と点数が黒板に張り出される。
最下位は番柄君で、すべての教科で0点。
教室中でクスクスと笑う声が聞こえてくる。
「番柄、テストの名前だけ全部書き忘れてたぞ。なんだ、遅れてやってきた反抗期か?」
鵠沼先生が茶化していう。
それに番柄君は苦い顔をして、首を横に振る。
「なんだ、口がついてるだろ。なにか訳があるのか」
鵠沼先生は少し真面目な顔をした。
それでも番柄君は苦い顔をするだけだ。
「番柄ァ!!お前のために言ってやってるんだぞ!」
番柄君は喉を焼かれているから喋れないんだけど、鵠沼先生はそれを知らないから、番柄君が反抗しているように見えるようだ。
「もういい。全員、返却したテストの見直しをすること」
バンッと教卓に手をついて、鵠沼先生は教室をでていった。
クラス中のみんなが、番柄君の幼稚な行動をバカにしていた。
「番柄く~ん。お口ついてないんですかぁーー?」
施陀愛心さんが番柄君の机に腰かけて嘲笑う。
「やめときなよ~愛心ぃ」
「よわいものいじめわぁ、かわいそーだよぉ?」
施陀さんの取り巻きの楠さんと渡会さんが、おどけた口調で番柄君を馬鹿にする。
番柄君は立ち上がって、不愉快そうな顔でテスト用紙を施陀さんに投げつけて、教室を出て行ってしまった。
◆
「遅いお帰りだね」
聖野は日記を閉じて、京極に声をかける。
「ほっとけ」
京極はぶっきらぼうにいうと、ベットに入ろうとする。
「その腕の痣はどうしたんだい?」
手首についた、手形の痣が差し込んだ月明りに浮かび上がっていた。
「それ以上聞くとお前も……」
京極は拳から炎を出して聖野に警告する。
「そうかい、まあいいよ。でも街の人に手を出したら……、許さないよ」
聖野の顔は、恐ろしく笑顔だった。
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