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第二話
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酷い。 酷過ぎる。
創造魔法はありがたいけど、出来ればレベルもある程度は欲しかった。
「もしモンスターが出て来たら」
考えなくても容易にわかってしまう。
死ぬ。
死にたくない。やっとイジメから解放されたのに……。
そうと決まれば、移動開始だ。
この森を出て、人里に向かう。
「よし!」
◇
森を出て、見つけた道にそって歩く事、十分。
人里というより国を囲う外壁らしきものが見えた為、トールは足の痛みを我慢して駆け出した。
走る毎に、感覚が麻痺していくのがわかる。
近づくにつれ鼓動が早くなる。
鎧を装備した人が見えて思わず、声を張り上げた。
「おーい!」
ふいに視線が傾き、次の瞬間トールは意識を手放した。
◇
「ーー子が?」
声が聞こえる。
「ーーんの前で倒れたんだ」
近くで話してる?
「……ん」
ガチャガチャと鎧の音が近づいてくる。
「おい坊主、大丈夫か?」
トールは意識が朦朧とした中、周りの様子をうかがう。
そして目が合った男性に恐る恐る尋ねた。
「ここは……僕は一体……」
聞かれた男性は安堵した様子でこう答えた。
「ここはグランデ王国の外壁にある、警備室だ。 坊主が走ってくるのが見えたんだが、途中で気を失って倒れたんだ。 覚えてるか?」
覚えてる。
「それでよく見れば、素足だろ? 怪我してたから回復魔法で治癒してから、ここに運び込んだんだ。 で、今は説明してる」
「ありがとう」
「いやいや、良いって気にすんな。 で、覚えてるなら話は早い。 俺は警備兵だからな、仕事はする。 聞かれた事に答えてくれ」
警備兵の男性が引き出しから紙を取り出し、ペンを持ち何かを書き込んでいく。
ふと、視線が机の上にある小物に移った。
「ああ、これはウソをついてるのかがわかる魔道具だ。 念の為に使うから気にしなくても良い」
凄いな異世界。
「じゃまず、何で走ってた」
これは正直に答えないとな。
「目が覚めたら森の中にいました。 安全を確保したくて人里を探して歩いてここに辿り着きました」
「目が覚めたら森の中にいた? 森って……迷いの森か?」
なんだその、いかにも迷いそうな森は。
「迷うんですか?」
「ああ、迷う。 一度通った所にいつの間にか戻ってるのが普通だ」
そんな所にいたのか!
僕をこの世界に呼んだ奴と会ったら殴ってやる。
「次だ。 目が覚めたらと言ったが、その前はどこにいた?」
「自分の部屋にいて、気づいたら森で寝転がっていました」
うん。魔道具の反応はないな。
「魔道具の反応はない。 つまり、捨てられたか」
え?!僕、捨て子扱いなの?!
「後は、これだな。 この板に手を置いてくれ。 右でも左でもいい」
言われた通りに手を置くと、ピッという音に続いてステータスが表示された。
なんてハイテク!
「トール・カグヤ……十二歳。 種族、人族。 賞罰なし。 称号……ん? 異世界転移者?」
創造魔法はありがたいけど、出来ればレベルもある程度は欲しかった。
「もしモンスターが出て来たら」
考えなくても容易にわかってしまう。
死ぬ。
死にたくない。やっとイジメから解放されたのに……。
そうと決まれば、移動開始だ。
この森を出て、人里に向かう。
「よし!」
◇
森を出て、見つけた道にそって歩く事、十分。
人里というより国を囲う外壁らしきものが見えた為、トールは足の痛みを我慢して駆け出した。
走る毎に、感覚が麻痺していくのがわかる。
近づくにつれ鼓動が早くなる。
鎧を装備した人が見えて思わず、声を張り上げた。
「おーい!」
ふいに視線が傾き、次の瞬間トールは意識を手放した。
◇
「ーー子が?」
声が聞こえる。
「ーーんの前で倒れたんだ」
近くで話してる?
「……ん」
ガチャガチャと鎧の音が近づいてくる。
「おい坊主、大丈夫か?」
トールは意識が朦朧とした中、周りの様子をうかがう。
そして目が合った男性に恐る恐る尋ねた。
「ここは……僕は一体……」
聞かれた男性は安堵した様子でこう答えた。
「ここはグランデ王国の外壁にある、警備室だ。 坊主が走ってくるのが見えたんだが、途中で気を失って倒れたんだ。 覚えてるか?」
覚えてる。
「それでよく見れば、素足だろ? 怪我してたから回復魔法で治癒してから、ここに運び込んだんだ。 で、今は説明してる」
「ありがとう」
「いやいや、良いって気にすんな。 で、覚えてるなら話は早い。 俺は警備兵だからな、仕事はする。 聞かれた事に答えてくれ」
警備兵の男性が引き出しから紙を取り出し、ペンを持ち何かを書き込んでいく。
ふと、視線が机の上にある小物に移った。
「ああ、これはウソをついてるのかがわかる魔道具だ。 念の為に使うから気にしなくても良い」
凄いな異世界。
「じゃまず、何で走ってた」
これは正直に答えないとな。
「目が覚めたら森の中にいました。 安全を確保したくて人里を探して歩いてここに辿り着きました」
「目が覚めたら森の中にいた? 森って……迷いの森か?」
なんだその、いかにも迷いそうな森は。
「迷うんですか?」
「ああ、迷う。 一度通った所にいつの間にか戻ってるのが普通だ」
そんな所にいたのか!
僕をこの世界に呼んだ奴と会ったら殴ってやる。
「次だ。 目が覚めたらと言ったが、その前はどこにいた?」
「自分の部屋にいて、気づいたら森で寝転がっていました」
うん。魔道具の反応はないな。
「魔道具の反応はない。 つまり、捨てられたか」
え?!僕、捨て子扱いなの?!
「後は、これだな。 この板に手を置いてくれ。 右でも左でもいい」
言われた通りに手を置くと、ピッという音に続いてステータスが表示された。
なんてハイテク!
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