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19話
ホテルでの幸福な夜から一ヶ月後。
達明は理乃の実家を訪れてきていた。
「ほ、本当に話が進んでいくと、緊張しますね」
達明からのプロポーズ以来、お互いの両親に相手がいることを伝えたり、職場に話を通したりと忙しかった。
先に話を伝えた部長は、嬉しそうに何度も頷いていた。
「今日は俺の方が緊張する日だがな」
理乃の両親に挨拶をするために来ている達明は、いつも以上にスーツをビシッと着て、ヘアセットにも隙がない。
その姿はファッションモデルさながらで、両親には本当にこれが彼氏なのだと信じてもらえるか、理乃は不安に思っていた。
都内にあるマンションの一室、理乃はインターホンを鳴らす。
「いらっしゃーい。……!?!? この格好いい人が本当にあんたの彼氏なの!?」
案の定、母は理乃の予想した通りの反応をしてきた。
「お母さん、人に指差さない!」
小学生にするような注意をして部屋に上がり込む。
父も中でスーツを着て待っていたが、達明の姿を見るなり固まった。
「理乃……お前、待て。こんな格好いい人だなんてお父さんは聞いていないぞ! 騙されてるんじゃないか!?」
「だから、失礼なこと言わないでってば。達明さんは堅物上司で有名なくらい、すごく真面目でいい人なんだから」
やいのやいのと言い合っていると、「ぷはっ」と達明が吹き出した。
「……失礼。明るくていいご家族ですね」
「もう、達明さんに笑われちゃったじゃない。ほら、お母さん、ご飯の用意してあるんでしょう?」
今日は実家でお寿司を取っていた。高級感のあるトレーには所せましとお寿司が並んでいる。そこにお漬物なんかの付け合わせも母が用意してくれていて、四人でテーブルを囲んだ。
「あっちゃんは仕事が終わったら来るって」
妹の亜紀は、今日も仕事らしい。途中合流することになっていた。
「それで、あの、お義父さん……」
食事の前に、と達明が正座になって改まった声を出す。
「君にお義父さんと呼ばれる筋合いは……ある! 娘をよろしく頼んだぞ」
「お父さん! フライングフライング!」
せっかく達明が改まって挨拶をしようとしたのに、父がふざけたせいで空気が弛緩してしまった。
「っはは! 本当に理乃のご家族は楽しい人ばかりだな」
「もー。せっかく達明さんがご挨拶してくれようとしたのに……」
「いやだって、父、照れちゃうもん」
「照れちゃうもんじゃないよ! お父さんがそんなこと言っても可愛くないんだからね」
言い合いながら笑っていると、達明がしみじみとした声で「本当にいいご家族だ」と呟いた。
「理乃さんとは、こんな風に笑いの絶えない家庭を作っていきたいと思っています」
そんな風に達明が言うと、不意を突かれたように、父が涙目になっていた。
「理乃も大きくなったなぁ。こんなに素敵な人を連れてきて……」
「本当にねぇ。このまま仕事一筋で結婚もしないんじゃないかと思っていたけど」
両親がしみじみと言うと、理乃も少し泣きそうになってくる。
「理乃さんは本当に真面目な働きぶりで、部下としても信頼していますし女性としてもとても魅力的だと思っています」
なんて達明がベタ褒めするものだから、しんみりした気持ちと気恥ずかしい気持ちとが綯い交ぜになって、どう言う表情をしていいのかもわからない。
その時、ガチャリとドアが鳴った。
「あ、あっちゃんだわ」
「ただいまー。……お母さん!? お姉ちゃん騙されてるよ絶対! なにこのハリウッド俳優みたいな格好いい人!」
「もう、その反応はいいってば! みんなおんなじ反応するんだから……」
呆れたように理乃が言うと、亜紀が理乃の腕に縋り付いてゆさゆさと揺すぶった。
「お姉ちゃん! どこでこんな格好いい人捕まえたの! どんな黒魔術使ったの!」
「もー、達明さんは職場の上司! 黒魔術は使ってない!」
「理乃さんはそのままでも魅力的な人ですよ。ライバルが多くて、私も苦労しました」
達明がそんなことを言うと、「お姉ちゃんに三角関係が!?」と亜紀が食いつく。
「達明さん、もう、余計なこと言わないでください!」
理乃が困った顔をして眉を下げると、達明は幸せそうに笑う。
そんな風に笑い合って過ごしながら、夕食の時間は過ぎていった。
「今日はありがとうございました」
家のドアの前で、理乃は挨拶をする。理乃は今日、実家に泊まっていく予定だ。
「いや、こちらこそ時間をとってもらって助かった。ご両親に早めにご挨拶ができてよかった」
「今度は達明さんのご実家にも挨拶に行かないとですね」
「ああ。また予定を擦り合わせよう」
達明は時計を目にすると、背を向ける。理乃はその広い背中を幸福な気持ちで見送った。
週明け、理乃と達明の婚約は職場で発表される運びとなった。
社内恋愛として事情を察している社員がいる以上、曖昧なままで引っ張るのは良くないとの判断である。
「緊張しますね」
「大丈夫だ。堂々としていればいい」
達明は理乃の背に手を添えると、部長に呼ばれてオフィス内に入る。
「えー、社員のみんなに発表がある。この、原くんと今井くんだが、この度婚約する運びとなった。公私混同はしないよう厳命してあるので、安心して祝福してほしい」
驚きの視線が、理乃たちに集まる。
追って、誰からともなく拍手が起きて、最終的には盛大な拍手が理乃たちを包み込むことになった。
唯一望月だけが、不貞腐れたような顔でそっぽを向いている。
その後、同僚たちは次々と祝福の声をかけてくれた。
達明も同僚たちと肩を叩き合いながら、微笑んでいる。
昼休み、理乃が口々に祝福の言葉をかけられていると、望月が部長に呼ばれているのに気づいた。
視線で追っていると、それに気づいた達明が寄ってきて、事情を説明してくれた。
「望月は今井の足を引っ張ろうという行動が目立っていたからな。注意が入るそうだ。今後は少しは過ごしやすくなると思う」
その言葉に、ほっと胸を撫で下ろす。
理乃は気が弱いタチではないとはいえ、あまり敵視されていてもやりにくいのだ。
それから二ヶ月が過ぎた。
結婚式の準備に追われながら、新築マンションで同棲を始めた二人は、幸せな新生活を送っている。
式場の予約にドレスの選定、招待客のリストアップなど、やるべきことはいくらでもあるが、それも充実した忙しさだった。
結婚式よりも先に入籍した二人は、子供も授かれればいいねと話し合っている。
達明は相変わらず夜は情熱的だが、理乃の仕事にもきちんと配慮をしてくれて、今では週末になると体を重ねるというリズムもできていた。
夜中、体を重ねた後の重だるさで目が覚めた理乃は、隣で眠る達明の寝顔を見つめる。
(これからもずっと、一緒にいられますように……)
そんな風に願いながら、理乃は達明の唇へ、そっとキスを落とした。
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お読みいただきありがとうございます。本作、第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。
もし面白いと思っていただけたら、ぜひ投票をよろしくお願いします!
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「ほ、本当に話が進んでいくと、緊張しますね」
達明からのプロポーズ以来、お互いの両親に相手がいることを伝えたり、職場に話を通したりと忙しかった。
先に話を伝えた部長は、嬉しそうに何度も頷いていた。
「今日は俺の方が緊張する日だがな」
理乃の両親に挨拶をするために来ている達明は、いつも以上にスーツをビシッと着て、ヘアセットにも隙がない。
その姿はファッションモデルさながらで、両親には本当にこれが彼氏なのだと信じてもらえるか、理乃は不安に思っていた。
都内にあるマンションの一室、理乃はインターホンを鳴らす。
「いらっしゃーい。……!?!? この格好いい人が本当にあんたの彼氏なの!?」
案の定、母は理乃の予想した通りの反応をしてきた。
「お母さん、人に指差さない!」
小学生にするような注意をして部屋に上がり込む。
父も中でスーツを着て待っていたが、達明の姿を見るなり固まった。
「理乃……お前、待て。こんな格好いい人だなんてお父さんは聞いていないぞ! 騙されてるんじゃないか!?」
「だから、失礼なこと言わないでってば。達明さんは堅物上司で有名なくらい、すごく真面目でいい人なんだから」
やいのやいのと言い合っていると、「ぷはっ」と達明が吹き出した。
「……失礼。明るくていいご家族ですね」
「もう、達明さんに笑われちゃったじゃない。ほら、お母さん、ご飯の用意してあるんでしょう?」
今日は実家でお寿司を取っていた。高級感のあるトレーには所せましとお寿司が並んでいる。そこにお漬物なんかの付け合わせも母が用意してくれていて、四人でテーブルを囲んだ。
「あっちゃんは仕事が終わったら来るって」
妹の亜紀は、今日も仕事らしい。途中合流することになっていた。
「それで、あの、お義父さん……」
食事の前に、と達明が正座になって改まった声を出す。
「君にお義父さんと呼ばれる筋合いは……ある! 娘をよろしく頼んだぞ」
「お父さん! フライングフライング!」
せっかく達明が改まって挨拶をしようとしたのに、父がふざけたせいで空気が弛緩してしまった。
「っはは! 本当に理乃のご家族は楽しい人ばかりだな」
「もー。せっかく達明さんがご挨拶してくれようとしたのに……」
「いやだって、父、照れちゃうもん」
「照れちゃうもんじゃないよ! お父さんがそんなこと言っても可愛くないんだからね」
言い合いながら笑っていると、達明がしみじみとした声で「本当にいいご家族だ」と呟いた。
「理乃さんとは、こんな風に笑いの絶えない家庭を作っていきたいと思っています」
そんな風に達明が言うと、不意を突かれたように、父が涙目になっていた。
「理乃も大きくなったなぁ。こんなに素敵な人を連れてきて……」
「本当にねぇ。このまま仕事一筋で結婚もしないんじゃないかと思っていたけど」
両親がしみじみと言うと、理乃も少し泣きそうになってくる。
「理乃さんは本当に真面目な働きぶりで、部下としても信頼していますし女性としてもとても魅力的だと思っています」
なんて達明がベタ褒めするものだから、しんみりした気持ちと気恥ずかしい気持ちとが綯い交ぜになって、どう言う表情をしていいのかもわからない。
その時、ガチャリとドアが鳴った。
「あ、あっちゃんだわ」
「ただいまー。……お母さん!? お姉ちゃん騙されてるよ絶対! なにこのハリウッド俳優みたいな格好いい人!」
「もう、その反応はいいってば! みんなおんなじ反応するんだから……」
呆れたように理乃が言うと、亜紀が理乃の腕に縋り付いてゆさゆさと揺すぶった。
「お姉ちゃん! どこでこんな格好いい人捕まえたの! どんな黒魔術使ったの!」
「もー、達明さんは職場の上司! 黒魔術は使ってない!」
「理乃さんはそのままでも魅力的な人ですよ。ライバルが多くて、私も苦労しました」
達明がそんなことを言うと、「お姉ちゃんに三角関係が!?」と亜紀が食いつく。
「達明さん、もう、余計なこと言わないでください!」
理乃が困った顔をして眉を下げると、達明は幸せそうに笑う。
そんな風に笑い合って過ごしながら、夕食の時間は過ぎていった。
「今日はありがとうございました」
家のドアの前で、理乃は挨拶をする。理乃は今日、実家に泊まっていく予定だ。
「いや、こちらこそ時間をとってもらって助かった。ご両親に早めにご挨拶ができてよかった」
「今度は達明さんのご実家にも挨拶に行かないとですね」
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達明は時計を目にすると、背を向ける。理乃はその広い背中を幸福な気持ちで見送った。
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唯一望月だけが、不貞腐れたような顔でそっぽを向いている。
その後、同僚たちは次々と祝福の声をかけてくれた。
達明も同僚たちと肩を叩き合いながら、微笑んでいる。
昼休み、理乃が口々に祝福の言葉をかけられていると、望月が部長に呼ばれているのに気づいた。
視線で追っていると、それに気づいた達明が寄ってきて、事情を説明してくれた。
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その言葉に、ほっと胸を撫で下ろす。
理乃は気が弱いタチではないとはいえ、あまり敵視されていてもやりにくいのだ。
それから二ヶ月が過ぎた。
結婚式の準備に追われながら、新築マンションで同棲を始めた二人は、幸せな新生活を送っている。
式場の予約にドレスの選定、招待客のリストアップなど、やるべきことはいくらでもあるが、それも充実した忙しさだった。
結婚式よりも先に入籍した二人は、子供も授かれればいいねと話し合っている。
達明は相変わらず夜は情熱的だが、理乃の仕事にもきちんと配慮をしてくれて、今では週末になると体を重ねるというリズムもできていた。
夜中、体を重ねた後の重だるさで目が覚めた理乃は、隣で眠る達明の寝顔を見つめる。
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