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忘れられない。
しおりを挟む「忘れられない!!」
待機部屋で頭を抱え大声を出したら、そばにいたレントが慌てふためいた。
「ちょっとシュウちゃん、皆に聞こえるって!」
台風が接近しているらしい。そのせいで店は恐ろしいほど暇だ。普段は待機ゼロ・予約完売が基本のこの俺ですら、すでに一時間はこの部屋でぼけっとしている。
「離れてるし、だいいち外の風の音がうるさすぎて聞こえないだろ。風っていうか暴風雨だなこりゃ。レント、どうやって帰る?」
「送迎車から家に入るまでのほんの少しの間にも、命を失いそうな天気だよね」
「だから今日の出勤少なかったのか。俺らは天気予報も確認しないアホってわけだ」
「まあ、そんなアホが他にも数人いるみたいだけどね」
俺とレントは窓のそばに並んで座っている。室内には俺たちの他にも二人いて、それぞれ離れたところに座って、イヤホンで何やら聴いたり、漫画を読んだりしていた。
結論から言うと、あの日ミヤビは挿れてくれなかった。俺は自分の魅力を全否定された気持ちになり、彼を見送った後、人生盛大に凹んだ。
「……俺ってけっこう魅力的な方だと思ってたんだけど、自意識過剰だったのかな」
「魅力的だからNo. 1なんだろ?自信持ちなよ。Mさんのことはもう忘れてさ」
俺はレントにミヤビと出会った衝撃について話したものの、名前が本名だった場合そのまま伝えたら悪いと思い、イニシャルで濁していた。
「忘れるとか簡単に言うなよな。お前は究極に自分のタイプだ!っていう男と出会ったことあんのか?」
「あるけど」
「嘘つくなよ。誰だよそれ」
「シュウちゃんだよ」
俺が驚いて黙り込んでいるとレントはへらりと笑い、嘘だよ、と言った。
「……びびらすなよバカ」
「タイプなのはわかったけどさ。俺はそもそも風俗に来る男は全員最低だと思ってるから、共感しかねる」
「相変わらずカタイ女みたいなこと言うなあ」
「だいたいそれ、タイプな人とエッチなことしたから恋したって勘違いしてるだけじゃん?」
「待てよ、恋とは言ってないだろ!」
俺はレントの発言を全否定する。確かにミヤビのことが忘れられなくて、一昼夜を悶々としながら過ごしている。でもそれは、彼が俺になびかなかったからだ。そんな客、これまでで唯一と言ってもいい。だから執着しているだけで、それと恋とは別物だ。
「会ってないときに相手のことを何度も思い出すことを、恋って言うんだよ」
レントが憐れむような瞳で俺のことを見た。そんな言葉で片付けてもらっちゃ困るのだが、なぜだか反論できない。正直に言うと、ミヤビともっと会話をしたかった。終了のタイマーが鳴り、俺は彼をみすみす帰してしまったのだった。
外では風が唸りを上げている。まるで俺の心の叫びようだ。ミヤビはいま何をしているだろう。俺みたいに膝を抱えて、室内でじっとしているだろうか。
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