【BL】ゲイ向け風俗店で働くNo. 1の俺が、不覚にも客のイケメンに恋してしまった話。

猫足

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待てど暮らせど。

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レントの慰めは所詮慰めにしかすぎず、あれから三週間経っても一向にミヤビは現れない。また来るね、と言ってくれたならまだしも、そんな口約束すらない相手をじっと待っている健気な自分に涙が出そうになってきた。



「まじで仕事のやる気が出ない…」



今日も完売御礼で、目まぐるしい片付けの間に秋穂ちゃんについ弱音を吐いてしまった。



「え!いつもと変わらなく見えたのに。何か悩みでもあるんですか?」



優しく聞いてくれたものの、まさか「一度来てくれただけのどタイプの男に心が持っていかれてるんだよね」などとプロとしてあるまじき発言をするわけにもいかず、ごにょごにょと濁してしまった。



「私で良ければいつでも聞くので、言いたくなったタイミングで話してくださいな」
「ありがとう。秋穂ちゃんにはマジで救われてる」
「こちらこそです。同性を愛する者同士、悩みも多いですが頑張りましょう!」
「え?ちょっと待って」



秋穂ちゃんが同性愛者だというのは初耳である。店的にも世間的にももはや珍しいことではないが、あまりにさらっとぶっちゃけるので驚いてしまった。
秋穂ちゃんはひとつにまとめた髪の毛を結び直しながら無邪気に笑う。



「あれー。言ってませんでしたっけ」
「初耳だよ。でもなんか、ますます身近に感じて嬉しいっていうか」
「そう言ってもらえて私も嬉しいです。ずっと女の子が好きなんですよ」
「どういう子がタイプとかあるの?」
「めちゃくちゃぶりっ子で、性格悪い子がだーいすきなんです。だから傷つくことも多くて」


ヘビーな内容に対して一貫して明るい秋穂ちゃんが面白くて、つい吹き出してしまった。


「いいねそのスタンス。元気出るわ。ていうか可愛い。秋穂ちゃんが可愛い。性別とか関係なく」
「うれしー。顔がいい人に褒められるとやっぱりテンション上がります」



今日も頑張るぞー!と言って、秋穂ちゃんは拳を天井に突き上げた。



「…やっぱこれだけ聞きたい。会いたい人に会えない時ってどうする?連絡も取れないとして」


この例えはいかにも対お客さんという感じがしてまずかったな、と口にした後に思ったが、秋穂ちゃんが訝しんだ様子はなさそうだ。


「ひとまず祈って待ちますね。待って待って待って、それでも会えなければ遊びまくります」
「遊びまくる」
「そう。タイプの子と、とにかく片っ端から遊んで忘れます!」
「かっこいい…」


可愛いの次はかっこいいである。なんて頼もしい女の子なんだ。俺としたことが、レントに釣られて少々ナイーブに傾いていたらしい。ちょっとタイプの男に出会ったからって、根底からぐらついていてどうする。


「よし。やる気出た。次も頑張るわ」
「応援してますよ!あと一本、頑張りましょう!」


待って待って待って、があとどのくらいなのかは予想もつかないが、ひとまず待ってみようと、再び決意を新たにした。

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