【BL】ゲイ向け風俗店で働くNo. 1の俺が、不覚にも客のイケメンに恋してしまった話。

猫足

文字の大きさ
13 / 20

対面。

しおりを挟む


恋(?)をしてからというもの、プライベートがそこそこ楽しい。以前は店と家の往復と、時々友達と遊んだり気に入った人と関係を持ったり、酒を飲んだり、それもまあ別につまらなくはないのだが、普通に空虚な毎日を送っていた。


あのがらんどうな感じが今はない。ミヤビに一度しか会えていないのにおかしな話だが、生活にハリが出た。それだけでも意味があったと自分に言い聞かせている。


駅前でレントと待ち合わせて、レントの彼氏が働く店の近くまでやってきた。今回は紹介してもらうのではなくその人を盗み見ることが目的のため、ここから先は別行動だ。


「シュウちゃんにはいつかちゃんと紹介したいから、今日は彼氏に話しかけたりしないでね。コーヒー買って帰ってくるまで、俺ここで待ってるから」


レントがしつこいくらい念押ししてくる。


「わかってるって。俺だって後々気まずくなりたくないし、あんまりじろじろ見ないようにするよ。レントの分もコーヒー買ってきてやるからちょっと待ってて」
「わかった。ありがとう」


レントを残して角を曲がり、教えてもらったカフェに入った。英国風な外観もよかったが店内も同じくおしゃれな内装で、スイーツを食べている女性や読書を楽しむ男性など、人数も老若男女も問わずくつろげるような広い空間だった。


(広瀬、広瀬)


スタッフが何人も働いていたが、レントの好みは把握している。入ってすぐに目星はついていた。あとは教えてもらった苗字と名札を照らし合わせるだけ…


(…えっ?)


広瀬という名札をつけた店員が、俺の前に並んだ女性のオーダーをレジで聞いている。その横からさっと現れて、コーヒーの準備を始めた男に俺の目は釘付けになった。


(ミ、ミヤビ!?)


見間違えるはずかない。どの角度から見ても完全に俺のタイプの見た目。レントには申し訳ないが、ミヤビの前ではレントの彼氏など霞んでしまう。


動悸と眩暈が一気に来た。どくどくと心臓の音が聞こえて、全身に血が巡っているのを感じる。それなのに呼吸は浅い。


ずっと、ずっと会いたかった人が目の前にいる。でもここで話しかけたら気持ち悪がられるに決まっていて、ああもう俺は、一体どうしたらいいのだろう。


「ご注文をお伺いします」


レントの彼氏はにこやかに尋ねてくる。俺はこちらに背を向けているミヤビに意識が持っていかれているが、ミヤビはそんなことを知る由もなくキッチンに入って行ってしまった。


「コーヒー…コーヒー二つ、テイクアウトで」


ミヤビが視界から消えたため、少しだけ落ち着きを取り戻すことができた。それでも決済のために取り出したスマホを落としそうなくらいには手汗をかいていた。


絶対本人だ。もう一度顔を見ることができた。嬉しくて、でもどうしたらいいかわからなくて、俺はコーヒーをこぼしそうになりながら、急いでレントの元へ帰る。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

BL 男達の性事情

蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。 漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。 漁師の仕事は多岐にわたる。 例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。 陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、 多彩だ。 漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。 漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。 養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。 陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。 漁業の種類と言われる仕事がある。 漁師の仕事だ。 仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。 沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。 日本の漁師の多くがこの形態なのだ。 沖合(近海)漁業という仕事もある。 沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。 遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。 内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。 漁師の働き方は、さまざま。 漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。 出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。 休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。 個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。 漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。 専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。 資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。 漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。 食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。 地域との連携も必要である。 沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。 この物語の主人公は極楽翔太。18歳。 翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。 もう一人の主人公は木下英二。28歳。 地元で料理旅館を経営するオーナー。 翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。 この物語の始まりである。 この物語はフィクションです。 この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

お兄ちゃんができた!!

くものらくえん
BL
ある日お兄ちゃんができた悠は、そのかっこよさに胸を撃ち抜かれた。 お兄ちゃんは律といい、悠を過剰にかわいがる。 「悠くんはえらい子だね。」 「よしよ〜し。悠くん、いい子いい子♡」 「ふふ、かわいいね。」 律のお兄ちゃんな甘さに逃げたり、逃げられなかったりするあまあま義兄弟ラブコメ♡ 「お兄ちゃん以外、見ないでね…♡」 ヤンデレ一途兄 律×人見知り純粋弟 悠の純愛ヤンデレラブ。

初体験

nano ひにゃ
BL
23才性体験ゼロの好一朗が、友人のすすめで年上で優しい男と付き合い始める。

【創作BL】溺愛攻め短編集

めめもっち
BL
基本名無し。多くがクール受け。各章独立した世界観です。単発投稿まとめ。

親友が虎視眈々と僕を囲い込む準備をしていた

こたま
BL
西井朔空(さく)は24歳。IT企業で社会人生活を送っていた。朔空には、高校時代の親友で今も交流のある鹿島絢斗(あやと)がいる。大学時代に起業して財を成したイケメンである。賃貸マンションの配管故障のため部屋が水浸しになり使えなくなった日、絢斗に助けを求めると…美形×平凡と思っている美人の社会人ハッピーエンドBLです。

仕事ができる子は騎乗位も上手い

冲令子
BL
うっかりマッチングしてしまった会社の先輩後輩が、付き合うまでの話です。 後輩×先輩。

処理中です...