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第七章
対面
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目の前に座っている人物に、僕が抱いている感情をなんと表現すれば良いのかわからなかった。
強いて表現するとすれば、懐かしいという感情の中に恐怖や戸惑いといった感情が入り交じり、その結果として
僕の感情を制御しているどこかの器官がオーバーヒートしている。こうして頭を巡らせることで辛うじて思考が冷却水の代わりを
果たし、感情の暴走を抑えている。そんな状況だ。
・・・先ほど、彼女に契約についての質問した。そしてその回答は僕の頭をパニックにするには充分な情報であった。
だが、彼女曰くここまで来てしまった以上、否、この洋館に入ってしまった以上、契約の解除は不可能であるとのことだった。
クーリングオフなどが適用される場所ではないことは、言うまでもない。
しかし僕の性格は、こんな状況でさえ感情に身を任せて荒々しい行動をとることを許さなかった。
普通の人間なら泣き叫んだり、目の前の女性の胸倉につかみかかり怒鳴り声を上げたりするのだろうか。
普通の人間の定義とは何なのか。それはわからないが、この状況で感情を露わにしない自分は特殊なのだろう。そう考えることにした。
僕はしばらく考え込んだ後、契約の代価の支払を避けることをあきらめた。そしてこの契約の報酬が支払う対価に見合うものであると考えることにした。
きっとそうだ。契約とは、双方の利益の上に成り立つ制度であるのだから。・・・そうあってほしい。
・・・そして、目の前には、高校生の自分が座っている。彼は、こちらを見つめているその顔には覇気がなく、およそ思春期という
情熱的なものの想像を掻き立てる言葉には相応しくない少年だった。
僕は彼に苛立ちに近い感情を抱いている自分に気が付いた。これは自分で自分が許せないという表現に当たるのだろうか。と
考えていると、彼が口を開く。
「あ、あなたは誰ですか?というかここは何なんですか?部活の帰りにいきなり気を失ったと思ったらここにいて。」
「あなたが僕をここに呼んだのですか?あのきれいな女の人にソファーに座ってあなたと話せばわかるって・・・」
彼はオドオドしながら話す。目の前の大人の表情を伺いながら話しているのだろう。
無理もない。誘拐か何かだと思っているはずだ。少なくとも彼の日常の出来事からは大きく外れている。
僕は彼に落ち着くように促した。僕もこの部屋に閉じ込められていて君と一緒の状況であること。
ここで君と会話をすれば開放されると言われていると嘘をついた。
人間、嘘をつこうと思えば案外スラスラ出てくるものなんだな。喋りながらそんなことを考えていた。
彼は自分と同じ状況に置かれた大人がいると知り、少し落ち着いたようだ。しかし、すぐに知らない大人の男性を向かい合わせで座っている
ことに居心地の悪さを感じたのだろう。装飾品など何も無いこの部屋を、見まわしたり木製の机の模様を見つめたりしていた。
ここは僕から話しかけなれば、この状況がいつまでも続いてしまうだろう。
僕は先ほどの少女のと会話を思い出し、彼に君は今人生に満足しているか尋ねてみた。
彼は苦笑いを浮かべ、少し考えたのちに分かりませんと答えた。まあそうだろう。
それは人生に満足していないということだよ。と彼に伝える。
少し、僕のことを怪しい人間であると思ったのか、彼は怪訝な表情を浮かべる。
面倒くさい少年だ。昔から人を信じるより、疑う方が得意だった。だからこそ人生で大きな損をすることを
避けてこれたのかもしれないが。だが同時に大きな成功も収めることが出来ていない原因なのかもしれないな。
僕は、彼を安心させる為に自分は精神科医であると嘘をついた。君がこの異常な状況下でどのような精神状態にあるのか僕は理解できると
PTSD などと目の前の自分が生きていた当時、一般に認知されつつあった言葉まで用いて僕は彼を騙した。
自分で自分を騙すことは、それほど難しいことではないらしい。この疑り深い少年は僕を親切な、そして自分と同様に
不幸な目に合っている精神科医であると信じたようだ。
質問を続ける。君の人生を満たすために欠けていることは何か聞いてみた。
「・・・幸運でしょうか。」
彼は、そう言った。僕の予想を裏切る回答だった。
現在の僕は、自分に欠けているものは行動力だと考えている。
それは自分に非があるから、魅力のない人生が出来上がっているのだと認めているということになる。
しかし、高校生の彼は悪いのは自分ではないと考えているようだ。再び苛立ちを覚えたがすぐに
冷静さを取り戻した。僕だって、仕事が上手くいかないことを会社のせいにしているじゃないか。
そこで僕は彼に運といった外的要因ではなく、自分自身の内的要因として何か挙げることは出来ないか。そう尋ねた。
彼は、しばらく考え込んでいたがやがて何かを思いついたように目を見開いた。
「努力・・・だと思います。」
考えこんだ結果、何とも陳腐な回答になったもんだ。高校生というものはこれほど稚拙な思考回路をしている
ものなのか。自分自身に失望していても、何も始まらないので、誘導尋問を仕掛けてみようと思った。
なるほど、努力か。それは、具体的に何を指しているのか。何か一つの事を熱中する経験のことを指していたりしないだろうか。
慣れないことはするものではないな。自分でやっていて不自然極まりない誘導の仕方だ。
次の手を考えようかと思っていたが、彼の表情を見ると案外そうでもないらしい。
なるほど。これが赤の他人であったとしたら、この表情について誤解や理解の不足を招くのだろう。
彼は最初から、何事にも熱中できない自分に気づいていたのだ。そして、そんな自分に不満も持っていた。
その事に気づいているが、自分の無限の可能性とやらを信じてみたいという自分を捨てられずに、自己を否定する考えを
頭から消し去ろうとしていたのであろう。それについては、理解できる。というか、実際高校生の時はそのような考え方であったことを
思い出していた。確かに自分の未来を否定するには早い。事実僕は高校生の自分に自分を変えることが出来る力があると
そう思ったからこそ、この契約を履行しようを決めたのではないのか。
目の前の少年は稚拙な思考の持ち主なんかではない。ただ自分の未来を信じたい少年じゃないか。
僕はソファーに座り直し、改めて心身ともに彼と真正面から向き合った。
何か分かったようだね。と彼に尋ねる。彼は頷く。
「僕は、今までなにかに熱中したことがないんです。周りの友だちは部活に一生懸命になっているけれど、僕はそんな気にもなれず、
あ、部活はしてますよ。剣道部。でもそんな、真面目じゃないってゆうか、何か・・・そんな感じで・・・」
「あの・・・先生って呼ぼせてもらったらいいのでしょうか。」
僕は黙って頷く。
彼の口からは言葉がとめどなく溢れる。僕はそれを頷き、受け止めてやる。
「でも、何をすればいいのかわからないんです。何が自分に足りないのか分からないんです。」
「勉強?それとも部活?あ、バイトとかもあるのかな・・・」
「先生、僕はどうしたらいいんでしょうか。このままだと面白くない大人になってしまいそうで。怖くて。」
僕は、面白くない大人というワードに少し身体が冷える思いがしたが、我慢して彼の言葉を聞き続けた。
「遊び惚けられるほど僕は不良じゃないし、そもそも親や大人の目も怖いから目立たない真面目な生徒でありたいっていう気持ちもあるんです。」
我ながら、これほど自分の気持ちを大人に向かってぶつけることの出来る人間だと思っていなかった。
これは僕が彼自身だから、無意識のうちに彼に安心を与えているのだろうか。それともこの不思議な雰囲気の漂う洋館の力なのだろうか。
僕は少し考え込んだ。ここまで自分が真剣に悩んでいると思っていなかった。正確には覚えていなかったということか。
何をこの少年にアドバイスすれば良いのか。僕はこれから彼に、そして自分自身に訪れるであろう出来事のことを考え、悩んだ。
そして、1つの結論を出した。
自分が今したいことをすればいい。そうすれば自ずとやりたいことが見つかるはずだから。と彼に言った。
そう言っているうちに僕は、自分自身の顔が紅潮していないだろうかと思った。
なんと恥ずかしい、ありふれた面白くない台詞なのか。・・・やはり僕は面白くない大人だ。
彼の表情からも目の前の大人に対する、失望の念が見て取れた。
このままでは、僕は彼を変えてあげることが出来ない。どうすれば良いのか。思考を巡らせる。
ふと僕の頭の中に、一人の人物の顔が浮かんだ。
僕は彼にこう続けた。
君には、想い人はいないのかと。
目の前の少年の表情から察するに、心当たりがある人物が思い浮かんでいるのだろう。そして、その人物は今現在、未来の自分の頭にも
浮かんでいるということを彼は知る由もないだろう。
強いて表現するとすれば、懐かしいという感情の中に恐怖や戸惑いといった感情が入り交じり、その結果として
僕の感情を制御しているどこかの器官がオーバーヒートしている。こうして頭を巡らせることで辛うじて思考が冷却水の代わりを
果たし、感情の暴走を抑えている。そんな状況だ。
・・・先ほど、彼女に契約についての質問した。そしてその回答は僕の頭をパニックにするには充分な情報であった。
だが、彼女曰くここまで来てしまった以上、否、この洋館に入ってしまった以上、契約の解除は不可能であるとのことだった。
クーリングオフなどが適用される場所ではないことは、言うまでもない。
しかし僕の性格は、こんな状況でさえ感情に身を任せて荒々しい行動をとることを許さなかった。
普通の人間なら泣き叫んだり、目の前の女性の胸倉につかみかかり怒鳴り声を上げたりするのだろうか。
普通の人間の定義とは何なのか。それはわからないが、この状況で感情を露わにしない自分は特殊なのだろう。そう考えることにした。
僕はしばらく考え込んだ後、契約の代価の支払を避けることをあきらめた。そしてこの契約の報酬が支払う対価に見合うものであると考えることにした。
きっとそうだ。契約とは、双方の利益の上に成り立つ制度であるのだから。・・・そうあってほしい。
・・・そして、目の前には、高校生の自分が座っている。彼は、こちらを見つめているその顔には覇気がなく、およそ思春期という
情熱的なものの想像を掻き立てる言葉には相応しくない少年だった。
僕は彼に苛立ちに近い感情を抱いている自分に気が付いた。これは自分で自分が許せないという表現に当たるのだろうか。と
考えていると、彼が口を開く。
「あ、あなたは誰ですか?というかここは何なんですか?部活の帰りにいきなり気を失ったと思ったらここにいて。」
「あなたが僕をここに呼んだのですか?あのきれいな女の人にソファーに座ってあなたと話せばわかるって・・・」
彼はオドオドしながら話す。目の前の大人の表情を伺いながら話しているのだろう。
無理もない。誘拐か何かだと思っているはずだ。少なくとも彼の日常の出来事からは大きく外れている。
僕は彼に落ち着くように促した。僕もこの部屋に閉じ込められていて君と一緒の状況であること。
ここで君と会話をすれば開放されると言われていると嘘をついた。
人間、嘘をつこうと思えば案外スラスラ出てくるものなんだな。喋りながらそんなことを考えていた。
彼は自分と同じ状況に置かれた大人がいると知り、少し落ち着いたようだ。しかし、すぐに知らない大人の男性を向かい合わせで座っている
ことに居心地の悪さを感じたのだろう。装飾品など何も無いこの部屋を、見まわしたり木製の机の模様を見つめたりしていた。
ここは僕から話しかけなれば、この状況がいつまでも続いてしまうだろう。
僕は先ほどの少女のと会話を思い出し、彼に君は今人生に満足しているか尋ねてみた。
彼は苦笑いを浮かべ、少し考えたのちに分かりませんと答えた。まあそうだろう。
それは人生に満足していないということだよ。と彼に伝える。
少し、僕のことを怪しい人間であると思ったのか、彼は怪訝な表情を浮かべる。
面倒くさい少年だ。昔から人を信じるより、疑う方が得意だった。だからこそ人生で大きな損をすることを
避けてこれたのかもしれないが。だが同時に大きな成功も収めることが出来ていない原因なのかもしれないな。
僕は、彼を安心させる為に自分は精神科医であると嘘をついた。君がこの異常な状況下でどのような精神状態にあるのか僕は理解できると
PTSD などと目の前の自分が生きていた当時、一般に認知されつつあった言葉まで用いて僕は彼を騙した。
自分で自分を騙すことは、それほど難しいことではないらしい。この疑り深い少年は僕を親切な、そして自分と同様に
不幸な目に合っている精神科医であると信じたようだ。
質問を続ける。君の人生を満たすために欠けていることは何か聞いてみた。
「・・・幸運でしょうか。」
彼は、そう言った。僕の予想を裏切る回答だった。
現在の僕は、自分に欠けているものは行動力だと考えている。
それは自分に非があるから、魅力のない人生が出来上がっているのだと認めているということになる。
しかし、高校生の彼は悪いのは自分ではないと考えているようだ。再び苛立ちを覚えたがすぐに
冷静さを取り戻した。僕だって、仕事が上手くいかないことを会社のせいにしているじゃないか。
そこで僕は彼に運といった外的要因ではなく、自分自身の内的要因として何か挙げることは出来ないか。そう尋ねた。
彼は、しばらく考え込んでいたがやがて何かを思いついたように目を見開いた。
「努力・・・だと思います。」
考えこんだ結果、何とも陳腐な回答になったもんだ。高校生というものはこれほど稚拙な思考回路をしている
ものなのか。自分自身に失望していても、何も始まらないので、誘導尋問を仕掛けてみようと思った。
なるほど、努力か。それは、具体的に何を指しているのか。何か一つの事を熱中する経験のことを指していたりしないだろうか。
慣れないことはするものではないな。自分でやっていて不自然極まりない誘導の仕方だ。
次の手を考えようかと思っていたが、彼の表情を見ると案外そうでもないらしい。
なるほど。これが赤の他人であったとしたら、この表情について誤解や理解の不足を招くのだろう。
彼は最初から、何事にも熱中できない自分に気づいていたのだ。そして、そんな自分に不満も持っていた。
その事に気づいているが、自分の無限の可能性とやらを信じてみたいという自分を捨てられずに、自己を否定する考えを
頭から消し去ろうとしていたのであろう。それについては、理解できる。というか、実際高校生の時はそのような考え方であったことを
思い出していた。確かに自分の未来を否定するには早い。事実僕は高校生の自分に自分を変えることが出来る力があると
そう思ったからこそ、この契約を履行しようを決めたのではないのか。
目の前の少年は稚拙な思考の持ち主なんかではない。ただ自分の未来を信じたい少年じゃないか。
僕はソファーに座り直し、改めて心身ともに彼と真正面から向き合った。
何か分かったようだね。と彼に尋ねる。彼は頷く。
「僕は、今までなにかに熱中したことがないんです。周りの友だちは部活に一生懸命になっているけれど、僕はそんな気にもなれず、
あ、部活はしてますよ。剣道部。でもそんな、真面目じゃないってゆうか、何か・・・そんな感じで・・・」
「あの・・・先生って呼ぼせてもらったらいいのでしょうか。」
僕は黙って頷く。
彼の口からは言葉がとめどなく溢れる。僕はそれを頷き、受け止めてやる。
「でも、何をすればいいのかわからないんです。何が自分に足りないのか分からないんです。」
「勉強?それとも部活?あ、バイトとかもあるのかな・・・」
「先生、僕はどうしたらいいんでしょうか。このままだと面白くない大人になってしまいそうで。怖くて。」
僕は、面白くない大人というワードに少し身体が冷える思いがしたが、我慢して彼の言葉を聞き続けた。
「遊び惚けられるほど僕は不良じゃないし、そもそも親や大人の目も怖いから目立たない真面目な生徒でありたいっていう気持ちもあるんです。」
我ながら、これほど自分の気持ちを大人に向かってぶつけることの出来る人間だと思っていなかった。
これは僕が彼自身だから、無意識のうちに彼に安心を与えているのだろうか。それともこの不思議な雰囲気の漂う洋館の力なのだろうか。
僕は少し考え込んだ。ここまで自分が真剣に悩んでいると思っていなかった。正確には覚えていなかったということか。
何をこの少年にアドバイスすれば良いのか。僕はこれから彼に、そして自分自身に訪れるであろう出来事のことを考え、悩んだ。
そして、1つの結論を出した。
自分が今したいことをすればいい。そうすれば自ずとやりたいことが見つかるはずだから。と彼に言った。
そう言っているうちに僕は、自分自身の顔が紅潮していないだろうかと思った。
なんと恥ずかしい、ありふれた面白くない台詞なのか。・・・やはり僕は面白くない大人だ。
彼の表情からも目の前の大人に対する、失望の念が見て取れた。
このままでは、僕は彼を変えてあげることが出来ない。どうすれば良いのか。思考を巡らせる。
ふと僕の頭の中に、一人の人物の顔が浮かんだ。
僕は彼にこう続けた。
君には、想い人はいないのかと。
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