腹黒姫は、愛を嗤う

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《神》

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 店に入ると、さっきにも増してギラギラしていた。眩しくないのか?

「ん?ユイちゃん、その子誰?」

 黒服の男がバカ女に話しかけた。
 この女ユイって言うのか……。

「あ~❤店長、お久しぶりですぅ❤」

 ガラッと変わった声色。女特有の、甘ったるい撫で声。

 ……あの女を思い出して腹が立つ。

「久しぶり。んで、その子誰?新しく入りたい子?」

 女の扱いに慣れている。まぁ、この顔を見れば大体分かる。
 高身長で、ストレートの黒髪。シュッとした鼻に薄いくちびる。女達が放っておく訳が無い。

「あっ、この子ぉ~店の前で突っ立っててぇ~。話しかけたら、喋れないみたいなんですよぉ~」

「喋れない……か。喋れないならうちの店は無理だけど……」

 おいおい待て待て。なぜ私がここで働きたいみたいな感じになっている。ただの下見でここに来たわけであって働こうとは思ってない。

「あっ、でも裏方なら大歓迎だよ(ニコッ」

 は?

「確かに~❤さすが店長、頭いい❤」

 いやいや、どこがだよ

「うち、男も女も気軽に採用できないんだよね~。客が男のスタッフと話してたらキレたり、女だったら女だったで、揉め事とか起こるしさぁ~。だから、喋れない子は大歓迎。だって、余計なこと言わないでしょ?」 

 それもそれで最低だが……

「じゃあ、早速今夜から入ってもらおうかな。服のサイズとかは分かるよね。ユイちゃん、手伝ってあげて」

「はーい❤」

 めんどくさいことになってしまった……



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