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宣言
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「……非常に間の抜けた演説だった。私を巻き込むとは、どうしてくれる」
皆が散り散りになってから、キャシディは不機嫌だ。
「そんなこと言って。キャシディもしっかり拍手してくれてたじゃない。なーんだ、結構いい奴だったんだね。知ってたら、もっと早く親友になれたのに」
「誰が親友だ! 私の意思を無視するな」
ロイの茶々に、真っ赤になって怒鳴っているが。
(……本当、一生懸命手を叩いてくれてたような)
実際、キャシディがそうしてくれたのには、大きな意味がある。
彼が拍手してみせたことにより、人々はそれに倣うことができたのだ。
「ありがとうございました」
嫌な人だと思っていた。
女一人の命など、何とも思わない人間なのだと。
(好き好んで、そんなこと口にしたい訳じゃなかったのよね)
天秤にかけてはいけないことがある。
それでも彼は、選択せねばならないこともあったのかもしれない。
「礼は不要だ。……ご両親のことは申し訳なかった。そんな言葉で済むはずもないが」
すぐ後ろで、レジーが拳を握り締める。
「父は退位する。殺したいくらいだとは分かって……」
「いいえ」
その手に触れようか迷い、ジェイダは恐る恐る手を伸ばした。
レジーが目を丸めているのが見える。
嫌だっただろうかと不安になったが、兄は手を離さないでくれた。
「あなたが王になって、さっきのことを守って下さい」
ロイの言うように、憎まないといえば嘘になる。
けれども幸運なことに、自分には兄も大切な人もいてくれるから。
「……ああ。その為に用を済ませてくるか。お前らの予定は? 」
「あ、もし許可してもらえるなら、少し町を見て回りたいんだけど」
ロイに意見を求めると、そんなことを言い出した。
「はあっ? 」
「……身の安全は保障しないぞ」
レジーはぎょっとし、キャシディは呆れ果てている。だが、ロイはどこ吹く風だ。
「だから、大丈夫だって。みんな、いい人だったよ」
「阿呆か! 何でお前はそうなんだ! 」
一見、レジーの言い分が正しいように思えるが。
ロイは、考えなしに発言する人ではないと知っている。
「ジェイダの育ったところを見てみたいし。それに……ロドニーたちの眠るところも」
そう思い続きを待つと、そんな答えが返ってきた。
「ちっ……分かったよ。俺も行くぞ。お前らだけでうろうろしてたら、怪しすぎる」
「もちろん。レジーがいなきゃ、話にならないよ」
お墓参り。
両親を失った実感は、正直まだ薄い。
何だか億劫なような、行くのが辛いような。
(……酷い、よね)
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