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宣言
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「ロイ、ジェイダ……!! 」
ロイ一行がトスティータ城に着くと、待ちきれないというように、アルフレッドが駆け寄ってきた。
「……ただいま、兄さん」
久しぶりに兄の顔を見たのだ。
吐いた息は、確かに安堵も含まれていたが。
「こっちは上手くいったけど」
彼の後ろに控えている姿に、含みを持たせずにはいられなかった。
「……今後の懸念にはさせん」
兄の言葉に頷いたものの、ロイの表情は険しい。
「……僕は優しくないから。覚えておいて」
「……承知しております」
あまりにも甘い判断だ。
それでもアルフレッドが選んだ道。
「心配なさらずとも、私がおりますよ」
「キース」
それにしても、よく分からないのはこの男だ。
一体、何を考えているのか。
「とにかく中へ。思うところはあるだろうが……別れは告げた方がいい」
もう一度ふっと息を吐くと、ロイは意を決したように進みだす。
嫌いだと思っていた。
愛されていないと思ったのは本当に小さい頃のことで、愛さないようにしたのも同じくらい昔のこと。
「父としてのこの方など存じませんが」
棺を前にしても何も出てこないロイに、キースが言った。
「国を守ろうとするこの方は……悪くはなかった。もちろん、全ての選択が正しかったとは言いませんが」
庇うかのような発言に驚くと、彼は咳払いをして目を逸らした。
(確かに、国を想う気持ちは程度も考え方も人それぞれだ。……だとしても、僕は)
「僕らは違う道を行く」
何度甘いと言われようとも、傷つけ合うのではなく助け合う道を。
「そのような夢を改革とするのなら、成功させねば単なる愚か者の政治です」
そう言い捨てると、突如興味を失くしたようにくるりと背を向けた。
「……キース」
咄嗟に呼び止めたが、何を問えばいいのか。
「……私が仕えるのは、この国です」
キースが先に沈黙を破り、いつかの台詞を繰り返す。
「夢や理想の下に被害があれば、あまりにあまり。影響が出始めるのは、いつだって上にいる者ではない」
ロイのよく知る、抑揚のない喋り方。
「私や父君を愚かだと思うのなら、見せて頂きたい。よもや国が傾こうものなら、誰であろうと許さない」
だが、その表情はどうだろうか。
残念ながら見えないが、きっといつもと違うのだと思う。
薄気味の悪い、信用ならない雰囲気ではない。
しょっちゅう顔を突き合わせていては分からなかったのに、今少しだけキースが笑った気がした。
「……楽しみにしておりますよ」
「ああ。あの状況が正しいなんて、間違っている。……証明してやるよ」
互いに敵だと罵るなんて、愚かなことだ。
あのままでいい訳がない。
(……見てろよ)
キースも父も、見ていればいい。
絶対に、それを認める日はやってくるから。
「是非とも」
今度こそ、キースが去って行く。
だが、今度の声はとても柔らかいように感じた。
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