称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう

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第四章 極寒山脈の凶龍編

第76話 最高傑作

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セレナとの件でアルバート様との話も終えてようやくひと段落ついた。これで晴れて正式に俺はレイナさんとセレナと恋人同士になれたのである。


あっ、そういえばアルバート様の部屋から戻ってから俺がセレナのことを呼び捨てにしているところをレイナさんに聞かれて「私も呼び捨てで呼んで欲しい」と言われていたんだった。なかなか染みついた呼び方は変えるのが難しいな...



そして何だかんだありながらも時間は過ぎ去っていき、ついにグランドマスターからの依頼へと出発する前日になった。本当だったら今日は何も予定はなく明日の出発に備えてゆっくりと休んでおこうかと思っていたのだが、何と急遽とても嬉しい予定が出来たのだ。

それは昨日のこと、俺が泊まらせてもらっている公爵邸に一通の手紙が届いた。マリアさんから受け取ったその手紙の差出人を見るとなんとボルグさんで俺はまさかと思いワクワクしながら手紙を取り出す。


──ユウトへ 装備が出来たぞ いつでも取りに来い ボルグより──


想像以上にとても簡潔な内容だった。
ボルグさんらしい手紙だなと俺は少しクスッと笑みがこぼれた。



という訳で俺は今日、ボルグさんのお店へと装備を受け取りに向かうことにした。前回はマリアさんの案内で向かったのだが、今回はマリアさんはおらず俺一人である。

事前にマリアさんには出来上がった装備を取りに行くことを伝えると彼女もどんな装備が出来上がったのか非常に気になるようで出来ることなら一緒に行きたいと言っていた。しかしメイドの仕事が忙しいらしく残念そうにしていた。


屋敷から歩いて十数分後、俺はボルグさんのお店へと到着した。以前来た時に王都の主要なお店は地図化スキルで場所を記録しておいたので迷うことなく辿り着くことが出来た。王都って広くていろんな道が入り組んでいるのでなかなか一度行っただけでは道のりや場所を覚えるのはかなり難しいと思う。

俺は出来上がった装備への期待に胸を躍らせてすぐにお店のドアへと手をかける。ゆっくりとチリンチリンっと鈴の音が響きながらドアを開けるとそこにはカウンターで暇そうに頬杖をついて目をつぶって座っているボルグさんの姿があった。


「ボルグさん、こんにちは」

「ん...おぉ、ユウトか!ちょっと待ってろ」


俺が声をかけるとボルグさんがゆっくりと目を開いてこちらを見た。俺の姿に気づいたボルグさんはゆっくりと立ち上がりそのまま店の奥へと向かっていった。

そうして待っていること数十秒後、ボルグさんは大きな木箱を一つ抱えて俺の元へと帰ってきた。するとボルグさんはその箱の中から依頼した装備一式を続々とカウンターの上に並べ始めた。


「どうだユウト、これが俺の最高傑作だ!」

「おぉ...!」


俺は並べられた装備たちを見て歓喜の声を上げた。
どれもこれも今まで見たことのないほどの高品質な装備が揃っていたのだ。


「早速装備してみてもいいですか?」

「ああ、構わんよ」


俺は早く着心地を確かめてみたくなってすぐさま装備をしてみる。ちょうど他にお客さんもいなかったのでその場で素早く装備を変更することにした。まあボルグさんの作ってくれた装備は藍色のロングコートと黒いズボン、手袋、靴、そして片手剣なので下着姿まで脱ぐような感じじゃないのでセーフだろう。


「おぉ...これは!」


装備してみて改めて感じるこの品質の高さ。
物凄く軽くて通気性も抜群、それに防御力や魔力親和性が段違いであった。


俺は着ている装備を鑑定して性能をちゃんと確認してみることにした。
すると改めてステータスとしてそのすごさを思い知らされた。


なんとロングコート、ズボン、手袋や靴に至るまでがSランクで構成されていた。それにそれぞれに特殊な性能が施されていた。全てに防水・耐熱・耐寒性能があり、ロングコートとズボンには斬撃耐性に衝撃吸収性能、手袋には魔力増幅効果、靴には俊敏性向上補正があった。

ひょっとしたら国宝級の代物なのではないかと思うぐらいには性能が良すぎる装備たちで俺は少し手が震えていた。こんな装備を作れるボルグさんっていったい何者なんだろうかと気になって仕方がない。

それにもちろん各装備には防御や俊敏性のステータスに補正がかかるのだが、それが今までの装備とは違って割合上昇タイプになっていた。今までは固定数値の上昇補正が当たり前だったのだがSランク装備ともなれば装備主のステータスによって上昇値も変化するようだ。

つまりはよりステータスが高いものが装備すればそれだけ上昇値も大きくなるというものなのだ。


「どうよ、気に入ったか?」

「いや、気に入ったなんてものじゃないですよ!想像以上の性能過ぎてびっくりしてますよ...!!」


俺は身につけた装備を見つめて唖然としているとボルグさんはドヤ顔で装備の説明をしてきた。


「そいつらは俺が手に入る最上級の素材たちとお前が持ってきた魔晶石の一部を組み合わせて作ったものだ。正直俺もそこまでの性能の物が出来上がるなんて思っちゃいなかったな。間違いなく今まで俺が作ってきた装備の中でもトップレベルだ」

「本当にこんな素晴らしい装備をありがとうございます!!!」


俺はこんな素晴らしい装備を作ってくれたこと、そして俺が出発するまでに間に合わせてくれたことに対する精一杯の感謝の気持ちを込めてボルグさんに頭を下げる。すると何だかボルグさんがバツが悪そうな顔で俺から顔を背けた。ちらっと見えた彼の表情は少しにやけていたように見えた。


「そんな感謝されるものじゃないわ。さあ、その片手剣も早く試してみろよ」

「あっ、はい!」


俺は言われるがまま今度は背中に装備した片手剣を鞘から抜き出してみることにした。鞘から取り出したその剣はとてもきれいな鋼色に光っており、どこか神々しさを感じるような気がした。


「どうだ、持ってみた感触は?」

「ええ、とても手に馴染みます。とても振りやすいです」


俺は少し剣を左右に振って感覚を確かめてみる。店内なのでそこまで派手に振り回すことが出来ないが少し振ってみただけでも分かる、この剣はとてつもなく素晴らしいと。

俺は剣にも鑑定を使ってステータスを確認してみる。
すると驚きの結果が出てきた。


なんとランクが???だったのだ。
これは一体どういうことなんだ...?


「あの、この剣って...」

「ああ、気づいたか。その剣はまだ完成しちゃいねぇ。さあお前さんの魔力をその剣に込めて見ろ」

「わ、分かりました」


俺はボルグさんに言われるがまま手に持った剣に魔力を込めてみる。
するとどんどんその剣は俺の魔力を吸い出した。

俺はこの剣がかなり俺の魔力を吸い込んでいくので少し驚いたが、一体どこまで吸い込めるのかが気になったので魔力が底を尽きるまでやってみようと思いどんどん吸わせてみた。


魔力を吸わせ始めて約1分後、俺の全魔力の約8割を吸い込んだ段階で剣が魔力を吸うのをやめた。すると剣全体が眩しい光を発し始めた。俺とボルグさんはその眩しさに目を閉じて腕で目を隠した。

しばらくするとその光は次第に弱まっていき、最終的には元の状態へと戻っていった。


「一体何が起こって...」

「お、お前さん!剣を見てみろ!!」

「えっ?!」


ボルグさんが剣を指差して驚いているのを見て俺もすぐさま手に持っている剣を確認してみた。すると先ほどまで鋼色をしていた刃先が真っ白に変わっており、先ほど以上の神々しさを発していた。

俺は改めて鑑定を使ってその剣を確認してみるとなんと先ほどは???しか表示されなかったステータスがちゃんと表示されるようになっていたのだ。しかもその内容が度肝を抜くレベルのものだった。


「え、S+ランク...?!」

「な、何と?!S+ランクだと...?!」


俺とボルグさんは驚きのあまり言葉を失ってしまった。S+といえば装備の中でも最高クラスの品質につけられるランクであり、現存するS+ランクの装備は世界に数えるほどしかないと言われているらしい。それほどのものが今俺の手の中にあるのだ。


「お前さん、あの魔晶石を出してきた時からとんでもない奴だろうと思ってはいたが...まさかこれほどまでだったとは思いもしなかった」

「えっ、これって一体...」


するとボルグさんが先ほどの行為について詳しく説明してくれた。

先ほどの剣に魔力を吸わせたのは持ち主の魔力と同調させるためのものだったらしい。この剣は世界最高クラスの金属であるオリハルコンと俺の渡した魔晶石を組み合わせて作った魔力親和剣、通称:魔剣と言われるもので、魔剣は最終的に持ち主の魔力を注ぎ同調させることによって完成に至るらしいのだ。

そうして作られた魔剣はその装備主の実力を大きく反映したステータスになるらしく、持ち主が強ければ強いほどより魔剣も強くなるという訳だ。ちなみに持ち主以外が魔剣を扱おうとしてもその能力をすべて発揮できないらしい。


つまり俺のこの魔剣は俺の魔力を吸い込むことで最終的にS+ランクにまで進化を遂げたという訳だ。そのおかげで先ほどまで以上に手に馴染む感覚がすごく、また切れ味やステータス補正も凄まじいものとなっていた。


「いや、いいものを見せてもらったぜユウト」

「こちらこそ、こんな素晴らしいものを作っていただきありがとうございます!!」


俺はボルグさんと固く握手を交わす。
この装備があれば今まで以上に強敵が相手でも自信を持って戦える気がする。

そして装備をすべて受け取った俺はボルグさんのお店を後にした。
装備は大切にインベントリにしまっておき、きたる明日に備えておかないとな。



その後、公爵邸に帰ってみるとマリアさんがどんな装備が出来上がったのか気になって話しかけてきた。鍛冶屋へ行く前の俺と同じような感じでとてもワクワクした様子のマリアさんはとても可愛かった。


そして俺が例の剣を見せると最初は質の良さと切れ味のよさにとても感心していたが、マリアさんにこの剣のランクをこっそり耳元で教えるとこちらの方を見て絶句していた。これまた俺とボルグさんと全く同じ反応で少し面白かった。

マリアさんも初めてS+ランクの装備を目にしたとのことだったので少しの間恐る恐る剣を堪能した後に丁重に俺に返してくれた。人生でこれほどの剣を手に出来たことがとても感慨深かったらしくその余韻に浸りながら彼女は仕事に戻っていった。

その後ろ姿をしばらく見ていると少し足取りが軽く見えた。
俺も自分の手元にある剣を見つめて少し嬉しい気持ちになった。


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