称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう

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第五章 王都魔物侵攻編

第96話 未来の侵略

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未来視の儀式を無事に成功させた俺たちは小一時間の休憩を挟んだのちに会議室に集まることになった。さすがにあれほどの儀式を行ったのだからみんな体の疲労はもちろんだが精神的な疲労もかなりのものであった。

しかしヴェスティガさんは全く疲れている気配一つなかった。
本当にすごいな、この人...



そうして休憩を終えてみんなが会議室に集まった。
皆が集まるや否やグランドマスターはイルーラさんに話を振った。


「ではイルーラ君、早速だが君の視たものについて話してくれないだろうか?」

「はい、もちろんです」


するとイルーラさんは一度深呼吸をして静かに話し始めた。


「私が視えたのは今からおそらく1か月後のことだと思います。王都の北側の平原から多くの魔物がこの王都へと進行してくる様子が視えました。ざっと視えた範囲だけですが200匹は超えると思います。中には明らかに普通の魔物ではない、おそらくはユウト君の報告にあったように超越種と思われる魔物も数匹確認できました」

「数匹?!一匹だけではないのか!?」


まさか最悪の事態として予想はしていたけれど、奴は複数体の超越種を従えることが出来るというのか。あのドラゴンレベルではなくともゴブリン・イクシードほどであっても普通のAランク冒険者では歯が立たない。

それこそAランク冒険者パーティでも上位の実力を持つパーティがギリギリ勝てるかどうかだろう。それが数匹もいるだなんてかなり状況は最悪だ。


「そして極めつけは群れを率いていると思われる存在が魔物の群れの最奥の上空に確認しました。おそらくはドラゴンゾンビの超越種。そしてその背中に人が乗っているのも確認できました」

「ど、ドラゴンゾンビの超越種?!」

「マジかよ...」


ドラゴンゾンビとはどんな存在なのか分からない俺とセレナはポカンとしていたのだが、それに気づいたグランドマスターがドラゴンゾンビについて教えてくれた。

ドラゴンゾンビとはドラゴンの死体が何らかの原因で瘴気、負の思念を帯びた魔力を吸収し発生したアンデットである。

生前ほどの防御力はないがその他のステータスは変わらないどころか理性がなく狂暴性がさらに増しており、ドラゴンは自身の縄張りから出てくることはほとんどないがドラゴンゾンビになるといろんな所へと移動していく先々で大暴れするのだという。ある一種の災害である。

しかしその発生原因が特殊である上に元々ドラゴンは強く長命であるためにドラゴンゾンビの存在が確認されたことは過去数百年に一度か二度ほどらしい。大昔に現れたとされるドラゴンゾンビのことについて記された文献には一国を滅ぼして世界中で精鋭を集めた連合軍によってようやく討伐されたのだという。


そんな凶悪な魔物の超越種なんてものを連れてくるだなんて相当ヤバイことになりそうだ。


「とりあえず私が視ることが出来たのは以上です」

「ありがとう、イルーラ君。本当に事前にそれらの情報を知ることが出来て良かったよ。もしもこれらの情報なくその魔物軍団が不意に王都へと攻めてきたと思うとゾッとするな...」


グランドマスターが険しい表情で机を見つめる。たしかに何も知らない状況でそのような侵攻が発生していたら確実に王都は終わっていただろう。


「なるほど、超越種を人為的に作り出せるという話は嘘ではなかったようじゃな」

「...ヴェスティガ、まだ疑ってたのかい?」

「証拠もないのに100%信じろという方が無理があるじゃろ!それにイルーラの魔眼で視えたのじゃ、それが何よりの証拠になったのじゃからいいじゃろ」


たしかにヴェスティガさんの言うことは正しい。証拠がない状態で完全に相手の非常識的な言葉を信じるというのはいろんなリスクが高い。半信半疑の状態でいるのが自身のリスク管理にとって一番適切なのだろう。

まあ結局はこれで信じてもらえたのだからいいだろう。


「ではこれからイルーラ君が視た未来の情報をもとにそれについての対策を講じていく。もちろん未来が確実ではないということを考慮しながら柔軟な対応が出来る余地も残しつつの作戦を考えていかないといけない」

「そうじゃな、万が一のこともあるじゃろうから攻めてくる方角も一点に絞らないほうがいいじゃろう」

「それにドラゴンゾンビがいるということはイリス教の神官にも協力を仰いだほうがいいかもしれませんね」


そうして俺たちは来る戦いに向けての作戦を練っていった。相手のおおよその出方が分かっただけでも以前と比べて大幅に作戦を組みやすくなっていた。


そうして3日ほど俺たちで迎撃、および王都防衛作戦を組み上げた。それからはグランドマスターやレイナが関係各所に協力を仰いだり、作戦を伝えたりするなど慌ただしそうにしていた。

グランドマスターに至っては四六時中何かをしているようで少し心配になった。少し俺も何か手伝えることはないかとグランドマスターの休みを取れるようにと尋ねてみたが...


「私が動く方が一番手っ取り早いのだよ。だから君は来る戦いの日に備えて訓練でもしておいてくれ。今回の戦いで一番君を頼りにしているよ」


と言われ、駆け足でどこかへと去っていった。グランドマスターがやった方が一番効率がいいということはその通りなので何も言い返せなかった。せめて休みはちゃんととって欲しいとどこかのタイミングで伝えておこう。


そうして俺はグランドマスターの言った通りに来る日に備えてさらなる力をつけるべく修行をすることにした。今回はドラゴン・イクシード戦の時とは違って少しのミスでその次の瞬間には多くの人たちに被害が出てしまう可能性がある。

今回の戦いは絶対に負けられない。
負けられないどころか圧倒的に勝たなければいけない。


王都の人たちを守るためには少しの取りこぼしもなく完璧に勝たなければいけない。そうしなければ前線で戦う同じ冒険者の人たちに犠牲者が出るかもしれない。

それにましてや前線には出ずに後ろでサポートしてくれるレイナやセレナに危険が迫る可能性だってあり得るのだ。


だからこそ今回必要なのは完全勝利。
これだけだ。

そのためには今のままじゃだめだ。
もっともっと強くならなければいけない。


そのために俺は王都から少し離れた場所で修行を行うことにした。
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