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第一章
王子と帰宅
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瑛斗王子に頼れたことは、神の救いだった。
珀斗王太子には、もちろん帰りたいなど通用しないし、王室の担当官たちも、王太子の許可なしには何も動けない。
同じ王族である瑛斗王子であれば、なんとかなるかもしれない。
そう信じて、王子に帰宅できるようにしてほしいとお願いしたところ、あっさりと許可してくれた。
また、幸いなことに、本日の午前中にはここを出ることができるらしい。
約束の時間となった午前11時、瑛斗王子が迎えに来てくれた。
私を部屋の外で監視していたSPや担当官は、私の帰宅を全く知らされていなかったようで、慌てていたが、王子に逆らうことは許されず、なす術はない。
私は瑛斗王子の後ろを歩いて玄関先で待機していた車に乗り込んだ。
「プライベートジェットを手配してるから、3時には元の家に帰れると思うよ。しばらくゆっくりしててね。あとは任せてね」
「え、プライベートジェットって…」
「また近々会おうね」
王子は、そう言ってにこやかに私を送り出した。
車で空港に向かうと、本当に小型の飛行機に乗って、私が住む地元の空港に降り立った。
空港から自宅も、車が手配されており、何一つ無駄がない行程だった。
自宅に到着した私は、珀斗王子になにもいわずに宮殿を出たことを気にしていた。これでは火に油を注いだと言っても過言ではない。
ただ、自分を守るには、あの場から離れる必要があったし、あのままで自由が手に入ることはなかったはずだ。
そして、次に宮殿に呼ばれても、もう騙されまいと、決意を固めた。
突然帰ってきたからか、警備の数もとても少ないようだから、これからはとりあえずいつもの日常に戻ろう。
花屋に顔を出して、迷惑をかけてしまったこともお詫びしなければいけない。
私は、しばらくして、花屋に向かった。
「小春ちゃん!電話も繋がらなかったから今から家に向かおうと思ってたところだったよ!」
「本当にすみませんでした。携帯を紛失してしまっていて警察に行っていたんです…」
「そうだったのか。携帯が見つかるといいね」
遅刻の理由を嘘で誤魔化して、なんとかその場をしのいだ。
私はすぐに仕事を始めた。
珀斗王太子には、もちろん帰りたいなど通用しないし、王室の担当官たちも、王太子の許可なしには何も動けない。
同じ王族である瑛斗王子であれば、なんとかなるかもしれない。
そう信じて、王子に帰宅できるようにしてほしいとお願いしたところ、あっさりと許可してくれた。
また、幸いなことに、本日の午前中にはここを出ることができるらしい。
約束の時間となった午前11時、瑛斗王子が迎えに来てくれた。
私を部屋の外で監視していたSPや担当官は、私の帰宅を全く知らされていなかったようで、慌てていたが、王子に逆らうことは許されず、なす術はない。
私は瑛斗王子の後ろを歩いて玄関先で待機していた車に乗り込んだ。
「プライベートジェットを手配してるから、3時には元の家に帰れると思うよ。しばらくゆっくりしててね。あとは任せてね」
「え、プライベートジェットって…」
「また近々会おうね」
王子は、そう言ってにこやかに私を送り出した。
車で空港に向かうと、本当に小型の飛行機に乗って、私が住む地元の空港に降り立った。
空港から自宅も、車が手配されており、何一つ無駄がない行程だった。
自宅に到着した私は、珀斗王子になにもいわずに宮殿を出たことを気にしていた。これでは火に油を注いだと言っても過言ではない。
ただ、自分を守るには、あの場から離れる必要があったし、あのままで自由が手に入ることはなかったはずだ。
そして、次に宮殿に呼ばれても、もう騙されまいと、決意を固めた。
突然帰ってきたからか、警備の数もとても少ないようだから、これからはとりあえずいつもの日常に戻ろう。
花屋に顔を出して、迷惑をかけてしまったこともお詫びしなければいけない。
私は、しばらくして、花屋に向かった。
「小春ちゃん!電話も繋がらなかったから今から家に向かおうと思ってたところだったよ!」
「本当にすみませんでした。携帯を紛失してしまっていて警察に行っていたんです…」
「そうだったのか。携帯が見つかるといいね」
遅刻の理由を嘘で誤魔化して、なんとかその場をしのいだ。
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