俺が侯爵令嬢として愛を知るまで

彼名

文字の大きさ
4 / 76
第1章

4.小さな目標と

しおりを挟む

「お父様ありがとうございます。こんなにも思って頂ける私は幸せ者なんですね。以前の私ももっと早くお父様に甘えていれば良かったのですね」

ベッドから立ち上がりお父様に近づき、そっと寄りかかった。抱きついても良かったのだが、女子が父親にどのくらいの近さまで許すのか分からなかったのだ。

「そうだ。いつもお前は良いでいようとするからな。たまには甘えて来なさい」

ポンッと頭の上に手を乗せ、優しく撫でてくれた。少しぎこちなく触れたお父様の手は、ペンダコで少し固い大きな手だった。

「はい、お父様」

しばらくして、お父様は仕事があるらしく王城に戻って行った。俺に会うためだけに帰って来てくれたお父様は、顔は少し冷たくて怖いが凄く優しい人だということが分かった。

ひとまず一安心だ。これでお父様はユーナの味方ということが分かった。お兄様というイシスも愛してくれるとお父様は言っていたが、ゲームでは確かユーナの兄は攻略対称キャラで、騎士団の団長様であったはず。

それならば、お兄様はヒロイン側になって妹のユーナと敵対する。卒業イベントでは警備を任されて参加をし、殿下から断罪された後に暴れる悪役令嬢であるユーナを拘束して連行したのも確かイシスお兄様であったはず。

お兄様との仲もそれほど良くはなかったと記憶にかすかに残っていた。

攻略キャラがこんな身近にいるなんて最悪だ。まずは、どうにかしてユーナの味方になって貰えるように動かないと。

「…はぁ、疲れた」

「お嬢様。お疲れのようでしたら、湯殿で疲れを癒されてはいかがでしょうか」

振り替えると侍女のマーサがいた。いつの間に部屋に入ってきていたのたろうか。危ない危ない、いつか気を抜いてボロを出しかねないな。

「そうね、そうしようかしら。お願いできるかしら」

きっとお嬢様なのだから、湯船はとても広かったりするんだろうな。風呂好きの俺には嬉しいし楽しみだ。

気分がルンルンになった俺を湯殿の部屋へ案内するマーサと、後ろから数人の見知らぬ侍女達が着いてきたことに疑問を持っているとマーサが

「それでは貴女たち、お嬢様を綺麗に磨いて差し上げて下さい」

と、言うが早いか侍女たちが素早くドレスを脱がせていき、あっという間に下着姿になった。これくらいなら自分でも脱げるかもしれないとマーサに一人で入ることを伝えようとしたのだが、仕事が早い早い。

侍女はあっという間に俺を生まれたままの姿にしてしまった!

目の前にある大きな鏡に写るユーナの体は、28歳の男である悠一には大変魅力的なボディであった。

豊満な胸、すっぽりと抱き締めれそうな細い腰に柔らかそうなお尻。あぁ、…ダメだ。とてもではないが、この誘惑だらけの体は目に毒だ。

このウハウハな胸を触るなんて、とてもではないができない!だからと言って、侍女たちに全身至るところを触られ見られるなんて恥ずかしい…。

自分で堪え忍んで洗うか、身を委ねてしまうか。究極の選択だ!

チラリと目を開けてもう一度鏡に写る体を見た。
………………無理だ、俺には。

赤面して難しい顔をして目を閉じる主人に、侍女たちは静かに待っていたが、マーサは見かねて訪ねてきた。

「…お嬢様?お顔が赤いですが、ご気分が優れないのでしたらお止めになりますか?」
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?

こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。 「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」 そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。 【毒を検知しました】 「え?」 私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。 ※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

借金まみれで高級娼館で働くことになった子爵令嬢、密かに好きだった幼馴染に買われる

しおの
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公。しかしゲームにはほぼ登場しないモブだった。 いつの間にか父がこさえた借金を返すため、高級娼館で働くことに…… しかしそこに現れたのは幼馴染で……?

男として王宮に仕えていた私、正体がバレた瞬間、冷酷宰相が豹変して溺愛してきました

春夜夢
恋愛
貧乏伯爵家の令嬢である私は、家を救うために男装して王宮に潜り込んだ。 名を「レオン」と偽り、文官見習いとして働く毎日。 誰よりも厳しく私を鍛えたのは、氷の宰相と呼ばれる男――ジークフリード。 ある日、ひょんなことから女であることがバレてしまった瞬間、 あの冷酷な宰相が……私を押し倒して言った。 「ずっと我慢していた。君が女じゃないと、自分に言い聞かせてきた」 「……もう限界だ」 私は知らなかった。 宰相は、私の正体を“最初から”見抜いていて―― ずっと、ずっと、私を手に入れる機会を待っていたことを。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

王子の逆鱗に触れ消された女の話~執着王子が見せた異常の片鱗~

犬の下僕
恋愛
美貌の王子様に一目惚れしたとある公爵令嬢が、王子の妃の座を夢見て破滅してしまうお話です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。

香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。 皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。 さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。 しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。 それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?

処理中です...