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第1章
4.小さな目標と
しおりを挟む「お父様ありがとうございます。こんなにも思って頂ける私は幸せ者なんですね。以前の私ももっと早くお父様に甘えていれば良かったのですね」
ベッドから立ち上がりお父様に近づき、そっと寄りかかった。抱きついても良かったのだが、女子が父親にどのくらいの近さまで許すのか分からなかったのだ。
「そうだ。いつもお前は良い娘でいようとするからな。たまには甘えて来なさい」
ポンッと頭の上に手を乗せ、優しく撫でてくれた。少しぎこちなく触れたお父様の手は、ペンダコで少し固い大きな手だった。
「はい、お父様」
しばらくして、お父様は仕事があるらしく王城に戻って行った。俺に会うためだけに帰って来てくれたお父様は、顔は少し冷たくて怖いが凄く優しい人だということが分かった。
ひとまず一安心だ。これでお父様はユーナの味方ということが分かった。お兄様というイシスも愛してくれるとお父様は言っていたが、ゲームでは確かユーナの兄は攻略対称キャラで、騎士団の団長様であったはず。
それならば、お兄様はヒロイン側になって妹のユーナと敵対する。卒業イベントでは警備を任されて参加をし、殿下から断罪された後に暴れる悪役令嬢であるユーナを拘束して連行したのも確かイシスお兄様であったはず。
お兄様との仲もそれほど良くはなかったと記憶に微かに残っていた。
攻略キャラがこんな身近にいるなんて最悪だ。まずは、どうにかしてユーナの味方になって貰えるように動かないと。
「…はぁ、疲れた」
「お嬢様。お疲れのようでしたら、湯殿で疲れを癒されてはいかがでしょうか」
振り替えると侍女のマーサがいた。いつの間に部屋に入ってきていたのたろうか。危ない危ない、いつか気を抜いてボロを出しかねないな。
「そうね、そうしようかしら。お願いできるかしら」
きっとお嬢様なのだから、湯船はとても広かったりするんだろうな。風呂好きの俺には嬉しいし楽しみだ。
気分がルンルンになった俺を湯殿の部屋へ案内するマーサと、後ろから数人の見知らぬ侍女達が着いてきたことに疑問を持っているとマーサが
「それでは貴女たち、お嬢様を綺麗に磨いて差し上げて下さい」
と、言うが早いか侍女たちが素早くドレスを脱がせていき、あっという間に下着姿になった。これくらいなら自分でも脱げるかもしれないとマーサに一人で入ることを伝えようとしたのだが、仕事が早い早い。
侍女はあっという間に俺を生まれたままの姿にしてしまった!
目の前にある大きな鏡に写るユーナの体は、28歳の男である悠一には大変魅力的なボディであった。
豊満な胸、すっぽりと抱き締めれそうな細い腰に柔らかそうなお尻。あぁ、…ダメだ。とてもではないが、この誘惑だらけの体は目に毒だ。
このウハウハな胸を触るなんて、とてもではないができない!だからと言って、侍女たちに全身至るところを触られ見られるなんて恥ずかしい…。
自分で堪え忍んで洗うか、身を委ねてしまうか。究極の選択だ!
チラリと目を開けてもう一度鏡に写る体を見た。
………………無理だ、俺には。
赤面して難しい顔をして目を閉じる主人に、侍女たちは静かに待っていたが、マーサは見かねて訪ねてきた。
「…お嬢様?お顔が赤いですが、ご気分が優れないのでしたらお止めになりますか?」
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