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7.ミラの憂鬱

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「梨花、あなたがいなくなってもう2週間よ」

 梨花の部屋のカーテンを開けて換気をしながら、つい言葉が出てしまう。

 2週間。独り言も随分増えた。
 私は誇り高きヴァンパイアの中で特別な·····落ちこぼれだ。
 魅了も吸血も眷属作りも何も出来ない。力だって人並みにしかない。いつも馬鹿にされ、この瞳を笑われて過ごしてきた。
 それでも落ちこぼれの私に唯一優しくしてくれた、梨花。

 天使みたいにいつも微笑んでいる梨花。

 私の目の色を好きって言ってくれた梨花。



梨花、梨花、梨花───


 あなたがあと10年早くこちらに来ていれば兄の花嫁になって、私たちはきっと素敵な姉妹になれたのに。

 梨花、私は落ちこぼれだわ。
 そう言うとあなたはいつも悲しそうに微笑むけれど。
「そんなこと言わないで」って言うけれど。

 いいえ、いいえ、いいえ。
 だって私がもし男に産まれていたならば──





 あなたと番うことができたのに。



 梨花、私を置いてどこに行ったの……?
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