まねらきがいの家

箱戸 枻

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死ぬまでのひとつの時間と半分

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僕の家は毎朝土から掘ってとった野菜を食べる。
農家ではない・大きな畑からではない。

小さなプラントを母は愛していて、
1人でうつの社会人時代も父が1人で
釣りに向かうときも大事に大事に見守って
話しかけている。

そんなわけで、豪華でいてシンプルなこの家

違和感のない見た目で不釣り合いなその鉢植えがごろりと居すわっている。


「玲衣、独り言言ってないで
はやく食べなさい。冷めちゃうでしょ」

こんもりとよそわれたしろいごはん

何が混ざっているか
わからない、茶色いハンバーグ

その色としてあつかわれているソレ

唯一心を許せるお味噌汁にすら今日は髪の毛が1本
はいっている

(ああ、
今日のお弁当にもはいっているかもしれない)

僕は思えば誰もが最初は思っていたであろう
違和感を、当たり前にしなければ生活できないであろう物事をいまだに引きずってきているのかもしれない


生命のよどみ

ちなみにさっきの母が言っていた独り言というのは、
本の朗読をしていただけなのだが…

「ねえ、ママのちゃんと焼けてなかったんだけど玲衣のは大丈夫だった?」

「うん、へいき」

この社会からこのわけのわからない重苦しい
空気をすべてなくしたかった
家からまちから、世界から…

どんな理由であの人は生きているのだろう

この道に広がるポールや誰かの家の塀より
背が高くなったときに、みえる世界が変わるのだろうか

何度か乗ったことのあるデンシャの空気を、
もっと明るくはできないだろうか
あんなのが大人だというのなら
僕は一生なれないのかもしれない

通学路で徒歩1時間半使う


あっという間の1時間半

空はかわっているのにこの時間は頭で自問自答したりしかできない


彼らが接触しているイヤホンも携帯電話もあの時は
宇宙人に操られる・頭が洗脳されると
嫌悪する別次元の物体だった

情報を持つものが強者という置いてけぼりのような存在を作り出すソレ
いつ手に入るのだろう
そう今でも思っている

ダレニデモミチガヒラカレテイル

やるのが当たり前と強制的にやらされていることでしか生きて行けないのは何故だ。

寮に入り学食を食べてアルバイトと部活動を交互に行うようになった
徒歩5分

中退をする人と退職して旅をする人は
だいたい同じなんだろうと思いながら習慣づけを行う

だいたいみんな同じようなこと思っていて
どっちに傾いても逆方向にあこがれを抱いたりする
どっちか選んでそうなったんだから
逆になっている世界もあるだろう


パラレルワールド

音楽プレーヤーが3日に壊れた

僕はあのときから
かわっていないように思える



そんな高校を今日、卒業したらしい






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