56 / 58
第二章
19.見つめるスライム
しおりを挟む
「そうか」
『そうか……って、随分あっさりしてるなぁ! もうちょっとこう、何かあるでしょ?! みんなとお別れなんだよ?!』
「もう決めた事なのだろう? なら好きにすれば良い」
『んもー、これだからアインはっ!』
ボクほどじゃないにしても、アインだってクリス達に馴染んでたのに!
ちょっとぐらい驚いたり別れを惜しんだりしてもいいのにさ~。
しょうがないから勝手に会話続けちゃうもんねっ!
『ティナがクレリックだって聞いた時、なんてナイスタイミングなんだろ~って思ったよ』
「お前が抜けた穴に丁度良いからな」
アインの言い方がちょっとアレだけど、確かにその通りなんだよね。
ボクがパーティーから抜ける不安要素は大きく二つだ。
まず、ボクが抜けたらフェリのテイマーとしての価値が下がってしまうこと。
そもそもフェリはポーターとしてパーティーに加入したからね……。
収納が使えるボクが居なくなったら、ポーターとしての役目は果たせない。
でもフェリは随分と頼もしくなった!
戦力的にもパーティーのバランス的にも、今ならメンバーとして正式加入できると思うんだよね。
次に、みんなの心配。
このパーティー、回復役がボクしかいないんだもんなぁ。
あとついでに言うと、荷物を収納するっていう旅の補助的な役目も担ってる。
ボク自身が大きな戦力ってわけじゃないけど、抜ける穴はそれなりにあると思うんだよね。
でもこれは、ティナが来てくれたことで解決したかな。
回復はもちろん、クレリックには便利なスキルもいっぱいあるから、旅の負担も軽くできそうだしね。
まぁこれはボクが勝手に考えてるだけだし、ティナが責任を感じるのもイヤだから黙っておこーっと。
『それに、新しいスキルのおかげっていうのもあるよ。これなら、いつでもフェリ達に会いに行けるからね!』
「影渡りか……多少時間はかかるが、あれは便利だからな」
フェリ達が今どこにいるか分からなくても移動が出来るっていうのが大きいよね!
距離が開くと移動に時間がかかるけど、確実に辿り着けるんだから良いスキルだよねぇ。
『アインも連れて行けたら一番なんだけど……ゴメンね?』
「別に良いさ。一生会えないというわけでもあるまい。本当に会いたいならば会いに行けば良い」
『うん……そうだよね!』
ふふ、また会うつもりがあるってことだよね。
やっぱりアインもクリス達のことは気に入ってたんだなぁ!
「しかし、あの竜人の子は良いのか。従魔だかペットだか知らんが、そういうつもりで一緒にいたんだろう?」
『ちょっと、誰がペットだよっ!』
従魔は世間を欺く仮の姿!
本当は……お父さんなんだいっ!
って、話が逸れちゃうじゃないか!
『んー、まぁね、フェリの気持ちも考えたんだけどさ……。でもクリス達もいるし、今なら離れても大丈夫かなー、一人立ちするには良い機会かなー、ってね』
最初の頃は不安な顔をして怯えていることも多かったフェリ。
でも今は、信頼できる仲間……クリス達がいる。
まだまだ引っ込み思案だし、心配が無くなったわけじゃないけどね。
でも冒険者として身を立てる目処も立ったことだし、大丈夫だと思う。
せめて双剣術士のクラスについてからとか、成人するまでとか、お嫁さんが見つかるまでとか……色々と理由をつけることもできたけどね!
でも、ずるずると先延ばしにしたら、ホントに離れられなくなっちゃいそうだし……。
って、これじゃあ誰の『一人立ち』か分かったもんじゃないねぇ……。
でも、ボクだって寂しいものは寂しいんだいっ!
『パーティーメンバーとして、フェリのお父さんとして、今が一番良いタイミングだと思うんだ。だから、明日になったらフェリに言うよ』
「そうか……」
心なしか、アインも寂しげに見える。
ボクが寂しいと思ってるから、そう見えるだけかな?
『アインはホントに良いの? ボクについて行くって言ってたけど』
「ああ……俺にこれといった目的は無いからな。元々言っていた通り、お前と一緒に世界を旅するのも悪くない」
まだボクが二ノ神だった時に交わした言葉だ。
ちゃんと覚えてくれてたんだね!
『そうだね! 色んなところを旅して、フェリ達にいっぱいおみやげ話をしてあげよーっと♪』
「……そうすると良い」
『楽しみだね、アイン!』
「……ああ、そうだな」
一通り話し終えたボク達は、部屋に戻って休むことにした。
眠れないボクは、すやすやと眠るフェリの顔を見つめていた。
しばらく見納めになるだろう――次に会う時は変わっているだろう、あどけない顔を。
『そうか……って、随分あっさりしてるなぁ! もうちょっとこう、何かあるでしょ?! みんなとお別れなんだよ?!』
「もう決めた事なのだろう? なら好きにすれば良い」
『んもー、これだからアインはっ!』
ボクほどじゃないにしても、アインだってクリス達に馴染んでたのに!
ちょっとぐらい驚いたり別れを惜しんだりしてもいいのにさ~。
しょうがないから勝手に会話続けちゃうもんねっ!
『ティナがクレリックだって聞いた時、なんてナイスタイミングなんだろ~って思ったよ』
「お前が抜けた穴に丁度良いからな」
アインの言い方がちょっとアレだけど、確かにその通りなんだよね。
ボクがパーティーから抜ける不安要素は大きく二つだ。
まず、ボクが抜けたらフェリのテイマーとしての価値が下がってしまうこと。
そもそもフェリはポーターとしてパーティーに加入したからね……。
収納が使えるボクが居なくなったら、ポーターとしての役目は果たせない。
でもフェリは随分と頼もしくなった!
戦力的にもパーティーのバランス的にも、今ならメンバーとして正式加入できると思うんだよね。
次に、みんなの心配。
このパーティー、回復役がボクしかいないんだもんなぁ。
あとついでに言うと、荷物を収納するっていう旅の補助的な役目も担ってる。
ボク自身が大きな戦力ってわけじゃないけど、抜ける穴はそれなりにあると思うんだよね。
でもこれは、ティナが来てくれたことで解決したかな。
回復はもちろん、クレリックには便利なスキルもいっぱいあるから、旅の負担も軽くできそうだしね。
まぁこれはボクが勝手に考えてるだけだし、ティナが責任を感じるのもイヤだから黙っておこーっと。
『それに、新しいスキルのおかげっていうのもあるよ。これなら、いつでもフェリ達に会いに行けるからね!』
「影渡りか……多少時間はかかるが、あれは便利だからな」
フェリ達が今どこにいるか分からなくても移動が出来るっていうのが大きいよね!
距離が開くと移動に時間がかかるけど、確実に辿り着けるんだから良いスキルだよねぇ。
『アインも連れて行けたら一番なんだけど……ゴメンね?』
「別に良いさ。一生会えないというわけでもあるまい。本当に会いたいならば会いに行けば良い」
『うん……そうだよね!』
ふふ、また会うつもりがあるってことだよね。
やっぱりアインもクリス達のことは気に入ってたんだなぁ!
「しかし、あの竜人の子は良いのか。従魔だかペットだか知らんが、そういうつもりで一緒にいたんだろう?」
『ちょっと、誰がペットだよっ!』
従魔は世間を欺く仮の姿!
本当は……お父さんなんだいっ!
って、話が逸れちゃうじゃないか!
『んー、まぁね、フェリの気持ちも考えたんだけどさ……。でもクリス達もいるし、今なら離れても大丈夫かなー、一人立ちするには良い機会かなー、ってね』
最初の頃は不安な顔をして怯えていることも多かったフェリ。
でも今は、信頼できる仲間……クリス達がいる。
まだまだ引っ込み思案だし、心配が無くなったわけじゃないけどね。
でも冒険者として身を立てる目処も立ったことだし、大丈夫だと思う。
せめて双剣術士のクラスについてからとか、成人するまでとか、お嫁さんが見つかるまでとか……色々と理由をつけることもできたけどね!
でも、ずるずると先延ばしにしたら、ホントに離れられなくなっちゃいそうだし……。
って、これじゃあ誰の『一人立ち』か分かったもんじゃないねぇ……。
でも、ボクだって寂しいものは寂しいんだいっ!
『パーティーメンバーとして、フェリのお父さんとして、今が一番良いタイミングだと思うんだ。だから、明日になったらフェリに言うよ』
「そうか……」
心なしか、アインも寂しげに見える。
ボクが寂しいと思ってるから、そう見えるだけかな?
『アインはホントに良いの? ボクについて行くって言ってたけど』
「ああ……俺にこれといった目的は無いからな。元々言っていた通り、お前と一緒に世界を旅するのも悪くない」
まだボクが二ノ神だった時に交わした言葉だ。
ちゃんと覚えてくれてたんだね!
『そうだね! 色んなところを旅して、フェリ達にいっぱいおみやげ話をしてあげよーっと♪』
「……そうすると良い」
『楽しみだね、アイン!』
「……ああ、そうだな」
一通り話し終えたボク達は、部屋に戻って休むことにした。
眠れないボクは、すやすやと眠るフェリの顔を見つめていた。
しばらく見納めになるだろう――次に会う時は変わっているだろう、あどけない顔を。
10
あなたにおすすめの小説
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
追放されたので田舎でスローライフするはずが、いつの間にか最強領主になっていた件
言諮 アイ
ファンタジー
「お前のような無能はいらない!」
──そう言われ、レオンは王都から盛大に追放された。
だが彼は思った。
「やった!最高のスローライフの始まりだ!!」
そして辺境の村に移住し、畑を耕し、温泉を掘り当て、牧場を開き、ついでに商売を始めたら……
気づけば村が巨大都市になっていた。
農業改革を進めたら周囲の貴族が土下座し、交易を始めたら王国経済をぶっ壊し、温泉を作ったら各国の王族が観光に押し寄せる。
「俺はただ、のんびり暮らしたいだけなんだが……?」
一方、レオンを追放した王国は、バカ王のせいで経済崩壊&敵国に占領寸前!
慌てて「レオン様、助けてください!!」と泣きついてくるが……
「ん? ちょっと待て。俺に無能って言ったの、どこのどいつだっけ?」
もはや世界最強の領主となったレオンは、
「好き勝手やった報い? しらんな」と華麗にスルーし、
今日ものんびり温泉につかるのだった。
ついでに「真の愛」まで手に入れて、レオンの楽園ライフは続く──!
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる