女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ

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試食会 5 レシピ作成

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「肉はもっと細かくなるまで叩いて!」
「パンを摩りおろし終わったら、次は大根をおろしておいて」
「キャラメルをかき混ぜる手は止めないで! 油断してると簡単に焦げるから」
「紅茶の葉はすり鉢で細かくしてね」

 あの後、ラファエルさんが持ってきた醤油の樽を私が買い取り、その醤油を使ってレシピ作成の為の調理をすることにした。

 味をわかってもらうのにちょうどいいしね。  醤油が定着すれば、味噌も手に入るようになるかもしれない! そう思うと調理にも気合が入る。

「オーブンからチーズの香りがしてきたら、焦げ具合を確認してね!」
「焦げ臭い…。 タレを焦がしたの? クリーン。 はい、もう一度作り直して。 分量はレシピ班に聞いてみて」
「挽肉はもっともっと捏ねて」
「煮ボアはたまにひっくり返してね?」

「アリスさん! チーズの焦げ色がいい感じに見えます!」

「はーい!  ……うん、確かにいい感じ。 テーブル席に1人1個ずつで8個持って行って」

 残りは私のインベントリに収納♪  …そんな目で見なくても、後でちゃんと味見をさせてあげるよ?

「レシピを再現する時の揚げ物の担当はあなた?  
 菜種油の香りがしてきたら、水で溶いた天ぷら粉をちょっとだけ落とすの。 こんな感じだったら揚げ物の準備が出来たってしるし」

 ギルマスの手配してくれた調理班のメンバーは最初とても不服そうな雰囲気だったけど、見本代わりにこれから作る料理の味見をしてもらったらあっさりと手のひらを返した。 

 今はどんな雑用でもニコニコと受けてくれるお陰で、リストに書かれた料理が順調に出来上がっていく。

 私が目分量で入れていく調味料も、レシピ班が残りを量りながら使った量を書きとめてくれるから安心して料理を作ることだけに集中できた。

「挽肉に火が通りました!」

「はーい! ……じゃあ、中をくり抜いたトマトに詰めてからチーズを上に乗せて。こんな感じで」

 オーブンも大きいから、同時にいっぱい作れてインベントリのストックがどんどん充実していく。

「セルヒオさん、この後と明日の予定は? お客さんと会いますか?」

「いいえ、明日は1日事務作業の予定ですが…?」

「奥さまはまだご実家ですよね? だったらこっちも食べてみてください」

 皆さんに生姜を使ったハーピーのから揚げを持っていくついでに、セルヒオさんにはにんにくを使ったから揚げも出してみる。

「こっちも、ピリッとした感じで美味しいですね!」 

 嬉しそうなセルヒオさんの言葉に、他の皆さんの視線が私に集まった。

「ねえ、お嬢さん? 私たちには出してくれないの?」

 不満そうに唇を尖らせたサブマスターを皮切りに、皆さんが一斉に「自分にも出せ」コールを始める。

「こっちはにんにくが入ってるので、皆さんにはお勧めできませんよ?」

 とやんわり言っても「自分も食べたい!」と譲らないのでにんにく入りのから揚げを1皿追加で出しておいた。

 後から出すから揚げ丼2種類(卵とじバージョンと大根おろしでさっぱりバージョン)が食べられなくなっても知らないよ~。

「アリスさん! 追加の米が炊けました」

「はーい! 【ドライ】!」

 このキッチンにあった一番大きな飯釜は、3升分が一度に炊けてとっても便利だ。 ドライをかけて全てをアルファ化米にしておく。

「はわぁ~!?」

「何!?」

 素っ頓狂な声にびっくりして振り返ると、目を丸くしたレシピ班の人がこちらを指差していた。

「どうしたの?」

「【ドライ】をそんな風に使うのを初めて見ました!」

「そう?」

 なんだ、そんなことか。 「こんなのどうやってレシピ化を…」とかぶつぶつ呟いているけど、ドライの魔法を持っている人に頼めばいいんじゃないのかなぁ?  まあ、詳しくはレシピ班に任せて私はりんごや煮ボアやスープに次々とドライをかけていく。

 ドライアップルを出した後に携帯食セットを皆さんの前に持って行って、目の前でお湯を掛けたら今日の試食会用の料理は終了!

「レシピ班と調理班の皆さ~ん! 後片付けはいいから、こっちのテーブルに集まって~!」

 幹部たちの席から一番離れたテーブルに、今作った料理を2皿ずつ乗せていく。

「自分たちの舌で確認したいでしょ? どうぞごゆっくり」

 みんなの歓声を背中で聞きながら、私はクリーン魔法で使った調理器具や食器を綺麗にする。

「きゃ~! 可愛い!!」
「一緒に食べるか?」

 みんなの華やいだ声で振り返ると、従魔たちがみんなに交じって料理を食べていた。 ……一皿ずつ追加しておいた。

 手が空いたので<誘惑のトースト>を焼いていると、サブマスターがすすっと寄って来て、

「どれを食べてもやっぱり美味しかったわ~! ボア肉でも十分に美味しかったから、レシピを販売したら飛ぶように売れるわよ!」

 とにこやかに笑いながら、器を差し出す。

「さっき、冷凍庫で作っていたものはいつ試食させてくれるの?」

 ……何をしに来たのかと思っていたら、まさかの催促だった。

「あれは登録しないので、お出ししませんよ」

 と答えると、

「「「「「「「「えええええええっ!?」」」」」」」」

 ……サブマスターだけじゃなく、耳を澄ませていたらしい幹部の皆さんの声が一斉に上がった。

 ………あなた達の胃袋は異次元にでもつながっているの?
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