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街歩き6日目 2
しおりを挟むスレイ達の馬具の制作具合を確認するために馬具工房へ行ったら、ほとんど出来上がっている状態だったので少し驚いた。 スレイプニルの馬具を作れることが嬉しくて、工房の職人さんたちが一丸となって頑張ってくれた結果らしい。
スレイとニールに試着してもらって微調整をしている間に馬車を購入することを話し、ここでハーネスを作って欲しいとお願いすると、工房主さんは馬車とセットで作っているのではないのかと怪訝そうな顔になった。馬車工房の方でもセットで作ると言ってくれたんだけど、せっかくなら馬具とも合うような素敵なものが欲しかったので、ここでお願いをしたんだ。
私は馬具との色と雰囲気が合っていればいいと思ったんだけど、工房主さんはだったら馬車と馬具のデザインの相性も見た方がいいと、注文している馬車工房の方へ様子を見に行くと言ってくれた。
馬具がほぼ出来上がっていることから、もしも変更をするなら馬車の方になる。話をするなら少しでも早い方が良いだろうと馬具一式のデザイン画を持った工房主さんが工房を飛び出して行ってしまったので、私たちもお店を出てきた。
……せっかくだから、出来上がっていた馬具だけでも貰って来ればよかったと気がついたのは、次の店に着く直前。
スレイとニールはお利口だから、裸の状態でも私たちを落とすような歩き方はしないけどね。とても素敵に仕上がっていた肢巻だけでも先に着けてあげたらおしゃれで、スレイ達が喜んでくれたかも?って思うととても残念だ。
がっかりしている私に気がついたスレイとニールが慰めてくれたんだけどね。あまり側にいられないスレイとニールに何か形のあるものをあげて喜んで欲しかったと思うのは、主の勝手な願望かな?
「ありがとうございました! またのご来店を心よりお待ちしております!」
ディアーナに案内してもらった食器のお店はとっても凝ったデザインの食器やカトラリーが揃っていて、1つ1つの品を見ながらお店の中を歩くだけでも楽しくて、時間を忘れるほどだった。
お値段は素敵なデザインと見合う程度には割高なものだったんだけど、食器のチョイスもごはんの用意の楽しさの1つだからと気に入った物を片っ端から購入する。
私とハク達の分は当然として、たまに参加のあるゲストたちの分も用意しておいた方が良いよね? お皿だって同じシリーズで揃えた方が素敵だし、でも1種類だけだと楽しくないから、ここは可愛いシリーズ、美しいシリーズ、アウトドア料理に似合いそうなちょっと力強さを感じるシリーズなどをセットで10人分ずつ。カトラリーも同じように各シリーズで10人分ずつを購入すると、購入を決めるたびに店員さんの目はどんどんと輝きを増し……。
私たちがお店を出る時には奥から出てきた店長さんがドアを開けてお見送りまでしてくれた。
(商品の中でも高い物を躊躇なく選んでいたから、すっかり上客扱いなのにゃ……)
呆れたような表情のハクには気がつかないフリ……はできなかった。
私ばかり好きなものを買うのもどうかと思ったので、ハクとライムには屋台で好きなものを買ってあげると約束をするととってもご機嫌に尻尾を振ってすりすりしてくれる。
うん。やっぱりたまにはハク達のためにも何か買ってあげないとね!
普段は私が作るものを喜んでくれる従魔たちにも、贅沢を覚えさせて……いいのかな? ちょっと不安になりながら、ハクがにくきゅうを指す屋台に向かい……。この後私はちょっとだけ後悔することになったのだった。
うん。何事にも限度って、大事だよね。 反省が必要なようだ……。
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