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第一章 入学編
入学編第十八話 初陣
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邪装竜機を吹き飛ばした光はその後止まり、ミリアの前に立ち塞がった。
ミリアは、自身の前に立っている光、いや、聖装竜機を見て、震える声で言った。
「ラ……ラノ、ハ……?」
そう。ミリアが後ろ姿でありながら今見ている聖装竜機は、入学式の日に一度だけ見た、ラノハの聖装竜機そのものであった。
「ラノハ……動かせたんだね……。良かった……。本当にっ……良かった……!」
「……ああ。俺も、お前が無事で、守れて、良かった」
「……え?」
ミリアはラノハの唐突なその言葉に驚き、開いた口が塞がらないでいた。
ラノハはそんなミリアに気づかず、吹き飛んでいった邪装竜機の方を向き、二本の剣を構える。
するとその方向から、先程ラノハが吹き飛ばした邪装竜機が、こちらに向かって飛んできて、ラノハに攻撃を仕掛ける。
邪装竜機が放った黒い斬撃がラノハに迫るも、ラノハは左手で持つ剣から白い斬撃を飛ばし、それを相殺した。
更にラノハは立て続けに右手で持つ剣から斬撃を放ち邪装竜機に反撃する。
邪装竜機はその斬撃を盾で防いだが、その斬撃は邪装竜機が今日受け止めたどの攻撃よりも重かった。
「……っ。なるほど。まだ生徒でありながら、いい反応、そしていい威力だ。お前は我々にとって、驚異たり得るかもしれん。成熟する前にここで潰しておいた方がいいな」
ラノハは、邪装竜機に乗る男のこの言葉を聞き、しっかりと相手を見据え、臨戦態勢をとった。
その時、ラノハは気づいた。
目の前にいる邪装竜機の正体に。
ラノハの脳内で思い出されるのは、幼き日の記憶。
それは、辺りを燃やし尽くすような真っ赤な炎。
その上に飛ぶ、漆黒の兵器である三機の邪装竜機。
その内の一機である、中央の邪装竜機と、今目の前にいる邪装竜機の姿が――重なる。
「お前……!お前は……!あの時の……!」
「……?あの時だと?……ああ。なるほど。お前が、あの時のエリス村の子供だというわけか」
「お前の……!お前のせいで……!」
ラノハの目にまた、復讐の炎が光を飲み込むように燃え上がる。
そんな様子のラノハに構わず、邪装竜機に乗る男は言葉を続けた。
「今の所、驚異足り得る者はお前だけだが、そこの女も少し危ういな。二丁拳銃……。今までなかったスタイルだ。経験を積めばあるいは……。念の為だ。潰しておくとしよう」
ラノハは、邪装竜機に乗る男のこの言葉を聞いて、顔に青筋を浮き立たせた。
しかしそれと同時に、光を飲み込みかけていた炎が、少しおさまった。
今は、ミリアを守らなければ。
それを再認識したラノハは、ミリアに声をかけた。
「……離れてろ。あいつは、俺が倒す」
「待っ――!」
ミリアの静止を聞かずに、ラノハは聖装竜機を動かし、邪装竜機に突っ込んでいく。
邪装竜機はそんなラノハに、黒い斬撃を飛ばした。
しかし、ラノハはその黒い斬撃がミリアに向かっていないことを理解してから、その斬撃を避ける。
そしてその反撃で、白い斬撃を二本連続で放つ。
邪装竜機はそれを盾で防いだ。
その一瞬の隙に、ラノハは聖装竜機を高速で動かし、邪装竜機に接近した。
邪装竜機は斬撃を防いだ盾をそのまま構えるが、ラノハの前では、その盾は無力である。
低い姿勢から、右手に持つ剣を盾の下にもっていって崩し、盾を跳ね除ける。
シュネイ流剣術、アウスシースン。
「なっ……!」
邪装竜機に乗る男は、ラノハが使ったシュネイ流剣術に驚いた。
ラノハはこの機を逃さず、左手に持つ剣で突きを繰り出す。
「っ!」
邪装竜機に乗る男は、ラノハが突き出した剣を辛うじて剣で防ぎ、距離をとる。
そしてラノハは、光と炎の両方を纏った目で邪装竜機を睨みながら、こう言った。
「……もう、失わない。失いたくない。だから、守り抜いてみせる。今度こそ、俺が!」
ミリアは、自身の前に立っている光、いや、聖装竜機を見て、震える声で言った。
「ラ……ラノ、ハ……?」
そう。ミリアが後ろ姿でありながら今見ている聖装竜機は、入学式の日に一度だけ見た、ラノハの聖装竜機そのものであった。
「ラノハ……動かせたんだね……。良かった……。本当にっ……良かった……!」
「……ああ。俺も、お前が無事で、守れて、良かった」
「……え?」
ミリアはラノハの唐突なその言葉に驚き、開いた口が塞がらないでいた。
ラノハはそんなミリアに気づかず、吹き飛んでいった邪装竜機の方を向き、二本の剣を構える。
するとその方向から、先程ラノハが吹き飛ばした邪装竜機が、こちらに向かって飛んできて、ラノハに攻撃を仕掛ける。
邪装竜機が放った黒い斬撃がラノハに迫るも、ラノハは左手で持つ剣から白い斬撃を飛ばし、それを相殺した。
更にラノハは立て続けに右手で持つ剣から斬撃を放ち邪装竜機に反撃する。
邪装竜機はその斬撃を盾で防いだが、その斬撃は邪装竜機が今日受け止めたどの攻撃よりも重かった。
「……っ。なるほど。まだ生徒でありながら、いい反応、そしていい威力だ。お前は我々にとって、驚異たり得るかもしれん。成熟する前にここで潰しておいた方がいいな」
ラノハは、邪装竜機に乗る男のこの言葉を聞き、しっかりと相手を見据え、臨戦態勢をとった。
その時、ラノハは気づいた。
目の前にいる邪装竜機の正体に。
ラノハの脳内で思い出されるのは、幼き日の記憶。
それは、辺りを燃やし尽くすような真っ赤な炎。
その上に飛ぶ、漆黒の兵器である三機の邪装竜機。
その内の一機である、中央の邪装竜機と、今目の前にいる邪装竜機の姿が――重なる。
「お前……!お前は……!あの時の……!」
「……?あの時だと?……ああ。なるほど。お前が、あの時のエリス村の子供だというわけか」
「お前の……!お前のせいで……!」
ラノハの目にまた、復讐の炎が光を飲み込むように燃え上がる。
そんな様子のラノハに構わず、邪装竜機に乗る男は言葉を続けた。
「今の所、驚異足り得る者はお前だけだが、そこの女も少し危ういな。二丁拳銃……。今までなかったスタイルだ。経験を積めばあるいは……。念の為だ。潰しておくとしよう」
ラノハは、邪装竜機に乗る男のこの言葉を聞いて、顔に青筋を浮き立たせた。
しかしそれと同時に、光を飲み込みかけていた炎が、少しおさまった。
今は、ミリアを守らなければ。
それを再認識したラノハは、ミリアに声をかけた。
「……離れてろ。あいつは、俺が倒す」
「待っ――!」
ミリアの静止を聞かずに、ラノハは聖装竜機を動かし、邪装竜機に突っ込んでいく。
邪装竜機はそんなラノハに、黒い斬撃を飛ばした。
しかし、ラノハはその黒い斬撃がミリアに向かっていないことを理解してから、その斬撃を避ける。
そしてその反撃で、白い斬撃を二本連続で放つ。
邪装竜機はそれを盾で防いだ。
その一瞬の隙に、ラノハは聖装竜機を高速で動かし、邪装竜機に接近した。
邪装竜機は斬撃を防いだ盾をそのまま構えるが、ラノハの前では、その盾は無力である。
低い姿勢から、右手に持つ剣を盾の下にもっていって崩し、盾を跳ね除ける。
シュネイ流剣術、アウスシースン。
「なっ……!」
邪装竜機に乗る男は、ラノハが使ったシュネイ流剣術に驚いた。
ラノハはこの機を逃さず、左手に持つ剣で突きを繰り出す。
「っ!」
邪装竜機に乗る男は、ラノハが突き出した剣を辛うじて剣で防ぎ、距離をとる。
そしてラノハは、光と炎の両方を纏った目で邪装竜機を睨みながら、こう言った。
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