16 / 37
第2章 幽霊屋台を追いかけて
10.光るもの
しおりを挟む
デートだったら確実に盛り上がりそうな美しい景色であるが、残念な事に現実は男二人と神様が、神出鬼没の幽霊屋台を探し回っているのである。
同じシチュエーションだったら、デート側の経験をした人の方が多いのではないだろうか。まず人生において幽霊屋台なんて探す機会も必要もないだろう。
私が心に虚しい風を吹かせていると、宵山が海の方に向かって歩き出す。
『おおー、キレイだなー!』
折角なので、私も気を取り直して夕焼けを楽しもうと、宵山を追いかけた。
そして眩しく輝く海を眺めていると、私の視界の中で何かがキラリと光る。
波は元より光っているが、私が見たのはもっと上、つまり空だった。波のしぶきだとしても、あんなに高くあがるだろうか。
(何か細長いものが、幾つか横切ったように見えたのだけど……)
『目撃情報があったのは、ここの駐車場だったよな?』
私は宵山に話しかけられて、思考を中断し振り返った。
『あ、ああ。』
(今見たものも、一応地図に書き込んでおこう……)
私は周辺の情報も合わせて地図に書き込むと、携帯を取り出して数枚写真を撮った。
『今のところ何の気配もないなー。折角なら食べてみたいがな。幻のラーメン』
『そうだな……。もう次が最後だ。そこを回ったら、駅前で普通にラーメン食べて帰る感じだな。移動中に美味しそうな店がないか調べておくよ』
依頼を受けた時に感じた不安が、杞憂で済んでくれるならその方が良いが、なんだかあまりにも呆気ない感じがした。
そう言って私が車内に戻ろうとすると、神様が窓越しに海の方を眺めてニヤニヤしているのに気が付いた。
(神様も景色が綺麗だなんて思うのかな……食べ物にしか興味がないと思ってたけど……)
何を見ていたのか聞いてみようかとも思ったが、直ぐに宵山も車に乗り込んできたので結局聞けず仕舞いだった。
同じシチュエーションだったら、デート側の経験をした人の方が多いのではないだろうか。まず人生において幽霊屋台なんて探す機会も必要もないだろう。
私が心に虚しい風を吹かせていると、宵山が海の方に向かって歩き出す。
『おおー、キレイだなー!』
折角なので、私も気を取り直して夕焼けを楽しもうと、宵山を追いかけた。
そして眩しく輝く海を眺めていると、私の視界の中で何かがキラリと光る。
波は元より光っているが、私が見たのはもっと上、つまり空だった。波のしぶきだとしても、あんなに高くあがるだろうか。
(何か細長いものが、幾つか横切ったように見えたのだけど……)
『目撃情報があったのは、ここの駐車場だったよな?』
私は宵山に話しかけられて、思考を中断し振り返った。
『あ、ああ。』
(今見たものも、一応地図に書き込んでおこう……)
私は周辺の情報も合わせて地図に書き込むと、携帯を取り出して数枚写真を撮った。
『今のところ何の気配もないなー。折角なら食べてみたいがな。幻のラーメン』
『そうだな……。もう次が最後だ。そこを回ったら、駅前で普通にラーメン食べて帰る感じだな。移動中に美味しそうな店がないか調べておくよ』
依頼を受けた時に感じた不安が、杞憂で済んでくれるならその方が良いが、なんだかあまりにも呆気ない感じがした。
そう言って私が車内に戻ろうとすると、神様が窓越しに海の方を眺めてニヤニヤしているのに気が付いた。
(神様も景色が綺麗だなんて思うのかな……食べ物にしか興味がないと思ってたけど……)
何を見ていたのか聞いてみようかとも思ったが、直ぐに宵山も車に乗り込んできたので結局聞けず仕舞いだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
61
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる