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7.迷子の大人達
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『一体今、どのあたりを歩いているんでしょうか……』
私は無駄と知りつつ、充電の少なくなった携帯で地図アプリを起動する。
やはり先程と変わらず、自分達の位置情報すら確認出来ない状態だ。山の中に入り込みすぎて、電波が届かないのかもしれない。
『西園寺先生もずっと携帯で調べてくださってますが、電波ありますか? 一度、中山さんに電話してみた方が良いかもしれません……』
私が振り向くと、西園寺先生は憔悴しきった表情で頭を抱えていた。
『NO……。ダメです。全然UP出来まセン……』
『アップ……?』
私が聞き返すと、西園寺先生は彼のスマホ画面を私に突き出しながら言った。
『YES! One hourずつ、私のphotoをアップしなければならないのデス!』
そこには、暗い森を背景にポーズをとる西園寺先生が写っていた。
(まさか、この状況でさっきから自撮り写真撮ってたのかコイツ……?)
そのままスマホをへし折ってやろうかとも思ったが、電池が残っているのであれば、この先まだ必要になる事もあるだろう。私はグッと我慢した。
その時、ふと視線の先で何かが動いた気がした。
私は無駄と知りつつ、充電の少なくなった携帯で地図アプリを起動する。
やはり先程と変わらず、自分達の位置情報すら確認出来ない状態だ。山の中に入り込みすぎて、電波が届かないのかもしれない。
『西園寺先生もずっと携帯で調べてくださってますが、電波ありますか? 一度、中山さんに電話してみた方が良いかもしれません……』
私が振り向くと、西園寺先生は憔悴しきった表情で頭を抱えていた。
『NO……。ダメです。全然UP出来まセン……』
『アップ……?』
私が聞き返すと、西園寺先生は彼のスマホ画面を私に突き出しながら言った。
『YES! One hourずつ、私のphotoをアップしなければならないのデス!』
そこには、暗い森を背景にポーズをとる西園寺先生が写っていた。
(まさか、この状況でさっきから自撮り写真撮ってたのかコイツ……?)
そのままスマホをへし折ってやろうかとも思ったが、電池が残っているのであれば、この先まだ必要になる事もあるだろう。私はグッと我慢した。
その時、ふと視線の先で何かが動いた気がした。
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