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第3章 幽体離脱警官と妖怪の子
18.怪しい男
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『あ~、つっかれた~』
寮に戻ってきて、ベッドにダイブ出来たのは19時過ぎだった。TVをつける気にもならない。もう風呂入って寝ちまおうか。
そのままゴロゴロしていたものの、腹が減ってきた事に気がついてしまった。昼のカツカレー以来何も食べていない。
(霊界で見たカツ丼も旨そうだったな~)
俺は豊月さんの食べていたカツ丼を思い出してしまった。寮の食堂へ行けばまだ間に合う時間だったが、今はあまり人と話す気にもなれなかったので、近所のコンビニに出かける事にした。
(おっと、いけね)
制服から着替えていたので、鈴を机に置きっ放しにしていた。念のため、いつも持ち歩かねば。
俺は財布と鈴だけ持って、寮の外へと繰り出した。雨は降っていないが、空気は湿ってきていた。
(帰るまで降って来ませんように……)
寮から一番近いコンビニは、商店街の中にあった。おにぎりとフランクフルト、ビールを買って店を出ると、藪中はまだやっていた。
(カツカレー食ったのって数時間前の話なのに、何だか長い一日だったな……)
そんな事を思いながら、寮に戻ろうと道を曲がると、自分の少し先を着物姿の人物が歩いていた。
それだけなら、夜の闇の中で気にも留めなかっただろう。暗くても目立っていたのは、彼が白っぽい癖っ毛のロングヘアーだったからだ。
(あ、昼間の……)
蕎麦屋で見かけた変わった客だ。
気にはなったが、今日はもう疲れているし、俺はそのまま無視して帰ろうとした。
だが彼は急に足を止めると、何かを探るようにじっとしている。嫌だったがすぐに追いついてしまった。
『出よったな……』
俺が横に並んだくらいの所で、彼はそう呟くと今度は急に走りだした。
本気でヤバイ。マジで関わりたくない。
しかし、彼が走って行く先に見えたのは、人間ほどの大きさの黒い塊だった。
(もー、勘弁してくれー)
泣きそうになったが、新たな被害者を出す訳にはいかない。謎の着物男が明日遺体で見つかったらと思うと、追わざるを得なかった。
(まあ、黒いのが見えてるって事は、只者じゃないんだろうけど……)
寮に戻ってきて、ベッドにダイブ出来たのは19時過ぎだった。TVをつける気にもならない。もう風呂入って寝ちまおうか。
そのままゴロゴロしていたものの、腹が減ってきた事に気がついてしまった。昼のカツカレー以来何も食べていない。
(霊界で見たカツ丼も旨そうだったな~)
俺は豊月さんの食べていたカツ丼を思い出してしまった。寮の食堂へ行けばまだ間に合う時間だったが、今はあまり人と話す気にもなれなかったので、近所のコンビニに出かける事にした。
(おっと、いけね)
制服から着替えていたので、鈴を机に置きっ放しにしていた。念のため、いつも持ち歩かねば。
俺は財布と鈴だけ持って、寮の外へと繰り出した。雨は降っていないが、空気は湿ってきていた。
(帰るまで降って来ませんように……)
寮から一番近いコンビニは、商店街の中にあった。おにぎりとフランクフルト、ビールを買って店を出ると、藪中はまだやっていた。
(カツカレー食ったのって数時間前の話なのに、何だか長い一日だったな……)
そんな事を思いながら、寮に戻ろうと道を曲がると、自分の少し先を着物姿の人物が歩いていた。
それだけなら、夜の闇の中で気にも留めなかっただろう。暗くても目立っていたのは、彼が白っぽい癖っ毛のロングヘアーだったからだ。
(あ、昼間の……)
蕎麦屋で見かけた変わった客だ。
気にはなったが、今日はもう疲れているし、俺はそのまま無視して帰ろうとした。
だが彼は急に足を止めると、何かを探るようにじっとしている。嫌だったがすぐに追いついてしまった。
『出よったな……』
俺が横に並んだくらいの所で、彼はそう呟くと今度は急に走りだした。
本気でヤバイ。マジで関わりたくない。
しかし、彼が走って行く先に見えたのは、人間ほどの大きさの黒い塊だった。
(もー、勘弁してくれー)
泣きそうになったが、新たな被害者を出す訳にはいかない。謎の着物男が明日遺体で見つかったらと思うと、追わざるを得なかった。
(まあ、黒いのが見えてるって事は、只者じゃないんだろうけど……)
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