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第5章 愉悦する道化師
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月斗はその場に崩れ落ち、マオがそれを支えた。
同時に周囲の熱気が急に収まり、辺りは騒然とする。
(やば……どーすんだこの状況……)
どうやら急病人等は出ていないようだが、今ここにいる全員が目の当たりにした異常な光景を、どう説明付ければ良いのだろう。夕方のニュースに出て大騒ぎになってしまうのではないだろうか。
その時、ガガガと放送用のスピーカーが乱れる音が響いた。
『これは、驚きのサプライズ演出! ダンスの合間に物語仕立ての演劇を交えてくるなんて異例の展開、本カーニバルの歴史上も初めてなのではないでしょうか? 最新のプロジェクションマッピング技術にも感動です! カーニバル初参戦の月斗君、圧巻の演技を見せつけました!』
すると、動揺していた観客達からパラパラと拍手が湧き、周囲の騒めきは再び歓声へと変わった。
(この声……メレクだな……)
人間界の娯楽に通じたメレク、流石の対応である。
アレゴリアに乗ったマオは、観衆の大注目を浴びながら恥ずかしそうに気絶した月斗を抱えて進んで行った。
屋根の方を見上げると、サマエルとメフィストの姿はもう見当たらなかった。
結局、今年のカーニバル優勝チームはマスターの友人が所属しているG.R.E.Sエンドズィ・アズーモに決まった。
月斗のチームは一番盛り上がりはしたものの、審査員一同の「頑張るとこそこじゃない」という判断により特別賞に収まったようだ。それはそうだろう。
俺は友人達と喜び合っているマスターと別れ、マオとメレクと合流して家へ帰った。
月斗はあの後意識を回復し、全て自分の仕込んだ演出であったと語っているらしい。どうやら奴を抱いている間に、マオが魔法で記憶を操作したようだ。
「マオ、かっこよかったねー!」
「……そうか?」
「かっこよかたー! ぴかーてひかりがでてた!」
双子に褒められて、マオはまた少し嬉しそうに照れていた。
「ただいまー」
しかし、玄関の扉を開けると、室内は異様な空気に満たされていた。
(なんだなんだ?)
家に上がって居間を覗くと、卓袱台を挟んでサマエルと仮面の男が睨み合っていた。
「いや、来てんのかよ!?」
俺が叫ぶと、二人は同時にこちらを向いた。
「お帰りなさいませ。皆様、大変お疲れ様でした。今、此奴に事情聴取をしていた所です。概ね我々の予想通りでした」
見ると、メフィストの両腕は手錠のように紫色の光の帯に巻かれており、サマエルに拘束されているようだった。
「もう少し盛り上がる予定だったんですけどねー。非常に残念です」
彼は悪びれる様子も無く口を開くとケラケラと笑う。
「じゃあ、やっぱコイツが黒い本と鍵を盗んで月斗に渡したのか?」
「ええ、そして月斗君は強欲の魔獣マモンを呼び出し、取り憑かれてしまった……」
「彼の欲望の形にとてもぴったりでしたね! やっぱり呼び出す人間に合わせた悪魔が現れるんだ。実に興味深い本ですよ」
メフィストは面白そうに笑う。黒い本はサマエルの前に置かれていた。
「そら、うみ、お客さんが来ているから向こうの部屋でテレビを見ててくれるか? 後でおやつ持っていってやるから」
「うん!」
双子は既にこのパターンに慣れているのか、素直に向かいの洋間に向かってくれた。
「んで、そいつどーするんだ?」
「直ぐに魔界へ強制送還します……そうですね……また悪さを働かない様に、暫くは牢に繋いでおきます」
俺が尋ねると、サマエルはメフィストの腕から伸びている鎖のような光を引っ張りながら答えた。
メフィストはそれに動じる事無く、ニヤニヤと笑っている。
「また悪さをねぇ……どちらかというと、貴方の心配は『魔王様が人間界に居る』と僕に吹聴される事にあるんじゃないですか? 僕が言いふらさなくても、もう手遅れだと思うけどねぇ?」
同時に周囲の熱気が急に収まり、辺りは騒然とする。
(やば……どーすんだこの状況……)
どうやら急病人等は出ていないようだが、今ここにいる全員が目の当たりにした異常な光景を、どう説明付ければ良いのだろう。夕方のニュースに出て大騒ぎになってしまうのではないだろうか。
その時、ガガガと放送用のスピーカーが乱れる音が響いた。
『これは、驚きのサプライズ演出! ダンスの合間に物語仕立ての演劇を交えてくるなんて異例の展開、本カーニバルの歴史上も初めてなのではないでしょうか? 最新のプロジェクションマッピング技術にも感動です! カーニバル初参戦の月斗君、圧巻の演技を見せつけました!』
すると、動揺していた観客達からパラパラと拍手が湧き、周囲の騒めきは再び歓声へと変わった。
(この声……メレクだな……)
人間界の娯楽に通じたメレク、流石の対応である。
アレゴリアに乗ったマオは、観衆の大注目を浴びながら恥ずかしそうに気絶した月斗を抱えて進んで行った。
屋根の方を見上げると、サマエルとメフィストの姿はもう見当たらなかった。
結局、今年のカーニバル優勝チームはマスターの友人が所属しているG.R.E.Sエンドズィ・アズーモに決まった。
月斗のチームは一番盛り上がりはしたものの、審査員一同の「頑張るとこそこじゃない」という判断により特別賞に収まったようだ。それはそうだろう。
俺は友人達と喜び合っているマスターと別れ、マオとメレクと合流して家へ帰った。
月斗はあの後意識を回復し、全て自分の仕込んだ演出であったと語っているらしい。どうやら奴を抱いている間に、マオが魔法で記憶を操作したようだ。
「マオ、かっこよかったねー!」
「……そうか?」
「かっこよかたー! ぴかーてひかりがでてた!」
双子に褒められて、マオはまた少し嬉しそうに照れていた。
「ただいまー」
しかし、玄関の扉を開けると、室内は異様な空気に満たされていた。
(なんだなんだ?)
家に上がって居間を覗くと、卓袱台を挟んでサマエルと仮面の男が睨み合っていた。
「いや、来てんのかよ!?」
俺が叫ぶと、二人は同時にこちらを向いた。
「お帰りなさいませ。皆様、大変お疲れ様でした。今、此奴に事情聴取をしていた所です。概ね我々の予想通りでした」
見ると、メフィストの両腕は手錠のように紫色の光の帯に巻かれており、サマエルに拘束されているようだった。
「もう少し盛り上がる予定だったんですけどねー。非常に残念です」
彼は悪びれる様子も無く口を開くとケラケラと笑う。
「じゃあ、やっぱコイツが黒い本と鍵を盗んで月斗に渡したのか?」
「ええ、そして月斗君は強欲の魔獣マモンを呼び出し、取り憑かれてしまった……」
「彼の欲望の形にとてもぴったりでしたね! やっぱり呼び出す人間に合わせた悪魔が現れるんだ。実に興味深い本ですよ」
メフィストは面白そうに笑う。黒い本はサマエルの前に置かれていた。
「そら、うみ、お客さんが来ているから向こうの部屋でテレビを見ててくれるか? 後でおやつ持っていってやるから」
「うん!」
双子は既にこのパターンに慣れているのか、素直に向かいの洋間に向かってくれた。
「んで、そいつどーするんだ?」
「直ぐに魔界へ強制送還します……そうですね……また悪さを働かない様に、暫くは牢に繋いでおきます」
俺が尋ねると、サマエルはメフィストの腕から伸びている鎖のような光を引っ張りながら答えた。
メフィストはそれに動じる事無く、ニヤニヤと笑っている。
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