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【第11話】わいせつな行為をしてはならない
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この日の湿度は高く、窓を開けても生温かい風が入ってくるだけだった。
あれから、二回、二人で出かけた。
そして、その翌日、僕はまた呼ばれた。
夕暮れ近くの、彼女からの緊急招集。
彼女は、お母さんの残業を確定すると、僕を呼び出さなくては気が済まないのだ。
彼女は、玄関を開けると、インターホンを鳴らした僕の手をぎゅっと握って、中へ引き入れる。
部屋着らしい。彼女は、迷彩柄のTシャツに、ショートパンツという、とてもラフな格好だった。
部屋の中でしか会わない時でも、原則としてゴシック風の衣装を着ていたが、今日はその時間を惜しんだのか、僕との心の距離が近づいたのか、少し新鮮な気持ちにさせられた。
二人で、足早に彼女の部屋へと入っていく。
扉を閉めると、彼女は無言で僕の胸に身を委ねてきた。
唇を重ねようとする。
すると、彼女は、僕の唇が彼女の唇に触れる直前、そっと瞑目し、唇を小さく開いた。
赤い舌が動いている。
そして、まるで悪霊を払う祝詞のように、何かを呟き始めた。
「……何人も、未成年と性交等を行ってはならない」
彼女は、この地方の青少年保護育成条例を、明瞭な発音で、言葉を一つずつ確実に読み上げるように言ったのだ。
「……何人も、未成年に対し、わいせつな行為をしてはならない」
彼女は目を開く。
「いつも通りなら、『性交等』『わいせつな行為』には当たらぬ。そうじゃな、秀一?」
僕は彼女の腰に手を回した。
「わかってるよ。でもそれって、具体的には?」
「知れたこと。『性交』とは、①生殖器同士の結合、②生殖器と肛門の結合。③生殖器と口腔の結合をいうのだ」
──あっさり言ったが、普通の挿入、アナルへの挿入、フェラだな。これらの意味も俗語も知ってはいるのだろう。
「そして、『わいせつな行為』の範囲は広い。まず、①未成年の性的な器官に触れる、触らせる行為。次に、②性的な意図を以て脱衣させる行為。そして、③未成年に自分の性的な部分を触らせる行為。他にも④性的な撮影行為、その他……がある」
「……さすがによく知ってるな」
「当然よ。妾には、そなたを『大凶』から守る使命があるゆえ、すべて頭に叩き入れておる。秀一が道を誤り、罪人となってしまうことは絶対にありえぬのじゃ」
「……僕の部屋で、ここに触れたよね?」
「ちっ、違う! あれは妾の意思でやったこと。それに妾は決して卑猥な感情でやったわけではない! 法力、浄化、大凶退散──すべて性的ではない聖なる理由があった。しかも秀一が主導したわけではない。ゆえにあれは、『わいせつな行為』に当たらぬ。そなたは無罪じゃ!」
露西亜の目は少し泳いでいた。彼女の中では、過去の出来事は、条例違反にならないと言うことらしい。
でも、これも同じ理屈を、彼女ではなく、僕が唱えたら、完全にアウトになるだろう。
ただ、キスだけはギリギリ大丈夫なようである。だから、これまで僕は彼女をその気にさせてみようと、かなり性的な口付けを交わしてきた。
「その聖なる目的のため、いいよね?」
彼女はコクっと頷いて、目を閉じた。
唇を接合させていく。
今の僕にとって、彼女とのキスは、ある意味ではこの少女をどこまで興奮させられるかを試すゲームの側面を帯びていた。
舌先でその唇を押し開いて、彼女の薄い唇を僕の唇と舌先で弄んでいく。時々「んっ、んー」と、彼女が軽く抵抗するのが楽しい。
息が苦しくなると、興奮度も高まっていく。
互いの髪を掻き抱いて、指でなぞっていく。
僕も数年前までお酒も飲めない未成年だったのだから、世間的には許容範囲だろうぐらいに思っている。
身体を密着させて、彼女を強く抱きしめていく。
これはどうだろう。明らかに僕の屹立した部分が、背の低い彼女のお腹あたりに当たっている。
僕は身長175cmで、彼女は151cmだから、その気になれば、彼女の胸にそれを押し当てることもできる。生殖器同士を当てることもできる。
ところが彼女はさっき自分で唱えた条例が気になってきたのか、僕のそれが彼女に触れるのを避けるような動きをしている。僕は構わず、わざと押し当てていく。
「秀一、今、確かめた通りぞ。これは、これは押し当てているのではなく、当たってしまっているだけ……じゃな?」
「いや」
僕は、逃げるつもりはない。
「押し当てているんだ」
彼女は、僕を「犯罪者にしたくない」という思いから身を引いてきた。けれど、ここで僕が自ら犯罪者になろうとしたら、どうするのか。
「君を穢すつもりはない。ただ、抑えられないんだ」
そう言って、彼女の胸に手を当てて、下から撫でた。
ここで「それ以上すると、大声をあげるぞ!」と警告を受けると思った。だが──。
「……秀一は、我慢ができぬ『子供』じゃな」
彼女は僕のシャツの裾を掴み、上目遣いで僕を見た。
「少しだけじゃぞ。妾を穢さぬ約束……忘れるな」
彼女の手が、彼女の胸に触れる僕の手の裏に重なった。
露西亜は自己ルールを少しだけ曲げてくれたのだ。彼女が黙っている限り、僕は『罪人』とはならない。
彼女の胸は、見た目通り、とても薄かった。服の上から触れても、男性よりほのかに柔らかさがある程度だ。
それでも脂肪がないわけではない。手のひら、指先でその形を確かめるように、触れていく。
彼女はキスをやめて、無言でその動きを見つめ始めた。
彼女の額に汗が滲んでいる。
その汗の匂いは、ミルクのような甘い匂いと混じり合い、強烈に僕の本能を刺激した。
その機に乗じて、僕は彼女の額を舐めた。一瞬、強張ったが、何も言わない。さらに片手で髪を掻き分け、耳の下に舌を当てていく。
首筋と胸を同時に攻められて、露西亜が身をよじった。
「んっ……ぁ……秀一、手が……熱い……」
その声はいつになく、甘くなっていた。
メスの声だ。
僕は自分の下半身を、ショートパンツの布越しに彼女の秘部へと当てていく。
彼女は「あぅっ」と声を漏らし、僕の背中に手を回した。
今日はもう、ここまでOKなんだ。
きっと、彼女を穢さないと約束をしたからだろう。
少しだけリズミカルに押していく。
彼女が断続的に、微かな、悲鳴に似た吐息を漏らしている。
僕は、来るべき約束の日に向けての予行演習のつもりでいた。
だがもう、ダメだ。
ここまで進展しておきながら、これ以上のことを許されないという状況が、僕の感情を限りなく刺激して、もはや限界がすぐそこに迫っていた。
あれから、二回、二人で出かけた。
そして、その翌日、僕はまた呼ばれた。
夕暮れ近くの、彼女からの緊急招集。
彼女は、お母さんの残業を確定すると、僕を呼び出さなくては気が済まないのだ。
彼女は、玄関を開けると、インターホンを鳴らした僕の手をぎゅっと握って、中へ引き入れる。
部屋着らしい。彼女は、迷彩柄のTシャツに、ショートパンツという、とてもラフな格好だった。
部屋の中でしか会わない時でも、原則としてゴシック風の衣装を着ていたが、今日はその時間を惜しんだのか、僕との心の距離が近づいたのか、少し新鮮な気持ちにさせられた。
二人で、足早に彼女の部屋へと入っていく。
扉を閉めると、彼女は無言で僕の胸に身を委ねてきた。
唇を重ねようとする。
すると、彼女は、僕の唇が彼女の唇に触れる直前、そっと瞑目し、唇を小さく開いた。
赤い舌が動いている。
そして、まるで悪霊を払う祝詞のように、何かを呟き始めた。
「……何人も、未成年と性交等を行ってはならない」
彼女は、この地方の青少年保護育成条例を、明瞭な発音で、言葉を一つずつ確実に読み上げるように言ったのだ。
「……何人も、未成年に対し、わいせつな行為をしてはならない」
彼女は目を開く。
「いつも通りなら、『性交等』『わいせつな行為』には当たらぬ。そうじゃな、秀一?」
僕は彼女の腰に手を回した。
「わかってるよ。でもそれって、具体的には?」
「知れたこと。『性交』とは、①生殖器同士の結合、②生殖器と肛門の結合。③生殖器と口腔の結合をいうのだ」
──あっさり言ったが、普通の挿入、アナルへの挿入、フェラだな。これらの意味も俗語も知ってはいるのだろう。
「そして、『わいせつな行為』の範囲は広い。まず、①未成年の性的な器官に触れる、触らせる行為。次に、②性的な意図を以て脱衣させる行為。そして、③未成年に自分の性的な部分を触らせる行為。他にも④性的な撮影行為、その他……がある」
「……さすがによく知ってるな」
「当然よ。妾には、そなたを『大凶』から守る使命があるゆえ、すべて頭に叩き入れておる。秀一が道を誤り、罪人となってしまうことは絶対にありえぬのじゃ」
「……僕の部屋で、ここに触れたよね?」
「ちっ、違う! あれは妾の意思でやったこと。それに妾は決して卑猥な感情でやったわけではない! 法力、浄化、大凶退散──すべて性的ではない聖なる理由があった。しかも秀一が主導したわけではない。ゆえにあれは、『わいせつな行為』に当たらぬ。そなたは無罪じゃ!」
露西亜の目は少し泳いでいた。彼女の中では、過去の出来事は、条例違反にならないと言うことらしい。
でも、これも同じ理屈を、彼女ではなく、僕が唱えたら、完全にアウトになるだろう。
ただ、キスだけはギリギリ大丈夫なようである。だから、これまで僕は彼女をその気にさせてみようと、かなり性的な口付けを交わしてきた。
「その聖なる目的のため、いいよね?」
彼女はコクっと頷いて、目を閉じた。
唇を接合させていく。
今の僕にとって、彼女とのキスは、ある意味ではこの少女をどこまで興奮させられるかを試すゲームの側面を帯びていた。
舌先でその唇を押し開いて、彼女の薄い唇を僕の唇と舌先で弄んでいく。時々「んっ、んー」と、彼女が軽く抵抗するのが楽しい。
息が苦しくなると、興奮度も高まっていく。
互いの髪を掻き抱いて、指でなぞっていく。
僕も数年前までお酒も飲めない未成年だったのだから、世間的には許容範囲だろうぐらいに思っている。
身体を密着させて、彼女を強く抱きしめていく。
これはどうだろう。明らかに僕の屹立した部分が、背の低い彼女のお腹あたりに当たっている。
僕は身長175cmで、彼女は151cmだから、その気になれば、彼女の胸にそれを押し当てることもできる。生殖器同士を当てることもできる。
ところが彼女はさっき自分で唱えた条例が気になってきたのか、僕のそれが彼女に触れるのを避けるような動きをしている。僕は構わず、わざと押し当てていく。
「秀一、今、確かめた通りぞ。これは、これは押し当てているのではなく、当たってしまっているだけ……じゃな?」
「いや」
僕は、逃げるつもりはない。
「押し当てているんだ」
彼女は、僕を「犯罪者にしたくない」という思いから身を引いてきた。けれど、ここで僕が自ら犯罪者になろうとしたら、どうするのか。
「君を穢すつもりはない。ただ、抑えられないんだ」
そう言って、彼女の胸に手を当てて、下から撫でた。
ここで「それ以上すると、大声をあげるぞ!」と警告を受けると思った。だが──。
「……秀一は、我慢ができぬ『子供』じゃな」
彼女は僕のシャツの裾を掴み、上目遣いで僕を見た。
「少しだけじゃぞ。妾を穢さぬ約束……忘れるな」
彼女の手が、彼女の胸に触れる僕の手の裏に重なった。
露西亜は自己ルールを少しだけ曲げてくれたのだ。彼女が黙っている限り、僕は『罪人』とはならない。
彼女の胸は、見た目通り、とても薄かった。服の上から触れても、男性よりほのかに柔らかさがある程度だ。
それでも脂肪がないわけではない。手のひら、指先でその形を確かめるように、触れていく。
彼女はキスをやめて、無言でその動きを見つめ始めた。
彼女の額に汗が滲んでいる。
その汗の匂いは、ミルクのような甘い匂いと混じり合い、強烈に僕の本能を刺激した。
その機に乗じて、僕は彼女の額を舐めた。一瞬、強張ったが、何も言わない。さらに片手で髪を掻き分け、耳の下に舌を当てていく。
首筋と胸を同時に攻められて、露西亜が身をよじった。
「んっ……ぁ……秀一、手が……熱い……」
その声はいつになく、甘くなっていた。
メスの声だ。
僕は自分の下半身を、ショートパンツの布越しに彼女の秘部へと当てていく。
彼女は「あぅっ」と声を漏らし、僕の背中に手を回した。
今日はもう、ここまでOKなんだ。
きっと、彼女を穢さないと約束をしたからだろう。
少しだけリズミカルに押していく。
彼女が断続的に、微かな、悲鳴に似た吐息を漏らしている。
僕は、来るべき約束の日に向けての予行演習のつもりでいた。
だがもう、ダメだ。
ここまで進展しておきながら、これ以上のことを許されないという状況が、僕の感情を限りなく刺激して、もはや限界がすぐそこに迫っていた。
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