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【第12話】お母さん、おかえりー
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目の前で、恍惚とした顔を浮かべている露西亜の小さな息が、犯罪的に危険だった。
僕は彼女の手を解き、ズボンのベルトに手をかけた。
「しゅ、秀一……っ!?」
「ごめん、出そう……!」
僕は枕元にあったボックスティッシュを乱暴に引き抜いた。
数枚の白い紙が宙に舞う。
僕はそれをあてがい、一気に解放した。
「えっ……!?」
露西亜が発した驚きの声と同時に、ドクン、ドクンと、僕の体が脈打った。
溜まりに溜まった「法力」の液体が、ティッシュの中に吐き出されていく。
男性独特の匂いが、湿った空気に拡散していく。
「あ……あ……」
彼女は、戸惑いの声を漏らしていた。
僕の負けだ。彼女の違反行為をやってしまったのだ。
部屋も、彼女も、汚れはしなかった。
しかし、まだ足りない。僕の放出はまだ完全には終わっていない。
迷彩柄のティッシュケースの中から、ティッシュを続けて抜き取ろうとすると、それより先に彼女の手がティッシュを数枚、抜き取った。
「秀一!」
露西亜は、青ざめた顔で、僕の手から汚れたティッシュをひったくり、ティッシュで僕の汚れた部分を拭い始めた。
「大丈夫か!? 痛くはないか……気分は!?」
「え……?」
「馬鹿者! なぜこんなになるまで我慢した! かような急激な放出は、そなたの魂を削るであろうに!」
素手で触れることも厭わず、僕の後処理をしている。
「穢れが……まだ残っておる。早く清めねば……!」
彼女の顔は不安と焦燥に支配されていた。
これが、男性の射精を初めて、生で見た露西亜の反応だった。彼女はこれを、僕にとってのダメージであるかのように心配していた。
まるで、介護するように拭き取り、僕の顔色と呼吸を観察して、泣きそうな顔をしている。
僕は胸が締め付けられた。
「ごめん、露西亜。手を……汚してごめん」
「後で洗えば済むこと。約束の日まで、我慢できないそなたの気持ち、悪くは思わぬぞ」
そう言いながら、彼女はそれまでの複雑な気持ちをすっぱり切り捨てるような笑顔を作った。
僕にとって、射精はリスクでも何でもない。それどころか、解放感で充足している。
男性だけでなく、女性もそうであるのだろう。だが、女性の場合は、その時に独特の不安のようなものが残るらしい。男性の生理的な現象に無知な彼女は、僕を安心させようと、微笑みを絶やさずにいる。
室内の匂いと、彼女の笑顔が僕を再び膨張させていく。
「秀一、大丈夫か? また危険な状態になっておる」
これは危険なのではない、僕の身体がさらに彼女を求めているだけだ。僕は彼女に微笑み返し、何かを言おうとしたその時
カチャリ──。
一階の玄関で、鍵が開く音が響いた。
僕と露西亜は、彫像のように凍りついた。
「あ……母上?」
階下から「ただいまー」と、女性の声が聞こえる。
すると、露西亜は僕の屹立した部分にそっとティッシュを乗せて、自分の手を急ぐように別のティッシュで拭き払った。
一枚のティッシュなんかで、僕のそれを隠したつもりらしい。僕も釣られて慌ててしまい、それをそのティッシュで包んでズボンの中に片付ける。
露西亜の顔を見ると、恐怖と絶望に支配されていた。
「ここに隠れていよ。決して外に出るでないぞ」
そう小声で厳しく言うと、露西亜は、部屋の外に出ていった。
「お母さん、おかえりー」
何の演技もない、ごく一般的な家庭の十代後半の少女の声が屋内に響いた。
僕は彼女の手を解き、ズボンのベルトに手をかけた。
「しゅ、秀一……っ!?」
「ごめん、出そう……!」
僕は枕元にあったボックスティッシュを乱暴に引き抜いた。
数枚の白い紙が宙に舞う。
僕はそれをあてがい、一気に解放した。
「えっ……!?」
露西亜が発した驚きの声と同時に、ドクン、ドクンと、僕の体が脈打った。
溜まりに溜まった「法力」の液体が、ティッシュの中に吐き出されていく。
男性独特の匂いが、湿った空気に拡散していく。
「あ……あ……」
彼女は、戸惑いの声を漏らしていた。
僕の負けだ。彼女の違反行為をやってしまったのだ。
部屋も、彼女も、汚れはしなかった。
しかし、まだ足りない。僕の放出はまだ完全には終わっていない。
迷彩柄のティッシュケースの中から、ティッシュを続けて抜き取ろうとすると、それより先に彼女の手がティッシュを数枚、抜き取った。
「秀一!」
露西亜は、青ざめた顔で、僕の手から汚れたティッシュをひったくり、ティッシュで僕の汚れた部分を拭い始めた。
「大丈夫か!? 痛くはないか……気分は!?」
「え……?」
「馬鹿者! なぜこんなになるまで我慢した! かような急激な放出は、そなたの魂を削るであろうに!」
素手で触れることも厭わず、僕の後処理をしている。
「穢れが……まだ残っておる。早く清めねば……!」
彼女の顔は不安と焦燥に支配されていた。
これが、男性の射精を初めて、生で見た露西亜の反応だった。彼女はこれを、僕にとってのダメージであるかのように心配していた。
まるで、介護するように拭き取り、僕の顔色と呼吸を観察して、泣きそうな顔をしている。
僕は胸が締め付けられた。
「ごめん、露西亜。手を……汚してごめん」
「後で洗えば済むこと。約束の日まで、我慢できないそなたの気持ち、悪くは思わぬぞ」
そう言いながら、彼女はそれまでの複雑な気持ちをすっぱり切り捨てるような笑顔を作った。
僕にとって、射精はリスクでも何でもない。それどころか、解放感で充足している。
男性だけでなく、女性もそうであるのだろう。だが、女性の場合は、その時に独特の不安のようなものが残るらしい。男性の生理的な現象に無知な彼女は、僕を安心させようと、微笑みを絶やさずにいる。
室内の匂いと、彼女の笑顔が僕を再び膨張させていく。
「秀一、大丈夫か? また危険な状態になっておる」
これは危険なのではない、僕の身体がさらに彼女を求めているだけだ。僕は彼女に微笑み返し、何かを言おうとしたその時
カチャリ──。
一階の玄関で、鍵が開く音が響いた。
僕と露西亜は、彫像のように凍りついた。
「あ……母上?」
階下から「ただいまー」と、女性の声が聞こえる。
すると、露西亜は僕の屹立した部分にそっとティッシュを乗せて、自分の手を急ぐように別のティッシュで拭き払った。
一枚のティッシュなんかで、僕のそれを隠したつもりらしい。僕も釣られて慌ててしまい、それをそのティッシュで包んでズボンの中に片付ける。
露西亜の顔を見ると、恐怖と絶望に支配されていた。
「ここに隠れていよ。決して外に出るでないぞ」
そう小声で厳しく言うと、露西亜は、部屋の外に出ていった。
「お母さん、おかえりー」
何の演技もない、ごく一般的な家庭の十代後半の少女の声が屋内に響いた。
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