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しおりを挟む「え?今日は一緒に帰れないって…」
「いいから」
僕のリュックを臣が背負い、今すぐにでもその場を離れようとする
「ちょっと待ってよ
今日は一緒に帰れないっていうから、今りっくんと」
「りっくん??」
りっくんの名前を聞いた瞬間、臣は眉間に皺を寄せた
そして、僕の隣に座るりっくんへと目を向ける
「そう、りっくん!律って名前だから!
僕の幼馴染でさ」
「そう」
まだ話している途中なのに遮って、イラついたような口調で答える臣
「そうって…
で、今久しぶりに会ったから、この後少し話そうかなって…」
臣の表情がどんどんと険しくなるから、続きを話すのにも躊躇ってしまい声が小さくなっていく
「どうも、はじめまして」
初めに声をかけたのはりっくんだった
口元に笑みを浮かべながら、僕を間に挟んだ状態で小さく手を振る
臣はりっくんに対して軽く頭を下げた
「臣くん?」
「え?そうですけど…」
臣は突然名前を呼ばれて、驚いた表情でりっくんを見る
「有名人
あ、ちなみに俺律っていいます
年下なんでタメ口で話してもらって大丈夫です」
何でりっくんが臣の名前を知っているのだろう?
「去年、ミスターコンに出てたよね
カッコよかった」
「ああ、あれっすか…
あれは自分からエントリーしたわけじゃないんで…」
「すごい人気だったよね
まさかちぃと友達だと思わなかったなあ」
「ちぃ???」
臣は僕のあだ名を聞いて、さらに眉間の皺を深くした
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