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しおりを挟む逆に僕が気にしすぎなのか
そう思えばそうなのかもしれない
だって僕たちは昔一緒にお風呂に入ったり、同じ布団で寝ていたりした仲だ
距離感が近いとかあまり気にすることではないのか
「ねえ、ちぃ
これは何?」
さらに距離を縮め、肩に顎を置きながら耳元で話してくる
そう開き直った僕は後ろにいるりっくんに少し寄りかかって、笑いかけた
「え…ちぃ?どうしたの?」
笑って"どいて"とか言われるかと思いきや、りっくんは目を見開いて僕のことを見てくる
あまりにも顔の距離が近くなったため、自分から近づいたくせに目を逸らしてしまった
「なんか僕、りっくんの見た目が変わってたから変に意識しすぎてたけど、りっくんはりっくんだもんね…!
何か、変な距離感あってごめんね!
前まで通りで過ごそう!」
「ちぃ、嬉しいけどいきなり何言ってんの」
りっくんはいつも通りの笑顔を浮かべて僕の背中を押した
そうだ、昔のままでいいんだ
意識しすぎてたのが、馬鹿みたいだ
これじゃ、僕がりっくんを恋愛的に意識してるみたいに思われなくてもおかしくない
食研の購入を終えて、食券を持って並んでいると、前に並んでいた女の子2人組がこっちをチラチラと見ている
「あ、あの良かったら先どうぞ」
女の子達が恥ずかしそうに下を俯きながら、手のひらを上に向けて、"どうぞどうぞ"と言って手を左右に動かした
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