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しおりを挟む臣の顔を見てみると、確かに目の下には隈ができていて顔色もいつもより色味がないような気がする
「千秋先輩のせいかも…」
切なそうに笑って、僕の頬に手を伸ばして来るからその手を払う
「ぼ、僕のせいじゃない
自分のせいでしょ」
「冗談だって」
臣の弱々しいしい姿に思わず、謝罪の言葉を漏らしそうになったけど、今回の件は僕だって折れるつもりはない
「…俺のせいだけど、俺の言い分も少しは聞いてよ…」
「…わかった
わかったから一旦離れて」
その言葉に臣は嫌そうな顔を浮かべたが、渋々僕の体を解放した
「その…昨日一緒にいたあいつらって結構見境ないっていうか…」
「見境?」
一体何の話をしているのか分からず、首を傾げると臣が僕の顔をじっと見てくる
「なに?」
「もうそういうのやめて
今、抑えてるのにそんな可愛い顔されたら俺だって耐えるのしんどいから」
「だ、だから何の話」
臣は一旦息をつくと、再び話を始める
「その…春也に聞いてくれたらわかると思うけど、男でも女でも可愛いとか言うようなタイプだから、千秋先輩のこと紹介したら絶対会いたいとか言い出すだろうからあえて、マイナスなことばかりいって会わせる気にさせないようにしました
馬鹿ですいません」
臣は両手で顔を覆い、指の隙間からチラチラと横目で僕を見てくる
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