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「嘘じゃないよ
俺の頭の中見てみる?理奈で頭いっぱい」

「恥ずかしいからやめて」


理奈の頬のピンク色が濃くなった。俺から顔を背ける理奈の頬に唇を寄せてキスをすると、頬の熱が唇に伝わってきた。とても熱い。


「臣…ここ教室だから…」

「俺たち以外誰もいないよ?」

「うん…そうだけど
恥ずかしいよ
誰かに見られてたら嫌」

「俺だって誰かがいたらそんなことしないよ?
理奈のこんな可愛い顔、他の男に絶対見せたくないから」

「臣…」


我ながら臭いセリフだし、男友達に聞かれたら絶望の縁に立たされそうだ。

だが、女には1番こういう言葉が効く。
恋愛に関しては既にマニュアルのようなものが俺の中で成り立っていた。

俺の顔を両手で押してくる理奈の手を取り、真っ直ぐと見る。理奈の目は上気を含んだ色っぽい目つきへと変わっている。


「じゃあ…俺の家にでも行く?」


理奈の手に指を絡めて握ると、強く握り返された。返事はないけど、これが良いということは今までの経験でわかっている。

予想通り、理奈は首を縦に振った。
握っていた手を離し、理奈の鞄を手に取ろうとしたが理奈の手は強く握られたままだ。


「理奈?どうしたの?」


理奈は熱い視線で俺を見つめた後、ゆっくりと瞳を閉じた。
この合図も何をして欲しいのかわかっている。
素早く周りに人がいないかを確認して、理奈へと口づけをした。

理奈から離れるとあるものが視界に入る。
それはあのストーカー先輩の姿だった。
目を丸くして、俺たちの姿を見ていた。


「うわっ!」


思わず、声を上げてしまうと、理奈もビクッと肩を震わせる。


「臣、いきなりどうしたの?」


理奈が周りを見渡した時には、先輩はその場から走り去っていた。
席から立ち上がり、先輩の後ろ姿を追おうとしたが、すでに姿は無くなっていた。
いっそのこと、座敷童子を見てしまったのだと思えばいい。

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