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しおりを挟む「早く答えてくれます?」
「初めに言っておくけど、河田くんを追いかけてきたとかそんな理由じゃないよ??」
「じゃあ何??」
さらに低くなった声と、射抜くような視線が怖くて、真っ直ぐ前が見れず、テーブルばかりに視線を落としてしまう。
「友達…が来たいって言ったから、着いてきただけで…」
「ふうん、友達ねえ??」
「そ、そう、友達」
「さっきの女の人ですか?」
「そうだけど…」
河田くんはしばらく僕を睨みつける。
「最近、俺のこと避けてると思ったらそういうこと??」
「え??」
思いがけない言葉に間抜けな声が出てしまう。
僕が河田くんを避けている??河田くんが僕を避けているならわかるけど、僕は河田くんを避けた覚えはない。避けたというか距離を取るようにしたのだ。
「好きな女ができたなら良かったですね」
河田くんは全く感情の篭っていないような言葉を発する。
「好きな女の子とかじゃなくて、友達だよ!」
「あんたがそう思っていたとしても、向こうはそうじゃないかもしれないでしょ」
「絶対ないよ」
「なんで絶対ないなんて言い切れんの??
知らないうちに向こうが好きになってる可能性もあるのに」
絶対ないなんて言いつつも言葉に詰まってしまう。
舞さんが僕を好きだと思っているとかいいんたいんじゃなくて、男女という関係である上には完全に否定はできない。
しばらく口籠もってしまうと、河合くんが席から立ち上がる。
「邪魔してすいませんでした
俺帰るんで」
「ちょっと待って!
一個だけ訂正したいことがある!」
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