好きな人の好きな人

ぽぽ

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自宅から実家はそれほど遠くない。5駅ほど先にある家のため、いつでも帰ろうと思えば帰れる距離だが、近すぎると逆にいつでも会えるからいいやと後回しになってしまい、しばらく実家には帰っていなかった。


「ただいま~
きゃー、ロディ久しぶり」


家に帰ると愛犬であるダックスフンドのロディが尻尾を千切れんばかりに振りながらリビングから駆け寄って出迎えてくれる。

しゃがむと太ももあたりに短い両足をちょこんと乗せて、菫の顔をぺろぺろと舐めて熱烈な歓迎をした。
その後に続いてリビングの扉からエプロン姿の母が菜箸を片手に玄関を覗く。


「あら、おかえり
案外すぐ帰ってきたのね」

「だってママがご飯取りにこいっていうから」

「せっかく作ってあげたのに何その言い草
別にあげなくてもいいんだからね」

「ごめんなさい~」


言葉の語尾を伸ばして、適当に謝っておく。
リビングに向かうと、ロディも黒い尻尾を振りながら菫の後についていく。
リビングの中に入ると、香ばしい食欲をそそるような匂いがした。


「なんか美味しそうな匂いする!」

「今日は生姜焼き
菫好きでしょ?」

「え?ほんと!嬉しい!!
ママの生姜焼き大好き」


最近朔とのことを考え込みすぎて、食欲が湧かずあまり食事をとっていなかったのに、実家にいる安心感からなのか母の手料理を食べると思った途端に食欲が湧いて腹がグーと悲鳴をあげる。


「じゃあ、お父さん今日遅くなるっていってたから先に食べちゃおうか」

「やった!生姜焼き楽しみ」


洗面所で手を洗った後、戻ってくるとテーブルの上に母の生姜焼きと真っ白に光り輝く白米、湯気の立ち上ったわかめと豆腐の味噌汁。ほうれん草のおひたし等が並ぶ。


「いただきます!」

「はい、どうぞ」


こんなにしっかりとバランスの取れた食事は久しぶりだ。自分で自炊もすることも少なくスーパーの惣菜等で済ませることが多い。

大体の食事はバランスが偏っているため母の作る食事にありがたみを感じた。

あっという間に食事を食べ終わり、母が近所の人からいただいたというケーキが出されてそれも胃袋の中に収めた。

パンパンに膨らんだ腹を手のひらで撫でていると、ロディがピョンと軽快なジャンプをし、隣に体を伏せて、自分の腹も撫でろと仰向けで寝転がる。
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