女子高生が、納屋から発掘したR32に乗る話

エクシモ爺

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夏は休み

博識と日本

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 これが4代目だね。
 4代目は、歴代最多販売台数を誇ってるんだって。67万台って、結構な台数だね。最高で月平均15,000台売ってたらしいよ。

 この4代目は、先代に引き続き、CMプロモーションが上手くて、車に限らず、日本の宣伝史に残るプロモーションキャンペーンなんだって。
 日本人のケンと、外国人のメリーのカップルが、日本中を旅するイメージの広告展開で、キャッチコピーは『ケンとメリーのスカイライン』って、いうそうだよ。
 ちなみに、当初の企画段階では『ジョンとメリーのスカイライン』だったらしいけど、両方とも外人だと感情移入しづらいから、片方を親しみやすい日本人名にしたんだって。

 CM曲も、このために作った『ケンとメリー~愛と風のように~』という曲が使われて、車に限らず、相合傘の描かれた、ケンとメリーTシャツやキャップといった、グッズ類も売れに売れたんだって。

 だから、この4代目の愛称はケンメリって、言うんだって、もし、当初の企画通りにいってたら、ジョンメリになったのかな?
 え? なに柚月、補足だって? 当時の暴走族の間で、4ドアモデルのケンメリの事を『ヨンメリ』と呼んでたんだって? へぇー、言い得て妙だね。

 でもって、この頃になるとオイルショックだとか、排気ガスによる公害とかがクローズアップされて、車は社会悪みたいな風潮があったんだって。
 そのせいもあって、GT-Rも出たけど、最初からレースに出る予定もなく、エンジンの在庫を使い切って197台で生産が終了してしまったそうだよ。

 ボディは先代と同様にセダンと2ドアハードトップ、バンとワゴンで、2ドアやバン、ワゴンの後方からのデザインはダイナミックだったんだけど、重そうな印象と後方視界の悪さが、半端なかったらしいよ。
 私個人的に、ケンメリの2ドアはちょっとパスかな……重ったるくて、なんかアメリカ車みたいな感じが、ちょっとスカイラインのイメージとズレるって言うか、何というか……。

 この、なんとかラリーって書いてあるセダンは、4気筒の1800cc車なんだね。当時、ラリー派は、軽快な4気筒車を好んで使ったらしいよ。
 ちなみに、4気筒エンジンは、1500ccが廃止されて、1600ccと1800ccになって、後半になると、排気ガス規制の煽りで、4気筒エンジンまでもが、プリンス製から日産製に切り替わるんだって。
 2ドアの4気筒車は、GTと同じ丸4灯テールなんだけど、4ドアの4気筒車は、全然デザインの違うものになるんだってさ。

 お、悠梨が来たね。
 え? 結衣と優子が、立ち話はじめて、内容が意味不明だから、こっちに来たって?
 元々、優子とこういうところに来ちゃいけないんだよ。優子ったら、素人には理解不能なスーパーカルト知識を全開にするからさ。
 優子の話について行ける変態さんは、そうそういないからね。

 さて、5代目だね。
 4代目が排気ガス規制の対策で、ほぼ5年作ったおかげで、1年遅れで登場になったんだけど、5代目のキャッチコピーは、日本の風土が生んだ名車という事で『スカイライン・ジャパン』だそうだよ。
 なので、5代目の愛称は『ジャパン』が一般的なんだって。

 この5代目も、かなり売れた代で、約54万台だそうだよ。
 4代目の67万台には及ばないけど、4代目は5年作っていて、5代目は4年だから、当時の月平均の販売台数を、差になった期間に掛けると、同じか、少しジャパンが多いくらいの数になるから、たらればの話をすれば、ジャパンの方が……って、考え方もできるくらい売れていたんだよね。

 この5代目は、排気ガス規制とオイルショックの影響を受けて、先代同様、豪華さと、ちょっぴりのスポーティさを売りにしていって、先代の人気を、そのままそっくり引き継いだんだって。
 エンジンは、先代からの引継ぎで、GT-Rは、ケンメリ以降、R32まで登場しないから、当然無しなので、メカ的なトピックはほとんど無しで、ボディの刷新と、CM展開の巧みさで売ったんだって。

 ちなみに、CMも、ケンメリをほぼ引き継ぐ形で、カップルとスカイラインのコラボ……みたいな感じのものだったんだって。
 先代のケンとメリーの相合傘Tシャツに引き続き、Mr&MsのTシャツがバカ売れしたんだって。ちなみに、男性役は今のマイケル富岡が務めたそうだよ。

 この代では、GTの陰に隠れて廉価版扱いされる4気筒シリーズの再興を目指して、6気筒のGTに対して、4気筒はTIシリーズとしたのが特徴なんだって。
 TIってのは、ツーリング・インターナショナルの略で、国境を超えるような、ロングツーリングを快適にこなす高性能って意味らしい。よく、BMWが、好んで使うシリーズ名らしいよ。
 なので、TIにもホットモデルのTI-ESなんてのが用意されたらしいんだけど、やっぱり、テールランプがさ、丸4灯にならないで、田んぼの田みたいなデザインだから、やっぱりイマイチだったらしいよ。
 やっぱり、外観で差別されちゃうと、きついよね。

 そして、この代から始まったのが、水平ゼロ指針メーターなんだって。
 これは、R32やR33にも継続されてたよね。スピードとタコメーターのゼロの位置が水平の位置から始まって、一番使う領域が真上に来るようになっているメーターだね。

 この5代目は、かなり売れていて、貢献度は高いにもかかわらず、スカイラインの歴史の中では、あまり触れられない、不遇の代なんだよね。
 だって、ここにも1台、後期型2ドアがあるだけだしね。

 更に言えば、同じ年にモデルチェンジしたトヨタの2代目セリカに、勝手にライバル視された挙句、GT-Rが廃止されて、DOHCが無いことを揶揄されて『名ばかりのGTたちは、道をあける』っていうCMコピーを打たれて、未だにそのネタで、セリカが売れたみたいなウソの歴史観を植え付けられそうになってるしね。
 ここでハッキリ言っておくけど、このCMを打った2代目セリカは、偉大な初代のプレッシャーに押し潰されて、間延びした外観が嫌われて、当初から不評のまま、1度も浮かび上がることなく終了してるから。
 よくある『物が売れずに、CMコピーだけが1人歩きしている』っていうパターンだよ。

 そして、好調を維持したまま、5代目はマイナーチェンジするんだけど、ここでGTのライトが丸目4灯から角目2灯に変更になって、翌月に、ケンメリの後半から消えていたワゴンが復活したんだって、そして、マイナーチェンジから9ヶ月後に、隠し玉のターボエンジン搭載車が登場したんだって。

 ちなみに、ターボ車が遅れた裏には経緯があって、当時、運輸省は高性能となるターボエンジンの認可には二の足を踏んでいたんだけど、日産は、国産車初のターボエンジンの認可を取るために、高性能をイメージさせるスカイラインやフェアレディZでは認可が下りないから、高級車であるセドリック/グロリアで挑んで、尚且つ

 『ターボは、排気ガスという、捨ててしまうエネルギーを使って、動力に替えているので省エネなんです』

 という理論で、更に、ギア比を高めにして燃費をノンターボ車より良くしたデータを提出して認可を取ったので、スカイラインに、すぐに搭載する訳にいかなかった……という事があったらしいよ。
 ちなみに、日産の中でもセドリック/グロリア、ブルーバードに次いでの3番目だったらしいから。
 但し、スカイラインに搭載する際には、お初が1つあって、それは、初のターボ車のAT仕様がラインナップされてたんだって。

 それから2ヶ月後には、2800ccの6気筒ディーゼルエンジンを搭載した、280D GTと、4気筒のTIの2000cc版という、とっても驚きのトンデモ仕様が出てきたんだよ。
 この280D GTは、当時の国産ディーゼル車としては最速を誇った俊足ディーゼルで、スカイライン以外の日産のディーゼル車で、GTを名乗ったのは、2008年に登場した173馬力を誇る、2代目エクストレイルのクリーンディーゼルのみなんだって。

 そして、TIの2000cc版は、GTと同じ4輪独立懸架の足回りを持ちながら、ショートホイールベースで取り回しも良い上に、軽量で、GTの130馬力に対して、120馬力を誇る俊足で、当時本当の通に、ベストスカイラインは、TIの2000ccと言わしめた隠れた名車だったらしいよ。

 え? 2人ともどうしたの? 私の博識ぶりに声も出ない?
 ふふふ、ここに来た時に、アンタらの度肝を抜いてやろうと、夏休みに入ってから、スカイラインの歴史をチョロッと、勉強してみたのさ。
 どうだ、参ったか? なんなら、私の靴を舐めてもいいよ。
 

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