女子高生が、納屋から発掘したR32に乗る話

エクシモ爺

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夏は休み

ハロー、新しい男

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 私の博識ぶりが分かったところで6代目だね。
 3代目がC10型、4代目がC110型、5代目がC210型、という型式だったんだけど、R30型の型式になったんだ。
 当時の日産では、型式の下二桁が10系だと、小型車扱いで、サニーやブルーバードと同じ扱いになるんだけど、下二桁が30系の型式になると、中・大型車のカテゴリに入るため、ここから、メーカーのスカイラインに対する立ち位置の変化があったものと考えられるんだって。

 参考までに当時の日産の主力車種は、セドリック/グロリアは430型、ローレルはC31型、ブルーバードは910型、サニーはB11型……と、この型式の法則が当てはまっている事がよく分かるね。

 このR30型の特徴は、ボディタイプの充実ぶりと、遅れて登場するRS系だよね。
 ちなみに、このR30型には『新・愛のスカイライン』というサブコピーも存在するように、3代目の路線を多分に意識したものになっているよ。
 代を重ねるごとに大型化するボディを、僅か5ミリほど全長を切り詰めて……とは言っても、全幅は4センチ広がってるけどね……小型化を図り、デザインが直線基調になったのが特徴だね。

 ボディはセダンとハードトップ、後に加わるバンで、ワゴンは消えたんだけど、代わりに、スカイラインでは初めての5ドアハッチバックが加わったんだって。
 スカイラインに5ドアだよ、凄くない? そして、この5ドアには、国産車で初めて、スペースセーバータイプのテンパータイヤが搭載されたんだって。

 当時の国産車のスペアタイヤって、標準と同じサイズのタイヤとホイールが、1本入っていて、大抵は、トランクの端に立てて収納されたんだけど、この5ドアは、今の車と同じ、薄型のスペアタイヤを、床下に寝せて収納したんだって。

 そして、6代目の特徴として、4気筒を積むTIやバンと、GT系のボディが共通になった事が挙げられるよ。
 2代目でGTを誕生させた時に、4気筒車のボディを無理やり伸ばした名残で、以降のスカイラインも4気筒車の先端と、ホイールベースは短いままだったんだ。

 これは、あくまでスカイラインは4気筒車が標準で、GTはエボリューション・バージョンって、出自によるところを守ってたんだけど、ボディ共通化によるコスト削減を狙っての事だと思うけど、共通化されたよ。
 ちなみに当時、メーカー側では『4気筒車のユーザーが、劣等感を抱かないように』と、説明していたらしいけど、テールランプが違うんだから、劣等感は変わらないよね。

 そして、6代目最大のトピックは、RS系だね。
 3か月遅れで登場したRSは、GT-R以来途絶えていた4バルブDOHCエンジンの2000ccだけど、当時の苦しい事情で、6気筒ではなく、4気筒だったんだ。

 当時、6気筒のDOHCエンジンの開発に、社内でOKが出なかったので、売れていた3代目シルビア、6代目ブルーバードに目をつけ、『シルビア、ブルーバードにも積める4気筒DOHCエンジン』と、プレゼンをして了承を取るという奇策に打って出たために、4気筒で、更に、コストを抑えるために、エンジンの骨格を、使い古されたセドリックの商用車用と共通にしたため、頑丈で重いエンジンに仕上がったそうだよ。
 
 だから、発売前から『GT-Rの復活』とスクープされ、販売からも『GT-Rとして発売してくれ』と言われ続けたにもかかわらず、GT-Rの名は与えず、『レーシング・スポーツ』という意味でRSと名付けたんだって。

 ちなみに、ジャパン時代に散々CMで揶揄された、トヨタのDOHCが、2バルブなのを揶揄して今度は
 『4バルブなくして、DOHCは語れない』
 というキャッチコピーで売り出したんだって。

 ただ、販売に関しては、抑揚のなくなったボディラインや、シンプルなインテリア、ボディのサイズダウンが嫌われたのか、下降線をたどり始めるんだって。
 主力にしたいGT系では、古いエンジンやメカニズム、豪華さのない内外装が顧客を遠ざけて、ケンメリやジャパンに乗ったユーザーが、トヨタのマークIIや、新たな姉妹車のクレスタに流出、目玉のRSも150馬力のハイパワーが、直後にトヨタが出した2000cc6気筒の4バルブDOHCや、同じくトヨタの出した4気筒、1800ccのDOHCターボなどの登場により一気に陳腐化。
 6代目は、裏をかかれて、しばらく精彩を欠いた状態になるんだって。

 RS登場後の1年4ヶ月後、遂に190馬力を誇るRSターボが登場。トヨタソアラの2800ccDOHCエンジンの170馬力を超える最強パワーで『史上最強のスカイライン』のキャッチコピーと共に、長らく精彩を欠いていたスカイラインのイメージを爆上げしたんだって、そしてその時、ハコスカ以来のレースへの復帰を果たしたんだって。
 半年後にマイナーチェンジするんだけど、その時にRSの顔が変わって、鉄仮面になって、その半年後には、RSターボにインタークーラー付きが追加されて、RSは150馬力から、190馬力と来て、最終的に205馬力にまで昇華したんだって。しかも、インタークーラー付きには、なんとオートマも追加されたんだって、凄くない?

 ここにあるのは、鉄仮面のレースカーと、後期GT-ESターボの限定車『ポールニューマン・バージョン』だね。
 6代目は、レース活動に積極的だった、アメリカ人俳優のポールニューマンが、シリーズを通じてイメージキャラクターを務めて、その名も『ニューマン・スカイライン』とも呼ばれているんだって。

 ちなみに、この頃の日産は、著名な外国人とのコラボが好きで、グロリアには『ジャックニクラウス・バージョン』が、ローレルには『ジバンシィ・バージョン』が、存在したんだよ。

 どう? 柚月、悠梨。
 私のあまりの細部にわたる知識の質と量に、思わず土下座したくなっちゃったんじゃない?
 良いよ、ここでしても、そして、これからは毎日、学校で私に謁見するたびに、ひれ伏しなさぁい。

 「誰が、そんなことするかぁ~、どうせ、タブレット隠し持って、今、調べたんだろぉ!」

 そんな、柚月みたいなインチキするかぁ!
 この野郎! そうやって、いつもいつも、私に反抗しやがってぇ……こんな所で暴れるんじゃなぁい! 貴重な展示車に傷がついたらどうするんだよぉ……。

 「ユズ~。これからは、私と一緒に回ろうかぁ~」
 「ヤダよ~!」

 良かった、柚月が暴れ出した時はどうなるかと思ったけど、優子が連れて行ってくれたよ。
 プププッ、柚月、お気の毒様。これから優子と一緒に、眠くなること請け合いの、スーパーカルト知識の数々を教示して貰いなさぁい。

 優子に、背後から襟首を掴まれながら、元、来た方へと去って行く柚月に手を振りながら見送ってると、背後から悠梨が言った。

 「今までのマイの話も、優子のと同レベルのもんだったぞ」

 なんだと!

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