女子高生が、納屋から発掘したR32に乗る話

エクシモ爺

文字の大きさ
244 / 296
冬は総括

洗濯とアンコ

しおりを挟む
 座面と背面が決まったところで、今度は出来れば表面の布も変えられれば換えたいよね。
 あんな色が薄くなるまでしょっちゅう洗濯してたのか、若しくは何か薬剤かけてああなっちゃったのかは分からないんだけど、色が薄いのはちょっとカッコ悪いからね。

 表面の布は、破れちゃってるのは論外だからパス、そして煙草の焦げ穴のある捩じれちゃってるシートもパスとなると、消去法で、ダイヤルとかの小物が無くなってるものだね。

 こっちのシートからは、レバーが取れないからさ、レバーは結衣が今バラしてる方……ってあっちは煙草臭いのか。

 「樹脂だから臭いは洗えば大丈夫だと思うよ」

 そっか、じゃぁサクッと外しちゃおうか。
 この前倒しレバーは、前にネットで調べた時に、内装外しとかでこじれば外れるって書いてあったんだよね。
 ただ、中に外れ防止の金具があるから、それを失くさないようにしないと、気が付いたらレバーが落ちて無くなっちゃうんだって。
 きっと、結衣のシートを使ってた人は、洗濯で表面外した時に、その金具を失くしちゃったんだよね。

 よし、じゃぁ、私は右側外すから、燈梨は左側外してもらって良い?
 こういうのは力任せにやるんじゃなくて、少しずつこじるように動かしながらやってあげれば……ホラ、外れたぞ。

 金具の確認……と、あったね。ふむふむ、この金具はレバーのノブの中に組み入れてあるのがデフォなんだね。……よし、念のため画像をと。
 なんかさ、私のスマホのフォトの中身の半分くらいが、作業時の忘備録的な画像になってるんだけどさ、マジ勘弁だよ……。

 「じゃぁ、消せばいいじゃん~」

 あ、役立たずの柚月め、今更来たって柚月に割り振る作業なんてないぞ。
 大体、消すのが面倒だから、ここまでになってるんだろーが。

 「マイの作業なんか、手伝ってるほどヒマじゃないもん~」

 大体、私を呼び出しておきながら、作業を手伝う暇がないって、どういう事だよ。
 あ、柚月め、また逃げやがったぞ! 待てー!
 
 「マイちゃん、放っといて、こっちの作業はじめようよ」

 そうだね燈梨。
 なんか、燈梨の私の呼び方が変わったのは気のせいかな?
 
 結衣の作業の様子を見てると、スマホでバラした人のHP見ながら布地をサクサク外していってるね。

 「マイ、シートって案外汚いのなー」

 今さら何言ってるんだよ結衣、そんなの当然じゃん。
 乗るたびに直に触れてる部分で、しかもそれ相応の年数を経た中古品なんだからさ、綺麗だって思う方が無理があるよ。
 それは、結衣が着てる服を洗濯しないのと同じで、考えられない事だよ。

 「でもって、服と違って毎回洗ったりできないだろー」

 それはそうだけどね、だから、こういう機会があった時に徹底してクリーニングしておくのが良いんだぞ。
 結衣はせっかちだからさ、すぐにでも付けたいんだろうけどさ。

 「これだけの大きな布を、どうやって丸洗いするんだ?」

 これだけ汚いから、手洗いが良いんだと思うよ、どこが汚れてるのかも目視できるしね。ただ、これだけ古い布だから、最初に洗濯機にかけて、その後で気になる部分を手洗いで……っていうくらいが、念が入っていていいよね。

 「私も、そう思うよ」

 さすが燈梨。
 燈梨は1人暮らしだから、いつも洗濯してるしね。それに、燈梨の着てるものって、いつも綺麗だもんね。

 え? 燈梨は北海道にいる頃から、洗濯なんかも結構自分でやってたんだって? それに、コンさんのところで暮らすようになってからは、コンさんの分までやってたってぇ~!
 くそぅ! コンさんめぇ~、私の燈梨に洗濯までさせてたなんて……ってことは、燈梨がコンさんのパンツを……くぅ~、許すまじぃ~! こうなったら、コンさんの寝込みを襲って、通信教育で会得した波動拳で一思いに……。

 「どうしたの、マイちゃん」

 え? いやいや、何でもないよ。
 それより、結衣のシートの部品はこれでほぼ調達できたね。
 あとは組み上げなんだけど、レールのボルトもまだだし、表面を洗濯もしたくなっただろうから、今日のところは、これで完了かな。

 さて、柚月が何を隠してるのか、気にはなるけど、せっかく燈梨がいるんだから、燈梨の用事をやっちゃおう。
 
 燈梨は、何を探しに来たの?

 「私も、シートをね」

 燈梨のシルビアのシートも換えるの?
 予算の関係もあるから、今は考えてないって? 今日は部車のチェイサーのシートだって?
 あぁ、さっきななみん達からも相談受けてたんだけど、使ってる場所が未舗装で、結構埃っぽい場所だから、新品とか、極上品の必要はないよね。
 
 それに、あそこの中だけで使う車だし、フルバケでも良いんじゃないかって気もするし。
 まぁ、手っ取り早くって言うなら、人数もいるから人海戦術で、シートのアンコ抜きって手もあるけどね。

 「なに? アンコ抜きって」

 シートの表面を1度剥いで、座面のクッションを適度に抜くっていう技だよ。昔、シート交換なんてヘビー級の大改造とされていた時代には結構やってた人がいたらしいよ。

 燈梨とマークII系の解体車を探してみたけど、もう、マークIIも最後の型が出てから20年も経ってると、なかなか希望通りのものが無くて、ほとんどが2000ccのグランデ系で、これじゃ、元のシートと同じって感じになっちゃうんだよね。

 1台だけ、ツアラーSの解体車があったんだけど、明らかな血しぶきだらけだったので、さすがに遠慮したよ。
 おじさんは

 「あぁ~、大丈夫だよ。居眠りで、ちょっと祠にぶつかっただけだから。本人も、すっかり全快して、今はフィットに乗ってるからね~」

 って、言ってたけど、そういう問題じゃないからさ。
 そして、祠って言われてピンと来たぞ。結衣の家の近くの農道沿いにあった祠が、何ヶ月か前から傾いてると思ったら、このマークIIがぶつかったのか。

 これは、気長に解体車が出るのを待つしかないかな……。

 「そうだね……」

 でもさ、マークII系なんて、ちょっと昔までは物凄くメジャーだったから、きっとすぐに出てくるよ。

 「そんなに多かったんだ」

 うん、私らだと、無くなった後の生まれだから実感ないけどさ、芙美香……いや、お母さんの世代だと『石を投げればマークIIに当たる』ってくらい、溢れかえってたらしいよ。

 「そうなんだ」

 うん、そうなんだよぉ。
 一応、社外品のシートも探してみたけど、おじさん曰く、今は程度の良いシートが少ないので、入庫したら連絡するって言われちゃったよ。

 燈梨と歩きながら、色々と取り留めなく考えてみたんだ。
 ぶっちゃけ、あのチェイサーのシートなんて、程度度外視で破れてるところに継ぎでも当てて使ってもいいレベルなんだよなぁ……。
 形だけしっかりして、ダイレクト感の増すシート……なんか、ちょっとボロくても……。

 あっ!!
 
 「どうしたの!?」

 燈梨、あったよ! 良いシートがさ。

 「え!? どこに?」

 ここだよ!
 そこに戻ると、作業を終えた結衣の脇に放置された3脚のシートがあった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話

頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。 綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。 だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。 中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。 とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。 高嶺の花。 そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。 だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。 しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。 それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。 他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。 存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。 両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。 拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。 そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。 それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。 イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。 付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。

処理中です...