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冬は総括
洗濯とアンコ
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座面と背面が決まったところで、今度は出来れば表面の布も変えられれば換えたいよね。
あんな色が薄くなるまでしょっちゅう洗濯してたのか、若しくは何か薬剤かけてああなっちゃったのかは分からないんだけど、色が薄いのはちょっとカッコ悪いからね。
表面の布は、破れちゃってるのは論外だからパス、そして煙草の焦げ穴のある捩じれちゃってるシートもパスとなると、消去法で、ダイヤルとかの小物が無くなってるものだね。
こっちのシートからは、レバーが取れないからさ、レバーは結衣が今バラしてる方……ってあっちは煙草臭いのか。
「樹脂だから臭いは洗えば大丈夫だと思うよ」
そっか、じゃぁサクッと外しちゃおうか。
この前倒しレバーは、前にネットで調べた時に、内装外しとかでこじれば外れるって書いてあったんだよね。
ただ、中に外れ防止の金具があるから、それを失くさないようにしないと、気が付いたらレバーが落ちて無くなっちゃうんだって。
きっと、結衣のシートを使ってた人は、洗濯で表面外した時に、その金具を失くしちゃったんだよね。
よし、じゃぁ、私は右側外すから、燈梨は左側外してもらって良い?
こういうのは力任せにやるんじゃなくて、少しずつこじるように動かしながらやってあげれば……ホラ、外れたぞ。
金具の確認……と、あったね。ふむふむ、この金具はレバーのノブの中に組み入れてあるのがデフォなんだね。……よし、念のため画像をと。
なんかさ、私のスマホのフォトの中身の半分くらいが、作業時の忘備録的な画像になってるんだけどさ、マジ勘弁だよ……。
「じゃぁ、消せばいいじゃん~」
あ、役立たずの柚月め、今更来たって柚月に割り振る作業なんてないぞ。
大体、消すのが面倒だから、ここまでになってるんだろーが。
「マイの作業なんか、手伝ってるほどヒマじゃないもん~」
大体、私を呼び出しておきながら、作業を手伝う暇がないって、どういう事だよ。
あ、柚月め、また逃げやがったぞ! 待てー!
「マイちゃん、放っといて、こっちの作業はじめようよ」
そうだね燈梨。
なんか、燈梨の私の呼び方が変わったのは気のせいかな?
結衣の作業の様子を見てると、スマホでバラした人のHP見ながら布地をサクサク外していってるね。
「マイ、シートって案外汚いのなー」
今さら何言ってるんだよ結衣、そんなの当然じゃん。
乗るたびに直に触れてる部分で、しかもそれ相応の年数を経た中古品なんだからさ、綺麗だって思う方が無理があるよ。
それは、結衣が着てる服を洗濯しないのと同じで、考えられない事だよ。
「でもって、服と違って毎回洗ったりできないだろー」
それはそうだけどね、だから、こういう機会があった時に徹底してクリーニングしておくのが良いんだぞ。
結衣はせっかちだからさ、すぐにでも付けたいんだろうけどさ。
「これだけの大きな布を、どうやって丸洗いするんだ?」
これだけ汚いから、手洗いが良いんだと思うよ、どこが汚れてるのかも目視できるしね。ただ、これだけ古い布だから、最初に洗濯機にかけて、その後で気になる部分を手洗いで……っていうくらいが、念が入っていていいよね。
「私も、そう思うよ」
さすが燈梨。
燈梨は1人暮らしだから、いつも洗濯してるしね。それに、燈梨の着てるものって、いつも綺麗だもんね。
え? 燈梨は北海道にいる頃から、洗濯なんかも結構自分でやってたんだって? それに、コンさんのところで暮らすようになってからは、コンさんの分までやってたってぇ~!
くそぅ! コンさんめぇ~、私の燈梨に洗濯までさせてたなんて……ってことは、燈梨がコンさんのパンツを……くぅ~、許すまじぃ~! こうなったら、コンさんの寝込みを襲って、通信教育で会得した波動拳で一思いに……。
「どうしたの、マイちゃん」
え? いやいや、何でもないよ。
それより、結衣のシートの部品はこれでほぼ調達できたね。
あとは組み上げなんだけど、レールのボルトもまだだし、表面を洗濯もしたくなっただろうから、今日のところは、これで完了かな。
さて、柚月が何を隠してるのか、気にはなるけど、せっかく燈梨がいるんだから、燈梨の用事をやっちゃおう。
燈梨は、何を探しに来たの?
「私も、シートをね」
燈梨のシルビアのシートも換えるの?
予算の関係もあるから、今は考えてないって? 今日は部車のチェイサーのシートだって?
あぁ、さっきななみん達からも相談受けてたんだけど、使ってる場所が未舗装で、結構埃っぽい場所だから、新品とか、極上品の必要はないよね。
それに、あそこの中だけで使う車だし、フルバケでも良いんじゃないかって気もするし。
まぁ、手っ取り早くって言うなら、人数もいるから人海戦術で、シートのアンコ抜きって手もあるけどね。
「なに? アンコ抜きって」
シートの表面を1度剥いで、座面のクッションを適度に抜くっていう技だよ。昔、シート交換なんてヘビー級の大改造とされていた時代には結構やってた人がいたらしいよ。
燈梨とマークII系の解体車を探してみたけど、もう、マークIIも最後の型が出てから20年も経ってると、なかなか希望通りのものが無くて、ほとんどが2000ccのグランデ系で、これじゃ、元のシートと同じって感じになっちゃうんだよね。
1台だけ、ツアラーSの解体車があったんだけど、明らかな血しぶきだらけだったので、さすがに遠慮したよ。
おじさんは
「あぁ~、大丈夫だよ。居眠りで、ちょっと祠にぶつかっただけだから。本人も、すっかり全快して、今はフィットに乗ってるからね~」
って、言ってたけど、そういう問題じゃないからさ。
そして、祠って言われてピンと来たぞ。結衣の家の近くの農道沿いにあった祠が、何ヶ月か前から傾いてると思ったら、このマークIIがぶつかったのか。
これは、気長に解体車が出るのを待つしかないかな……。
「そうだね……」
でもさ、マークII系なんて、ちょっと昔までは物凄くメジャーだったから、きっとすぐに出てくるよ。
「そんなに多かったんだ」
うん、私らだと、無くなった後の生まれだから実感ないけどさ、芙美香……いや、お母さんの世代だと『石を投げればマークIIに当たる』ってくらい、溢れかえってたらしいよ。
「そうなんだ」
うん、そうなんだよぉ。
一応、社外品のシートも探してみたけど、おじさん曰く、今は程度の良いシートが少ないので、入庫したら連絡するって言われちゃったよ。
燈梨と歩きながら、色々と取り留めなく考えてみたんだ。
ぶっちゃけ、あのチェイサーのシートなんて、程度度外視で破れてるところに継ぎでも当てて使ってもいいレベルなんだよなぁ……。
形だけしっかりして、ダイレクト感の増すシート……なんか、ちょっとボロくても……。
あっ!!
「どうしたの!?」
燈梨、あったよ! 良いシートがさ。
「え!? どこに?」
ここだよ!
そこに戻ると、作業を終えた結衣の脇に放置された3脚のシートがあった。
あんな色が薄くなるまでしょっちゅう洗濯してたのか、若しくは何か薬剤かけてああなっちゃったのかは分からないんだけど、色が薄いのはちょっとカッコ悪いからね。
表面の布は、破れちゃってるのは論外だからパス、そして煙草の焦げ穴のある捩じれちゃってるシートもパスとなると、消去法で、ダイヤルとかの小物が無くなってるものだね。
こっちのシートからは、レバーが取れないからさ、レバーは結衣が今バラしてる方……ってあっちは煙草臭いのか。
「樹脂だから臭いは洗えば大丈夫だと思うよ」
そっか、じゃぁサクッと外しちゃおうか。
この前倒しレバーは、前にネットで調べた時に、内装外しとかでこじれば外れるって書いてあったんだよね。
ただ、中に外れ防止の金具があるから、それを失くさないようにしないと、気が付いたらレバーが落ちて無くなっちゃうんだって。
きっと、結衣のシートを使ってた人は、洗濯で表面外した時に、その金具を失くしちゃったんだよね。
よし、じゃぁ、私は右側外すから、燈梨は左側外してもらって良い?
こういうのは力任せにやるんじゃなくて、少しずつこじるように動かしながらやってあげれば……ホラ、外れたぞ。
金具の確認……と、あったね。ふむふむ、この金具はレバーのノブの中に組み入れてあるのがデフォなんだね。……よし、念のため画像をと。
なんかさ、私のスマホのフォトの中身の半分くらいが、作業時の忘備録的な画像になってるんだけどさ、マジ勘弁だよ……。
「じゃぁ、消せばいいじゃん~」
あ、役立たずの柚月め、今更来たって柚月に割り振る作業なんてないぞ。
大体、消すのが面倒だから、ここまでになってるんだろーが。
「マイの作業なんか、手伝ってるほどヒマじゃないもん~」
大体、私を呼び出しておきながら、作業を手伝う暇がないって、どういう事だよ。
あ、柚月め、また逃げやがったぞ! 待てー!
「マイちゃん、放っといて、こっちの作業はじめようよ」
そうだね燈梨。
なんか、燈梨の私の呼び方が変わったのは気のせいかな?
結衣の作業の様子を見てると、スマホでバラした人のHP見ながら布地をサクサク外していってるね。
「マイ、シートって案外汚いのなー」
今さら何言ってるんだよ結衣、そんなの当然じゃん。
乗るたびに直に触れてる部分で、しかもそれ相応の年数を経た中古品なんだからさ、綺麗だって思う方が無理があるよ。
それは、結衣が着てる服を洗濯しないのと同じで、考えられない事だよ。
「でもって、服と違って毎回洗ったりできないだろー」
それはそうだけどね、だから、こういう機会があった時に徹底してクリーニングしておくのが良いんだぞ。
結衣はせっかちだからさ、すぐにでも付けたいんだろうけどさ。
「これだけの大きな布を、どうやって丸洗いするんだ?」
これだけ汚いから、手洗いが良いんだと思うよ、どこが汚れてるのかも目視できるしね。ただ、これだけ古い布だから、最初に洗濯機にかけて、その後で気になる部分を手洗いで……っていうくらいが、念が入っていていいよね。
「私も、そう思うよ」
さすが燈梨。
燈梨は1人暮らしだから、いつも洗濯してるしね。それに、燈梨の着てるものって、いつも綺麗だもんね。
え? 燈梨は北海道にいる頃から、洗濯なんかも結構自分でやってたんだって? それに、コンさんのところで暮らすようになってからは、コンさんの分までやってたってぇ~!
くそぅ! コンさんめぇ~、私の燈梨に洗濯までさせてたなんて……ってことは、燈梨がコンさんのパンツを……くぅ~、許すまじぃ~! こうなったら、コンさんの寝込みを襲って、通信教育で会得した波動拳で一思いに……。
「どうしたの、マイちゃん」
え? いやいや、何でもないよ。
それより、結衣のシートの部品はこれでほぼ調達できたね。
あとは組み上げなんだけど、レールのボルトもまだだし、表面を洗濯もしたくなっただろうから、今日のところは、これで完了かな。
さて、柚月が何を隠してるのか、気にはなるけど、せっかく燈梨がいるんだから、燈梨の用事をやっちゃおう。
燈梨は、何を探しに来たの?
「私も、シートをね」
燈梨のシルビアのシートも換えるの?
予算の関係もあるから、今は考えてないって? 今日は部車のチェイサーのシートだって?
あぁ、さっきななみん達からも相談受けてたんだけど、使ってる場所が未舗装で、結構埃っぽい場所だから、新品とか、極上品の必要はないよね。
それに、あそこの中だけで使う車だし、フルバケでも良いんじゃないかって気もするし。
まぁ、手っ取り早くって言うなら、人数もいるから人海戦術で、シートのアンコ抜きって手もあるけどね。
「なに? アンコ抜きって」
シートの表面を1度剥いで、座面のクッションを適度に抜くっていう技だよ。昔、シート交換なんてヘビー級の大改造とされていた時代には結構やってた人がいたらしいよ。
燈梨とマークII系の解体車を探してみたけど、もう、マークIIも最後の型が出てから20年も経ってると、なかなか希望通りのものが無くて、ほとんどが2000ccのグランデ系で、これじゃ、元のシートと同じって感じになっちゃうんだよね。
1台だけ、ツアラーSの解体車があったんだけど、明らかな血しぶきだらけだったので、さすがに遠慮したよ。
おじさんは
「あぁ~、大丈夫だよ。居眠りで、ちょっと祠にぶつかっただけだから。本人も、すっかり全快して、今はフィットに乗ってるからね~」
って、言ってたけど、そういう問題じゃないからさ。
そして、祠って言われてピンと来たぞ。結衣の家の近くの農道沿いにあった祠が、何ヶ月か前から傾いてると思ったら、このマークIIがぶつかったのか。
これは、気長に解体車が出るのを待つしかないかな……。
「そうだね……」
でもさ、マークII系なんて、ちょっと昔までは物凄くメジャーだったから、きっとすぐに出てくるよ。
「そんなに多かったんだ」
うん、私らだと、無くなった後の生まれだから実感ないけどさ、芙美香……いや、お母さんの世代だと『石を投げればマークIIに当たる』ってくらい、溢れかえってたらしいよ。
「そうなんだ」
うん、そうなんだよぉ。
一応、社外品のシートも探してみたけど、おじさん曰く、今は程度の良いシートが少ないので、入庫したら連絡するって言われちゃったよ。
燈梨と歩きながら、色々と取り留めなく考えてみたんだ。
ぶっちゃけ、あのチェイサーのシートなんて、程度度外視で破れてるところに継ぎでも当てて使ってもいいレベルなんだよなぁ……。
形だけしっかりして、ダイレクト感の増すシート……なんか、ちょっとボロくても……。
あっ!!
「どうしたの!?」
燈梨、あったよ! 良いシートがさ。
「え!? どこに?」
ここだよ!
そこに戻ると、作業を終えた結衣の脇に放置された3脚のシートがあった。
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