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七章(1)
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《7章 俺、あの子に再会する》
「う……これは酷い……!」
外に出た瞬間、変わり果てた街並みが目に入ってきた。短時間でここまで変わるなんて、どれだけ多くの魔物が来たのだろうと思ったら、次の瞬間、大量の魔物が押し寄せてきた。魔物は基本的に魔力の多い者に寄ってくる。倒して魔力を取り込み、自分の力にしようと企んでいるのだろう。俺たちに向かって魔物が一直線に向かってくるが、ガイアとレイヤはいとも簡単に倒す。辺りを見渡すと、戦いの衝撃で街の建物はさらにボロボロになっていた。ごめんなさいこの建物の持ち主さん。
「リア!結界を最大まで強化しておいた!負傷者が近くに居ないか探しに行ってくれ!」
「分かった!」
走りながら街を見てみるが、ほとんどの人がすぐに逃げたらしく、辺りはがらんとしていた。だが、物陰に隠れて震えている親子がいた。
「大丈夫ですか!?」
「……は、白髪……貴族様ですか!?どうかこの子を連れていってくれませんか!?そして早くお逃げください!」
そう言う女性の左足は膝から下が無く、血が溢れ、側で泣いている男の子と自身を赤く染めていた。
「やだあ!お母さんも一緒に逃げるの!」
「だめよ、私は逃げられないから。言うことを聞いて。」
わんわん泣く男の子を優しい口調で女性は嗜める。前世の俺なら頑張って2人とも連れて行こうとするだろう。でも、今の俺には最強の武器がある。
「大丈夫です、安心してください。僕が治します。……この方の足を、元通りにしてください」
女性の足を想像する。左足は、残っている右足と同じく、綺麗な足だろう。骨があり、血管がついて、そこに肉がつく。神経も想像して、今までのようにきちんと歩けるように。その様子を想像する。欠陥があってはいけないから、なるべく細かく。
リアの周りから溢れる光を、親子は呆然と見つめる。そして気がつけば、足が元通り綺麗にくっついていた。
「……!……信じられない、足が戻ってる……!貴方はもしや、ただの貴族様ではなく、『純白の聖者』様……!?」
「……貴女の怪我が治って良かった」
泣きそうになる女性と、安心したように笑う男の子を、ガイアの元に連れて行くと、ガイアは親子に結界を張った。城に着くと自動で解ける結界らしい。
「聖者様たちはお逃げにならないのですか?」
「僕たちはまだ戦えますし、それに他にも困っている方がいらっしゃるかもしれません。なのでまだ行けないのです。また機会があれば会いましょうね。無事に王城へ着けることを、願っています」
親子はお礼を言いながら、急いで王城を目指す。魔物が襲いかかろうとしても、結界が守っていた。それにしてもあんなに狙われるなんて女性は魔力が多いのかもしれない。
「リア、今から中央公園に向かうぞ」
中央公園は、教会の近くにある国1番の広い公園だ。地下に避難シェルターがあるらしいから、逃げた人がいるかも知れない。近づいてくる魔物を振り払い、倒しながら、俺たちは公園へと急いだ。
「う……これは酷い……!」
外に出た瞬間、変わり果てた街並みが目に入ってきた。短時間でここまで変わるなんて、どれだけ多くの魔物が来たのだろうと思ったら、次の瞬間、大量の魔物が押し寄せてきた。魔物は基本的に魔力の多い者に寄ってくる。倒して魔力を取り込み、自分の力にしようと企んでいるのだろう。俺たちに向かって魔物が一直線に向かってくるが、ガイアとレイヤはいとも簡単に倒す。辺りを見渡すと、戦いの衝撃で街の建物はさらにボロボロになっていた。ごめんなさいこの建物の持ち主さん。
「リア!結界を最大まで強化しておいた!負傷者が近くに居ないか探しに行ってくれ!」
「分かった!」
走りながら街を見てみるが、ほとんどの人がすぐに逃げたらしく、辺りはがらんとしていた。だが、物陰に隠れて震えている親子がいた。
「大丈夫ですか!?」
「……は、白髪……貴族様ですか!?どうかこの子を連れていってくれませんか!?そして早くお逃げください!」
そう言う女性の左足は膝から下が無く、血が溢れ、側で泣いている男の子と自身を赤く染めていた。
「やだあ!お母さんも一緒に逃げるの!」
「だめよ、私は逃げられないから。言うことを聞いて。」
わんわん泣く男の子を優しい口調で女性は嗜める。前世の俺なら頑張って2人とも連れて行こうとするだろう。でも、今の俺には最強の武器がある。
「大丈夫です、安心してください。僕が治します。……この方の足を、元通りにしてください」
女性の足を想像する。左足は、残っている右足と同じく、綺麗な足だろう。骨があり、血管がついて、そこに肉がつく。神経も想像して、今までのようにきちんと歩けるように。その様子を想像する。欠陥があってはいけないから、なるべく細かく。
リアの周りから溢れる光を、親子は呆然と見つめる。そして気がつけば、足が元通り綺麗にくっついていた。
「……!……信じられない、足が戻ってる……!貴方はもしや、ただの貴族様ではなく、『純白の聖者』様……!?」
「……貴女の怪我が治って良かった」
泣きそうになる女性と、安心したように笑う男の子を、ガイアの元に連れて行くと、ガイアは親子に結界を張った。城に着くと自動で解ける結界らしい。
「聖者様たちはお逃げにならないのですか?」
「僕たちはまだ戦えますし、それに他にも困っている方がいらっしゃるかもしれません。なのでまだ行けないのです。また機会があれば会いましょうね。無事に王城へ着けることを、願っています」
親子はお礼を言いながら、急いで王城を目指す。魔物が襲いかかろうとしても、結界が守っていた。それにしてもあんなに狙われるなんて女性は魔力が多いのかもしれない。
「リア、今から中央公園に向かうぞ」
中央公園は、教会の近くにある国1番の広い公園だ。地下に避難シェルターがあるらしいから、逃げた人がいるかも知れない。近づいてくる魔物を振り払い、倒しながら、俺たちは公園へと急いだ。
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