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74.トニトゥルス国編〔10〕*
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全ての事件が綺麗に片付いた。
民たちはそのまま各々笑顔で解散していった。レオは支援宣言をすると、さっさとソルム国へ戻ってしまった。
何と、この間あった時は教えてくれなかったのけど、もうすぐ結婚する予定らしい!
今はその準備で大変な時期だったみたい。
……お祝いとお礼を兼ねて、何か贈っておこう。そう心のメモに残しておく。
呆然としたままのシエオは、衛兵に連れて行かれた。
疲れ切った私たちも、ひとまずラクス様たちの所へ向かうことにした。
部屋へ向かったラクス様は、エステラとマノンが寝ている為身動きが出きず、ずっとヤキモキしていたようだ。
ボロボロの私たちが部屋に戻ると、血相を変えていた。
「ジルヴェール様! フィーリアス様! そのお姿は一体!?」
「ラスク、大丈夫だよ心配しないで……」
すぐにジルが事情を説明してくれたんだけど、青くなったままラクス様は固まってしまった。
「私はまた、ジルヴェール様をお守りすることが……」
「ラスク、ごめん……それに、これは自分でやった事だし……」
ジルが珍しく慌てている。まぁ、ラクス様の心配もわかるよ。ジルは自分には無頓着な所あるもんね。
「……ジルヴェール様……私の事を、もっと頼ってくださってもいいのです……貴方は自分の事を蔑ろにし過ぎです!」
「ラクス、ごめんよ本当……」
あぁ。優しいラクス様がついに怒ってしまった~。慌てふためくジルが可愛い。
でも優しいラクス様の怒りはそこまで持続しない。ラクス様はジルを抱きしめると、悲痛そうな声で訴える。
「……もう、決して、ご自分でご自分を傷付けるような事はなさらないで下さい……」
「ラクス……ごめん」
ジルも流石にラクス様に悪いと思ったのか、ラクス様を抱き返している。
……あぁ、男の子の友情ってなんて尊いのかしら~。
私はついついニマニマとしながら2人を見ていた。
「……そもそも、フィーリアス様が無茶をし過ぎです! 貴方はジルヴェール様の全てなのですよ!?」
あぅ。私に飛び火してしまいました。ごめんなさい、無鉄砲なのはそろそろ自覚します。
「……ラクス様、ごめんなさい……」
「ラクス、もういいよ。本当心配かけてごめん」
「はぁ……お二人は本当……とにかく、お二人とも血塗れですから、このままマノンが起きたら確実に失神していまいます。今日はもうゆっくりとお休みになられてください」
エステラとマノンの様子はラクス様が見てくれるらしく、私はジルの寝室へと一緒に行く。2人が起きたら、事情を説明してラクス様もジルの寝室の続き部屋に戻ってくるらしい。
部屋に行くと、侍女達が待機してくれていた。ジルも私も入浴を済ませ、さっぱりして寝室で落ち合う。
ジルも浴衣みたいな襦袢のような衣とズボンの夜着を着ていた。
何だか、旅館に来た気分でホワホワしてくる。
トニトゥルス国の王城は侍女が少ないと思っていたけど、質素倹約の一環だったらしい。部屋に戻ると、私とジルの2人きりになっている。
これはこれで、全然私的にはいい感じなんだけどね!
2人で質素だけど美味しい夕食を部屋で取った。何だかんだで昼食抜きなので、早い時間の夕食が美味しくて堪らない。私は久々にジルの膝の上で食事をした。ジルはその間ずっと私を抱きしめていた。私はそんなジルにせっせとご飯を食べさせる。
……だって、ジルってば私に食べさせるか、私を抱きしめるかしかしないんだもん!
お腹いっぱいになって、ちょっとウトウトしてきた。
「フィー、疲れたよね? ほら、ベッドに行こう」
相変わらず優しいジルは、そう言うと私を抱き抱えてベッドへ連れて行ってくれる。
「……フィー、ごめんね、疲れているのに……刺されたの、どこ? 見せて欲しい」
ジルが真剣は顔をするので、私もハッと一気に目が冴えた。
衣は胸下で帯で止めているため、合わせた衣をそっと捲るとお腹が見える。私はお風呂場でも自分で確認した左脇腹をそっとジルに見せた。
「……ここ?」
「うん。もう治ってるでしょう?」
ジルはそっと私の脇腹に触れる。傷跡も何も無いはずだけど、真剣な眼差しで手を這わせながら脇腹を見つめるジルを見て、何だか焦る。
寝転んで衣を広げているんだけど、脇腹を見せていると言うことは私の下半身はすっかり出ている。よく旅館で浴衣を着て寝るけど、朝起きたらはだけまくって凄いことになっている感じだ。
「……うん。確かに跡形もないね……」
はぁぁぁぁ、良かった~。これで傷跡が残っていたら、ジルはきっとこの部屋を破壊ぐらいはしていたかも知れない……
そう思っていたら、ジルの手がそのまま私のお尻へと這わされる。
「っひゃんっ! ちょ、ちょっとジル?」
「落ち着いたら、押し倒してもいいんでしょ?」
ジルがにっこりと笑顔でそう言ってくる。あ、あれ? なんか笑顔が黒い気がするよ?
「で、でも、隣にラクス様が戻ってくるし……!」
「ラクスは気が利くから、聞こえないフリしてくれるから大丈夫。なんなら耳栓してくれるよ」
えっ! 何その意思疎通!! そんな打ち合わせしているの!? てか、耳栓って、翌朝恥ずかしいのには変わりないんだけど!?
「でも、でも、でも……シーツが……バレちゃう……」
「汚れたシーツをそんなに見られたくないなら、僕がバラバラに切り刻むから大丈夫。あ、避妊薬ちゃんと持ってきてるから、心配しないでね」
……詰んだ……詰んだよこれ……ジル様が用意周到すぎる……てか、シーツ切り刻むのはやめよう。勿体無いから。
あ! それなら私の水魔法でびしょびしょにして、ジルの風魔法で乾かせばいいんじゃないの!?
……あれ? この作戦ってもしかして、完璧すぎる? もうどこでもジルから逃れられないよね?
ここに来て、まさかの閃き魔法アイデアに打ちのめされた。そうか、こんな使い方もあるのね……
「フィーは僕の事愛しているんでしょう? なら、その愛する僕がこうしてフィーを求めているんだから、愛する僕のささやかなお願いを聞いてくれてもいいでしょう?」
「っ~~! 分かった、分かったってば~!」
覚悟を決めた私は、むくりと起き上がるとジルの顔を覗き込んで、その頬を両手で包み込む。
「愛してる、ジル」
そう言って、私はジルの柔らかい唇へそっとキスをしたーーー
「フィー……フィーリアス……」
キスの合間にジルがそう囁くと、私はジルにすごい力で抱きしめられた。ギリギリ苦しくはないけど……いや、ちょっとだけ苦しい……
「ジ、ジル……?」
「僕は……僕は、フィーがいないこの世なんて、生きていけない……」
ジルは苦しそうにそう呟く。ちょっと苦しいのは我慢して、私もジルを抱きしめ返す。
暫くするとジルが腕を緩め、私の頬を撫でながら顔を覗き込む。
「……フィーはきっと、僕がいないても、生きてはいけると思うけど……」
ジルは泣き笑いのような顔をしながら、私の瞳を見つめそう呟いた。
……そうかな……そんな事ないと思うけど……
「そんな悲しい事言わないで。私はずっとジルと一緒に生きていくって決めてるんだから。ーーー絶対、ジルのこと離さないからね……」
私は改めてそう言うと、ジルをぎゅぅっと抱きしめた。私の力ではジルが苦しくなる程は抱きしめられないけど、精一杯の力でジルを抱きしめる。
「っフィーっ!」
ジルはもの凄い勢いで私をそのまま押し倒すと、貪るような口付けをしてくる。すぐに舌が割り入ってくるので、私もジルの舌に絡めるように自分の舌を動かす。
くちゅくちゅと舌を絡ませ合う淫靡な音が部屋に響き渡る。
「……ん……はぁ……」
「……フィー……愛してる……」
絡め合わせた舌を離す時、互いの唾液がつぅっと糸のように這わされる。
「この夜着、すごくいいよね……」
ジルはそう言うと、前を合わせている衣の部分から私の乳房をそっと取り出した。帯で止めてはいるけど、この夜着だと乳房がすぐにまろび出てくる。下半身はすでにはだけきっており、両脚がもろに出ている。すでに完全に浴衣で寝た時の寝起き状態だ。
「……んんっ!……はぁ……ぁ…」
ジルが夜着から溢れでる私の乳房をゆっくりと捏ね回していく。その気持ち良さから、喘ぐ声が漏れ出てしまう。
「凄く綺麗……フィー……」
そのまま、ジルが私の乳房に舌を這わせ、その先端を軽く口に含む。それだけの快楽で、私の身体はビクビクと反応してしまう。
「はぁっ! ……んんっ! ……ぁんっ!」
「可愛い……フィー……」
ジルは手の動きを止めないまま、私に口付けをしてくれる。ジルの指先が、私の乳首をこりこりと摘んだり乳房を捏ねくり回す度に、私はビクビクと身体を反応させる。自らを快楽に委ねるように、もっともっとと強請るように、絡み合うジルの舌を自分の舌を積極的に絡めていく。
「……はぁ……んん…ぁ……」
「……ん……フィー……やばい……目がもうトロンとしてるよ……可愛い……」
お互いの唾液でぐちゅぐちゅになりながらも、ジルの舌を求めて絡ませ続ける。
ジルは、私の乳房を捏ね回していた手を下肢に向け、そっと這わせていく。そのまま下着を脱がせると、私の秘所へ指を伸ばす。
私は自ら足を軽く開き、ジルの指を秘所へと導く。既に秘所がドロドロに溶けているのは分かっている。
ジルの指が膣口を軽く擦ると、そのまま膣内へと侵入していく。ドロドロに溶けたそこは、ジルの指を難なく咥え込む。
私の気持ちいい所を熟知しているジルの指が、膣壁のある場所を擦り続ける。
「……ふぅんっ!……んん……」
ジルと舌を絡ませ合いながら、ジルの指から齎される快楽で舌の動きに集中できなくなってくる。
ぐちゅんぐちゅんと、ジルの指が動くたびに卑猥な音が辺りに響き渡る。
気持ちのいい場所を擦り続けられて、私の腰は自然と動き出す。
「……ふぅっ……はぁ……んんんっ!……ぁ」
「……フィー、気持ちいい?」
「はぁっ!……んっ!……きもち、い……ぁっ!……」
ジルの指の動きが一層早くなって、私は高みへと追い詰められいく。
「……じ、る……もぅ、きちゃ……っ!」
「いいよ……フィー、気持ちよくなって……」
ジルが再び口付けをしてくれるので、私はジルを抱きしめながらその舌を貪るように絡める。舌からの快楽と、指からの快楽で、どんどん高みに上り詰めていく。
「……ふぅっんっ! ……じ、る……も……っ~~~っっ!!」
ジルをぎゅっと抱きしめたまま達した私は、蠢く膣壁がジルの指を何度も締め付けるのを感じた。
ジルを抱きしめていた腕を緩めると、達した影響で荒い息を吐く。
「……はぁ……はぁ……」
「フィー、可愛い……」
ジルが私のナカから指を抜くと、至る所に口付けをしてくる。
「……帰るまで時間があるから、大丈夫だよね?」
ジルはそう言うと、私の胸元や鎖骨の下の方に口付けをすると、痕が残るように吸い付いていく。
「……ぅんっ……ぁっ……」
達したばかりで敏感な身体は、ジルが吸い付くたびにビクビクと反応する。
「……本当は首筋にも残したいけど……流石にここはすぐに見えちゃうから……」
ウェントゥス国のイブニングドレスでは、デコルテラインへの痕は目立つので禁止している。でもトニトゥルス国の衣装は、デコルテ部分を出さない衣装だから、ジルはこの機会にたくさん痕を残したいのかもしれない。
……また、エステラに何か言われちゃうかなぁ。まぁ、大丈夫だよね。
「……ん。じる、首の後ろなら髪で隠せるから大丈夫だよ……」
「……っフィー! いいの?」
「ん。大丈夫だと思う……」
そのままジルは嬉々として、至る所に痕を残していった。その度に私の身体は気持ちよさを拾って、ビクビクと反応する。
ジルが凄く喜んでいるのが分かり、私も嬉しくなってくる。
私もジルに痕をつけたくてジルの夜着を全部脱いでもらうと、その胸元や肩なんかの色々な所に痕をつけた。ジルの金の瞳がトロンとする様は、色気が満載で凄くドキドキしたけど。
「はぁ……フィー……愛してる……」
「ジル……」
お互いに痕を付けまくった後、2人で抱きしめ合った。
ジルと身体が密着して、気持ちよくなる。私は辛うじて帯だけが残された状態だ。
「この乱れた感じが凄くいやらしくて、凄くいいよね……」
ジルが夜着からまろび出ている乳房を弄びながら、うっとりと呟く。
そのまま、また乳房にある先端を口に含まれ、私の身体はビクンと大きく反応する。
「……はぁっ! ……ん……じる……」
そのままジルは私の上に覆い被さると、両脚を思い切り割り開きジルの両肩へと乗せる。
「…じ、る……」
「挿れるよフィー……」
秘所を思いっきり開かれている羞恥心と、挿れられる期待で胸がドキドキする。
「……んんっ!……はぁ……あぁっ!」
ジルは予想と違って、ゆっくりと挿れていった。膣内はジルの肉棒をすんなりと受け入れていくけども、いつもよりもゆっくりと挿入ってくるその感触は、ジルの全てを余すことなく拾っていって、その快感から私の身体はビクビクと反応していく。
「……はぁっ……じ、る………んぁあっっ!」
「……っ!……フィー……気持ちいいっ?……」
「……んっ……い、いよっ……」
最奥に達したジルの肉棒を感じて、私の膣壁はきゅっと締まる。ジルの肉棒が穿つ圧が、もの凄く気持ちいい……
「……っんぁっ!!……はぁ……ぁあっ……!」
「…っく!……」
ジルが、更に私のナカ深くに挿入ってくる。ジルの肩に両脚を乗せているので、いつもよりも更に奥深くにジルの肉棒が当たって擦れる。
「……あ……あ……じる……」
挿入っているだけなのに、私は既に気持ち良すぎておかしくなりそうだった。
「フィー……動くよ……」
ジルはそう宣言すると、私の奥を激しく突き上げ始めた。
「っぁんっ! …ぁあんっ! …ぁっ!…」
私はあまりにもの快楽で、涙がじわじわと滲み出す。ジルの動きに合わせて喘ぐことしか出来ない。
「…っフィー!……はぁっ!」
ジルはどんどんどんどん、責め立てるように私の最奥を穿つ。私はもうその動きに翻弄されるしかなかった。
「……はぁんっ……ぁんっ……んんっ……も……だめ…じ、る……」
「…っフィーリアスっ……」
ジルが最奥を突き上げながら、激しい口付けをしてくる。私もジルに応えるように激しく舌を絡める。
お互いが擦り合わされる部分から、ぐちゅんぐちゅんと淫らな音がする。
余すことなく快楽を拾い、私の身体はまた絶頂へと上り詰めていく。
「はぁっ……んんっ…! ……じる、じる、あいしてるっ……」
「っフィー……! 愛してるっ、フィーリアスっ……!」
ジルの動きが一層早くなり、私はもうこれ以上はもちそうになかった。
「……はぁっ! ……ぁぁんっ!! じるっ!! っ~~~っっぁぁあっ!!!」
目の前が真っ白になるぐらいの快楽がきて、私は激しい絶頂に達した。
何度も何度もジルの肉棒をぎゅうぎゅうと締め付けて、私の身体はビクンビクンと達した余韻に蠢く。
ジルはそのまま私の最奥を突き上げると、その肉棒をビクビクと何度も蠢めせ、私のナカへと激しく吐精し果てた。
「……はぁ……はぁ……」
激しい快楽の影響で、既に意識が朦朧とし始めた。
「……フィー……」
ジルが私の頭や頬を撫でながら、蕩けるような笑顔で私の名前を呼んだ。
「じる……ちょっと休憩するね……」
私はそう言うと、意識を手放した。
その後、途中で意識を取り戻した私は、再びジルと繋がった。
ジルが満足していないのなんて分かっているから、起きた時に相手をしないとね。
ーーー愛する人の要望には、最大限応えないとね!
民たちはそのまま各々笑顔で解散していった。レオは支援宣言をすると、さっさとソルム国へ戻ってしまった。
何と、この間あった時は教えてくれなかったのけど、もうすぐ結婚する予定らしい!
今はその準備で大変な時期だったみたい。
……お祝いとお礼を兼ねて、何か贈っておこう。そう心のメモに残しておく。
呆然としたままのシエオは、衛兵に連れて行かれた。
疲れ切った私たちも、ひとまずラクス様たちの所へ向かうことにした。
部屋へ向かったラクス様は、エステラとマノンが寝ている為身動きが出きず、ずっとヤキモキしていたようだ。
ボロボロの私たちが部屋に戻ると、血相を変えていた。
「ジルヴェール様! フィーリアス様! そのお姿は一体!?」
「ラスク、大丈夫だよ心配しないで……」
すぐにジルが事情を説明してくれたんだけど、青くなったままラクス様は固まってしまった。
「私はまた、ジルヴェール様をお守りすることが……」
「ラスク、ごめん……それに、これは自分でやった事だし……」
ジルが珍しく慌てている。まぁ、ラクス様の心配もわかるよ。ジルは自分には無頓着な所あるもんね。
「……ジルヴェール様……私の事を、もっと頼ってくださってもいいのです……貴方は自分の事を蔑ろにし過ぎです!」
「ラクス、ごめんよ本当……」
あぁ。優しいラクス様がついに怒ってしまった~。慌てふためくジルが可愛い。
でも優しいラクス様の怒りはそこまで持続しない。ラクス様はジルを抱きしめると、悲痛そうな声で訴える。
「……もう、決して、ご自分でご自分を傷付けるような事はなさらないで下さい……」
「ラクス……ごめん」
ジルも流石にラクス様に悪いと思ったのか、ラクス様を抱き返している。
……あぁ、男の子の友情ってなんて尊いのかしら~。
私はついついニマニマとしながら2人を見ていた。
「……そもそも、フィーリアス様が無茶をし過ぎです! 貴方はジルヴェール様の全てなのですよ!?」
あぅ。私に飛び火してしまいました。ごめんなさい、無鉄砲なのはそろそろ自覚します。
「……ラクス様、ごめんなさい……」
「ラクス、もういいよ。本当心配かけてごめん」
「はぁ……お二人は本当……とにかく、お二人とも血塗れですから、このままマノンが起きたら確実に失神していまいます。今日はもうゆっくりとお休みになられてください」
エステラとマノンの様子はラクス様が見てくれるらしく、私はジルの寝室へと一緒に行く。2人が起きたら、事情を説明してラクス様もジルの寝室の続き部屋に戻ってくるらしい。
部屋に行くと、侍女達が待機してくれていた。ジルも私も入浴を済ませ、さっぱりして寝室で落ち合う。
ジルも浴衣みたいな襦袢のような衣とズボンの夜着を着ていた。
何だか、旅館に来た気分でホワホワしてくる。
トニトゥルス国の王城は侍女が少ないと思っていたけど、質素倹約の一環だったらしい。部屋に戻ると、私とジルの2人きりになっている。
これはこれで、全然私的にはいい感じなんだけどね!
2人で質素だけど美味しい夕食を部屋で取った。何だかんだで昼食抜きなので、早い時間の夕食が美味しくて堪らない。私は久々にジルの膝の上で食事をした。ジルはその間ずっと私を抱きしめていた。私はそんなジルにせっせとご飯を食べさせる。
……だって、ジルってば私に食べさせるか、私を抱きしめるかしかしないんだもん!
お腹いっぱいになって、ちょっとウトウトしてきた。
「フィー、疲れたよね? ほら、ベッドに行こう」
相変わらず優しいジルは、そう言うと私を抱き抱えてベッドへ連れて行ってくれる。
「……フィー、ごめんね、疲れているのに……刺されたの、どこ? 見せて欲しい」
ジルが真剣は顔をするので、私もハッと一気に目が冴えた。
衣は胸下で帯で止めているため、合わせた衣をそっと捲るとお腹が見える。私はお風呂場でも自分で確認した左脇腹をそっとジルに見せた。
「……ここ?」
「うん。もう治ってるでしょう?」
ジルはそっと私の脇腹に触れる。傷跡も何も無いはずだけど、真剣な眼差しで手を這わせながら脇腹を見つめるジルを見て、何だか焦る。
寝転んで衣を広げているんだけど、脇腹を見せていると言うことは私の下半身はすっかり出ている。よく旅館で浴衣を着て寝るけど、朝起きたらはだけまくって凄いことになっている感じだ。
「……うん。確かに跡形もないね……」
はぁぁぁぁ、良かった~。これで傷跡が残っていたら、ジルはきっとこの部屋を破壊ぐらいはしていたかも知れない……
そう思っていたら、ジルの手がそのまま私のお尻へと這わされる。
「っひゃんっ! ちょ、ちょっとジル?」
「落ち着いたら、押し倒してもいいんでしょ?」
ジルがにっこりと笑顔でそう言ってくる。あ、あれ? なんか笑顔が黒い気がするよ?
「で、でも、隣にラクス様が戻ってくるし……!」
「ラクスは気が利くから、聞こえないフリしてくれるから大丈夫。なんなら耳栓してくれるよ」
えっ! 何その意思疎通!! そんな打ち合わせしているの!? てか、耳栓って、翌朝恥ずかしいのには変わりないんだけど!?
「でも、でも、でも……シーツが……バレちゃう……」
「汚れたシーツをそんなに見られたくないなら、僕がバラバラに切り刻むから大丈夫。あ、避妊薬ちゃんと持ってきてるから、心配しないでね」
……詰んだ……詰んだよこれ……ジル様が用意周到すぎる……てか、シーツ切り刻むのはやめよう。勿体無いから。
あ! それなら私の水魔法でびしょびしょにして、ジルの風魔法で乾かせばいいんじゃないの!?
……あれ? この作戦ってもしかして、完璧すぎる? もうどこでもジルから逃れられないよね?
ここに来て、まさかの閃き魔法アイデアに打ちのめされた。そうか、こんな使い方もあるのね……
「フィーは僕の事愛しているんでしょう? なら、その愛する僕がこうしてフィーを求めているんだから、愛する僕のささやかなお願いを聞いてくれてもいいでしょう?」
「っ~~! 分かった、分かったってば~!」
覚悟を決めた私は、むくりと起き上がるとジルの顔を覗き込んで、その頬を両手で包み込む。
「愛してる、ジル」
そう言って、私はジルの柔らかい唇へそっとキスをしたーーー
「フィー……フィーリアス……」
キスの合間にジルがそう囁くと、私はジルにすごい力で抱きしめられた。ギリギリ苦しくはないけど……いや、ちょっとだけ苦しい……
「ジ、ジル……?」
「僕は……僕は、フィーがいないこの世なんて、生きていけない……」
ジルは苦しそうにそう呟く。ちょっと苦しいのは我慢して、私もジルを抱きしめ返す。
暫くするとジルが腕を緩め、私の頬を撫でながら顔を覗き込む。
「……フィーはきっと、僕がいないても、生きてはいけると思うけど……」
ジルは泣き笑いのような顔をしながら、私の瞳を見つめそう呟いた。
……そうかな……そんな事ないと思うけど……
「そんな悲しい事言わないで。私はずっとジルと一緒に生きていくって決めてるんだから。ーーー絶対、ジルのこと離さないからね……」
私は改めてそう言うと、ジルをぎゅぅっと抱きしめた。私の力ではジルが苦しくなる程は抱きしめられないけど、精一杯の力でジルを抱きしめる。
「っフィーっ!」
ジルはもの凄い勢いで私をそのまま押し倒すと、貪るような口付けをしてくる。すぐに舌が割り入ってくるので、私もジルの舌に絡めるように自分の舌を動かす。
くちゅくちゅと舌を絡ませ合う淫靡な音が部屋に響き渡る。
「……ん……はぁ……」
「……フィー……愛してる……」
絡め合わせた舌を離す時、互いの唾液がつぅっと糸のように這わされる。
「この夜着、すごくいいよね……」
ジルはそう言うと、前を合わせている衣の部分から私の乳房をそっと取り出した。帯で止めてはいるけど、この夜着だと乳房がすぐにまろび出てくる。下半身はすでにはだけきっており、両脚がもろに出ている。すでに完全に浴衣で寝た時の寝起き状態だ。
「……んんっ!……はぁ……ぁ…」
ジルが夜着から溢れでる私の乳房をゆっくりと捏ね回していく。その気持ち良さから、喘ぐ声が漏れ出てしまう。
「凄く綺麗……フィー……」
そのまま、ジルが私の乳房に舌を這わせ、その先端を軽く口に含む。それだけの快楽で、私の身体はビクビクと反応してしまう。
「はぁっ! ……んんっ! ……ぁんっ!」
「可愛い……フィー……」
ジルは手の動きを止めないまま、私に口付けをしてくれる。ジルの指先が、私の乳首をこりこりと摘んだり乳房を捏ねくり回す度に、私はビクビクと身体を反応させる。自らを快楽に委ねるように、もっともっとと強請るように、絡み合うジルの舌を自分の舌を積極的に絡めていく。
「……はぁ……んん…ぁ……」
「……ん……フィー……やばい……目がもうトロンとしてるよ……可愛い……」
お互いの唾液でぐちゅぐちゅになりながらも、ジルの舌を求めて絡ませ続ける。
ジルは、私の乳房を捏ね回していた手を下肢に向け、そっと這わせていく。そのまま下着を脱がせると、私の秘所へ指を伸ばす。
私は自ら足を軽く開き、ジルの指を秘所へと導く。既に秘所がドロドロに溶けているのは分かっている。
ジルの指が膣口を軽く擦ると、そのまま膣内へと侵入していく。ドロドロに溶けたそこは、ジルの指を難なく咥え込む。
私の気持ちいい所を熟知しているジルの指が、膣壁のある場所を擦り続ける。
「……ふぅんっ!……んん……」
ジルと舌を絡ませ合いながら、ジルの指から齎される快楽で舌の動きに集中できなくなってくる。
ぐちゅんぐちゅんと、ジルの指が動くたびに卑猥な音が辺りに響き渡る。
気持ちのいい場所を擦り続けられて、私の腰は自然と動き出す。
「……ふぅっ……はぁ……んんんっ!……ぁ」
「……フィー、気持ちいい?」
「はぁっ!……んっ!……きもち、い……ぁっ!……」
ジルの指の動きが一層早くなって、私は高みへと追い詰められいく。
「……じ、る……もぅ、きちゃ……っ!」
「いいよ……フィー、気持ちよくなって……」
ジルが再び口付けをしてくれるので、私はジルを抱きしめながらその舌を貪るように絡める。舌からの快楽と、指からの快楽で、どんどん高みに上り詰めていく。
「……ふぅっんっ! ……じ、る……も……っ~~~っっ!!」
ジルをぎゅっと抱きしめたまま達した私は、蠢く膣壁がジルの指を何度も締め付けるのを感じた。
ジルを抱きしめていた腕を緩めると、達した影響で荒い息を吐く。
「……はぁ……はぁ……」
「フィー、可愛い……」
ジルが私のナカから指を抜くと、至る所に口付けをしてくる。
「……帰るまで時間があるから、大丈夫だよね?」
ジルはそう言うと、私の胸元や鎖骨の下の方に口付けをすると、痕が残るように吸い付いていく。
「……ぅんっ……ぁっ……」
達したばかりで敏感な身体は、ジルが吸い付くたびにビクビクと反応する。
「……本当は首筋にも残したいけど……流石にここはすぐに見えちゃうから……」
ウェントゥス国のイブニングドレスでは、デコルテラインへの痕は目立つので禁止している。でもトニトゥルス国の衣装は、デコルテ部分を出さない衣装だから、ジルはこの機会にたくさん痕を残したいのかもしれない。
……また、エステラに何か言われちゃうかなぁ。まぁ、大丈夫だよね。
「……ん。じる、首の後ろなら髪で隠せるから大丈夫だよ……」
「……っフィー! いいの?」
「ん。大丈夫だと思う……」
そのままジルは嬉々として、至る所に痕を残していった。その度に私の身体は気持ちよさを拾って、ビクビクと反応する。
ジルが凄く喜んでいるのが分かり、私も嬉しくなってくる。
私もジルに痕をつけたくてジルの夜着を全部脱いでもらうと、その胸元や肩なんかの色々な所に痕をつけた。ジルの金の瞳がトロンとする様は、色気が満載で凄くドキドキしたけど。
「はぁ……フィー……愛してる……」
「ジル……」
お互いに痕を付けまくった後、2人で抱きしめ合った。
ジルと身体が密着して、気持ちよくなる。私は辛うじて帯だけが残された状態だ。
「この乱れた感じが凄くいやらしくて、凄くいいよね……」
ジルが夜着からまろび出ている乳房を弄びながら、うっとりと呟く。
そのまま、また乳房にある先端を口に含まれ、私の身体はビクンと大きく反応する。
「……はぁっ! ……ん……じる……」
そのままジルは私の上に覆い被さると、両脚を思い切り割り開きジルの両肩へと乗せる。
「…じ、る……」
「挿れるよフィー……」
秘所を思いっきり開かれている羞恥心と、挿れられる期待で胸がドキドキする。
「……んんっ!……はぁ……あぁっ!」
ジルは予想と違って、ゆっくりと挿れていった。膣内はジルの肉棒をすんなりと受け入れていくけども、いつもよりもゆっくりと挿入ってくるその感触は、ジルの全てを余すことなく拾っていって、その快感から私の身体はビクビクと反応していく。
「……はぁっ……じ、る………んぁあっっ!」
「……っ!……フィー……気持ちいいっ?……」
「……んっ……い、いよっ……」
最奥に達したジルの肉棒を感じて、私の膣壁はきゅっと締まる。ジルの肉棒が穿つ圧が、もの凄く気持ちいい……
「……っんぁっ!!……はぁ……ぁあっ……!」
「…っく!……」
ジルが、更に私のナカ深くに挿入ってくる。ジルの肩に両脚を乗せているので、いつもよりも更に奥深くにジルの肉棒が当たって擦れる。
「……あ……あ……じる……」
挿入っているだけなのに、私は既に気持ち良すぎておかしくなりそうだった。
「フィー……動くよ……」
ジルはそう宣言すると、私の奥を激しく突き上げ始めた。
「っぁんっ! …ぁあんっ! …ぁっ!…」
私はあまりにもの快楽で、涙がじわじわと滲み出す。ジルの動きに合わせて喘ぐことしか出来ない。
「…っフィー!……はぁっ!」
ジルはどんどんどんどん、責め立てるように私の最奥を穿つ。私はもうその動きに翻弄されるしかなかった。
「……はぁんっ……ぁんっ……んんっ……も……だめ…じ、る……」
「…っフィーリアスっ……」
ジルが最奥を突き上げながら、激しい口付けをしてくる。私もジルに応えるように激しく舌を絡める。
お互いが擦り合わされる部分から、ぐちゅんぐちゅんと淫らな音がする。
余すことなく快楽を拾い、私の身体はまた絶頂へと上り詰めていく。
「はぁっ……んんっ…! ……じる、じる、あいしてるっ……」
「っフィー……! 愛してるっ、フィーリアスっ……!」
ジルの動きが一層早くなり、私はもうこれ以上はもちそうになかった。
「……はぁっ! ……ぁぁんっ!! じるっ!! っ~~~っっぁぁあっ!!!」
目の前が真っ白になるぐらいの快楽がきて、私は激しい絶頂に達した。
何度も何度もジルの肉棒をぎゅうぎゅうと締め付けて、私の身体はビクンビクンと達した余韻に蠢く。
ジルはそのまま私の最奥を突き上げると、その肉棒をビクビクと何度も蠢めせ、私のナカへと激しく吐精し果てた。
「……はぁ……はぁ……」
激しい快楽の影響で、既に意識が朦朧とし始めた。
「……フィー……」
ジルが私の頭や頬を撫でながら、蕩けるような笑顔で私の名前を呼んだ。
「じる……ちょっと休憩するね……」
私はそう言うと、意識を手放した。
その後、途中で意識を取り戻した私は、再びジルと繋がった。
ジルが満足していないのなんて分かっているから、起きた時に相手をしないとね。
ーーー愛する人の要望には、最大限応えないとね!
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