14 / 62
第一章
手に入れた力
しおりを挟む
「いいですか日向さん!」
そこで、シーナの声が聞こえてきた。
「今から、私の言う通りにしてください。そうすれば、剣を抜くことができます!」
「分かった!」
俺は強く返事を返し、神経を集中させる。
とにかく今はごちゃごちゃとしたことを考えずに眼前の敵に集中する。
雑魚は雑魚でも、これは戦いなんだ!
「では、まず剣の形質を思い浮かべて下さい!」
そう言われて、俺は目を瞑り、イメージを始める。
スラリとしたしなやかな形の刀身で、十分な硬度を持ち、とても軽い。そんな風にイメージを固めていく。
「次に、剣に殺気を込めてください!」
俺は両親を殺されたあの日を思い出す。
起きる必要の無かった悲劇。
理不尽に肉親を殺された怒り。
その全ての思いを、俺の刀に乗せた。
イメージを固めている間にも、化け物の声が聞こえる。近くにいるのが、分かる。
「最後に、抜いてください。日向さんの剣を!」
俺は腰のあたりにイメージを置いた。そして、そのイメージの刀の柄に手を添える。
きっと化け物は、俺を狙ってきているだろう。
だが……もう、遅い。
俺は構えた刀に力を込める。
イメージした刀は、俺が抜刀したと同時に現れた。
確かな、そこにあると分かる感触と共に。
「我流、九十九屋流、居合――『湖上冬月』!」
刀を抜き、斬り裂く。
それも、一瞬で。
目を開けると、バラバラになった化け物の肉塊が転がっていた。
流れ出る血が作る血だまりはまさしく、赤い湖。
俺は手に握った、光り輝く刀を静かに鞘にしまった。
すると、刀は霧のようになってどこかへ消えていった。
空には薄く、月が見えていた。
そこで、シーナの声が聞こえてきた。
「今から、私の言う通りにしてください。そうすれば、剣を抜くことができます!」
「分かった!」
俺は強く返事を返し、神経を集中させる。
とにかく今はごちゃごちゃとしたことを考えずに眼前の敵に集中する。
雑魚は雑魚でも、これは戦いなんだ!
「では、まず剣の形質を思い浮かべて下さい!」
そう言われて、俺は目を瞑り、イメージを始める。
スラリとしたしなやかな形の刀身で、十分な硬度を持ち、とても軽い。そんな風にイメージを固めていく。
「次に、剣に殺気を込めてください!」
俺は両親を殺されたあの日を思い出す。
起きる必要の無かった悲劇。
理不尽に肉親を殺された怒り。
その全ての思いを、俺の刀に乗せた。
イメージを固めている間にも、化け物の声が聞こえる。近くにいるのが、分かる。
「最後に、抜いてください。日向さんの剣を!」
俺は腰のあたりにイメージを置いた。そして、そのイメージの刀の柄に手を添える。
きっと化け物は、俺を狙ってきているだろう。
だが……もう、遅い。
俺は構えた刀に力を込める。
イメージした刀は、俺が抜刀したと同時に現れた。
確かな、そこにあると分かる感触と共に。
「我流、九十九屋流、居合――『湖上冬月』!」
刀を抜き、斬り裂く。
それも、一瞬で。
目を開けると、バラバラになった化け物の肉塊が転がっていた。
流れ出る血が作る血だまりはまさしく、赤い湖。
俺は手に握った、光り輝く刀を静かに鞘にしまった。
すると、刀は霧のようになってどこかへ消えていった。
空には薄く、月が見えていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる