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手に残るもの
4、後始末
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何度か目覚めた。
寝たままの自分を取り巻いて、人々が動いているのが伝わった。よく働かない頭で病院らしいと悟る。すぐふつっと意識が飛んだ。次につきんと走る、鋭い痛みに目が覚めた。傍らに、父と姉の姿が見える。目を開けたわたしに、姉が語りかけた。
「血がね、たくさん出たんだって。縫ってたっぷり補給したから、もう大丈夫」
失った分入れ直せばそれでいいのか。ふうん。人間の身体もガソリンで動く機械みたいなもんなんだ、と変に納得したところで、また視界が暗くなった。
きちんと目が覚め状況を把握したのが、手術後麻酔が切れたとき。じくじくする腹部の痛みに顔をしかめながら、姉に事の次第を聞いた。ダグはいなかった。
「警察に行った後でダグに家に帰ってもらったの。総司も一緒。お父さんがこっちだし、家を空けられないでしょ」
とのことだ。何かと人の出入りのある寺は留守にはできない。
瞬きで、姉の声に相槌を打つ。「警察かあ」と胸でつぶやいた。大事になったものだ。刃物で刺され、浅くない傷を負った。当たり前だが。
姉の後ろから父が顔をのぞかせた。急いで来てくれたのだろう。普段の作務衣にコートを引っかけている。その姿にふと泣きたくなった。
実家を離れて随分と経つ。家庭を持ちすっかり大人になったつもりでいたが、父の顔を目にし、たやすく甘えた娘時代に気持ちが帰ってしまう。
この父に言いたくないたくさんのことを、わたしは抱えている。その積み重ねに今の結果があるようで、自分が情けなくみっともなくて、そして哀れにも思う。
わたしは、一体何をしているのか。
「痛むか?」
「少し」
父は頷くいてさっき夫の実家と連絡を取ってきたと言う。彼は事情聴取で警察に留め置かれているらしい。経緯を全く知らないはずの姑たちは、さぞ腰を抜かしたことだろう。
夫は何かの罪に問われるのだろうか。手は下していないものの、救急車を呼ぶことをためらった。ダグはきっとその点を警察に告げただろう。保護監督者遺棄とか何とかに触れるのかもしれない…。
遠い世界のことのようにそんなことを思った。
「傷が腎臓にまで達していたけれど、上手く処置ができたそうよ。…あのね、雅姫、もしかしたら、もしかしたらね…」
たっぷり溜めた後に姉が言葉をつなぐ。経過を見て、傷を負った方の腎臓を摘出することもあり得る、という。
こんな今、医師が口にするのだからその可能性はかなり高いのだろう。いつのことか知れないが、どんよりと気分が曇る。摘出なんて大ごとだ。入院や検査や手術、もちろん恐怖など諸々わき上がる。いつもの「まあ、いっか」では済ませない。
父が言う。
「ダグが本当にほっとしてたぞ。出血の量が多過ぎて、どうにかなるんじゃないかと気が気じゃなかったそうだからな」
へえ。
あの修羅場においても、ダグはいつもと変わらず冷静で頼もしかった。平静を努めてくれていたのかと思うと、意外でもあり嬉しくなる。
「もう少し遅れれば、危なかったそうだ」
「ともかく、よかった」と結んだ父に、姉も珍しく神妙な顔で頷く。
ちょっと気持ちがしんとなった。
それだけの惨事から何とか命をつなげたのだ。何はともあれ、得難くありがたい。先の憂いごとはともかく。まあ、いいか。の気分にころんと傾ける。
そう思うよりない。
夜にもう一度、姉が総司を連れて来てくれるといった。
「着替えとか、必要なものも持ってくる」
「ありがとう。ダグにもありがとうって」
「うん。とにかくゆっくり休んで」
「うん」
ほどなくして、父たちが帰った。
間を置かずに、医師が看護師と現れ術後の診察を受けた。姉が告げたようなことを改めて耳にする。
「もし、摘出となるといつ頃ですか?」
「すぐではないです。これから体調を観察して、結果、大きな不都合があれば処置を、ということです」
必要なら二年三年後になるだろう、という。「すぐにもまた大手術を」のように感じていたので、延びた結論に気持ちがちょっと晴れる。
それも、ないかもしれないし。
「その可能性も置いて、経過を見ていきましょう」
診察が終わった。
検温のとき微熱があった。そのせいかちょっとだるい。そこへ、ノックが聞こえた。「はい」と答える。開いた扉から軽い礼の後に男性の二人組が入ってきた。
「あの…」
ぽかんと眺めるわたしへ警察手帳を提示する。
ああ、これか! ドラマでよくあるやつだ!
いつか作品で使ってやれ、と、案外に黒光りするそれをじろじろ観察しておく。
「少しだけお時間を頂戴します。さっきお医者さんにもそこで注意されたんで、ほんの短く…」
「はあ」
一見、役所や銀行にでもいそうな普通の人たちだった。取り立て目つきが鋭い訳でもない。刑事だからといって、当たり前だが拳銃なんて持ち歩いていないだろうし。
一人が尋問役で、もう一人はそれをメモに控えている。
「…そうですか。安田玲子(安田さんの奥さん)が、いきなり部屋に侵入し、あなたを刺した。ご主人はそのとき?」
「…びっくりしていました」
「そう、びっくりね…」
間抜けな答えに相手は少し笑った。そりゃね馬鹿みたいだ。
あの人をかばう気持ちは露ほどもないが、殺意は見えなかった。ただ怯えてうろたえて、するべきことをしてくれなかっただけ。
そこで、メモ役の刑事がふと声を出した。
「お義兄さんのダグさん、いいタイミングで来てくれましたね、絶妙の」
「はい、夫が家に来たときに、実家に電話してあったんです。それで、すぐにこちらに向かってくれて」
こんなことは、ダグからも聞いているはずだ。関係者の話を照らし合わせ、確認しているのを感じた。
「旦那さんが自分の家に帰ってくるだけで、いちいち実家に連絡をとるんですか?」
「それは…」
離婚を控えたことやあの降って湧いた大金のことも、話さない訳にはいかないようだ。
観念しちょっとため息をついてから、経緯を話し出した。
ダグにだって似たことを聴取済みだろう。警察にとっては、わたしも事件の当事者として夫たちと同じ場所に立っているのだ。果たした役割が違うだけで。
被害者であるのに面白くないが、しようがない。事件に関して後ろ暗いこともない。探られても、何を聞かれてもかまわない。
「ご主人はあなたが浮気して家庭を顧みなくなったと感じ、腹が立っていたとおっしゃっていました」
「…そんなことは、あの場でも言っていました」
「なのに、自分は女連れで乗り込んできた訳ですね」
刑事の言葉から、やはり夫とあの奥さんには男女の関係があったのだろうと察した。夫は認めなかったが。
「安田がご主人とは不倫の仲にあったと話しています。ご主人の方はそういった話は口にしませんが」
気遣いなのかそんなことを言う。
今更どうでもいい。ただ、この期に及んで、その程度の過ちを認めない彼が不快だった。犯人に近い関係者として警察から取り調べを受け、何かの罪に問われるかもしれないのに。
何を守ろうとしているのか。総司でもないくせに。和解金の取り分か。
刑事は奥さんは我が家を逃げ出した数時間後、旦那さんに付き添われ署に出頭してきたと言った。
「ふうん」
心のつぶやきがつい口に出た。微熱で気が緩んでいるらしい。
「「ふうん」ですか?」
刑事の一人が、おかしそうに突っ込んだ。
「あ、いえ、すいません」
「いえいえ、構いませんよ」
不思議とあの奥さんに憎しみはない。もちろん、もう隣り合って住むのはごめんだし関わりたくもないが。縁が切れればもうどうでもいい。忘れてしまいたい。だから、今後の彼女の処遇などあまり関心がない。
心の底からの「ふうん」だった。
刑事が礼を言って出て行った後で、気づく。彼らはわたしの側の不倫のを問い質しはしなかった。
その辺りは事件に関係がないから、触れないでくれたのかも…。仮にも被害者だ。夫は相手を誤解したままだし。
ともかく、沖田さんの名を告げずに済んでほっとする。警察や事件、そういったことに縁の遠いはずの彼が、わたしに関わることでごたごたに巻き込まれてしまうのは、堪らない。
夜には、姉が総司を連れまた病室に現れた。面会時間が過ぎても総司が帰りたがらず、一緒にいると駄々をこねた。
「また、明日来ようね。明日、ダグが総司とママのところに行くよって、言ってたよ」
この日の出来事は、子供には刺激が強すぎただろう。長く不在だった父親が豹変した様子で現れた上に、母親は血まみれだ。
それを、総司は近くで見てしまっている。不安なのは当たり前で何とも不憫だ。こんなときにそばについてやれないのが、もどかしい。
「消灯の時間も近いので、お帰り下さい」
のぞきに来た看護師の注意を受け、総司を半ば引きずるようにして姉が帰って行った。
「ママ」と泣きじゃくった顔がなかなか頭を離れない。
ごめんね。
自分も悪いのだと思った。
姉たちは夫の問題に巻き込まれて刺された被害者として、気遣ってくれ優しい。
でも、子供が親を必要としているときにそばにいてやれない。それだけでわたしは悪いのだ。そう思う。もう、わたしだけなのだから。わたししかいないのに。
ごめんね。
幾度も寝ていたせいで目が冴える。余計なことをうろうろと繰り返し考えた。疲れた頃に、既に朝が近いのを知った。
寝たままの自分を取り巻いて、人々が動いているのが伝わった。よく働かない頭で病院らしいと悟る。すぐふつっと意識が飛んだ。次につきんと走る、鋭い痛みに目が覚めた。傍らに、父と姉の姿が見える。目を開けたわたしに、姉が語りかけた。
「血がね、たくさん出たんだって。縫ってたっぷり補給したから、もう大丈夫」
失った分入れ直せばそれでいいのか。ふうん。人間の身体もガソリンで動く機械みたいなもんなんだ、と変に納得したところで、また視界が暗くなった。
きちんと目が覚め状況を把握したのが、手術後麻酔が切れたとき。じくじくする腹部の痛みに顔をしかめながら、姉に事の次第を聞いた。ダグはいなかった。
「警察に行った後でダグに家に帰ってもらったの。総司も一緒。お父さんがこっちだし、家を空けられないでしょ」
とのことだ。何かと人の出入りのある寺は留守にはできない。
瞬きで、姉の声に相槌を打つ。「警察かあ」と胸でつぶやいた。大事になったものだ。刃物で刺され、浅くない傷を負った。当たり前だが。
姉の後ろから父が顔をのぞかせた。急いで来てくれたのだろう。普段の作務衣にコートを引っかけている。その姿にふと泣きたくなった。
実家を離れて随分と経つ。家庭を持ちすっかり大人になったつもりでいたが、父の顔を目にし、たやすく甘えた娘時代に気持ちが帰ってしまう。
この父に言いたくないたくさんのことを、わたしは抱えている。その積み重ねに今の結果があるようで、自分が情けなくみっともなくて、そして哀れにも思う。
わたしは、一体何をしているのか。
「痛むか?」
「少し」
父は頷くいてさっき夫の実家と連絡を取ってきたと言う。彼は事情聴取で警察に留め置かれているらしい。経緯を全く知らないはずの姑たちは、さぞ腰を抜かしたことだろう。
夫は何かの罪に問われるのだろうか。手は下していないものの、救急車を呼ぶことをためらった。ダグはきっとその点を警察に告げただろう。保護監督者遺棄とか何とかに触れるのかもしれない…。
遠い世界のことのようにそんなことを思った。
「傷が腎臓にまで達していたけれど、上手く処置ができたそうよ。…あのね、雅姫、もしかしたら、もしかしたらね…」
たっぷり溜めた後に姉が言葉をつなぐ。経過を見て、傷を負った方の腎臓を摘出することもあり得る、という。
こんな今、医師が口にするのだからその可能性はかなり高いのだろう。いつのことか知れないが、どんよりと気分が曇る。摘出なんて大ごとだ。入院や検査や手術、もちろん恐怖など諸々わき上がる。いつもの「まあ、いっか」では済ませない。
父が言う。
「ダグが本当にほっとしてたぞ。出血の量が多過ぎて、どうにかなるんじゃないかと気が気じゃなかったそうだからな」
へえ。
あの修羅場においても、ダグはいつもと変わらず冷静で頼もしかった。平静を努めてくれていたのかと思うと、意外でもあり嬉しくなる。
「もう少し遅れれば、危なかったそうだ」
「ともかく、よかった」と結んだ父に、姉も珍しく神妙な顔で頷く。
ちょっと気持ちがしんとなった。
それだけの惨事から何とか命をつなげたのだ。何はともあれ、得難くありがたい。先の憂いごとはともかく。まあ、いいか。の気分にころんと傾ける。
そう思うよりない。
夜にもう一度、姉が総司を連れて来てくれるといった。
「着替えとか、必要なものも持ってくる」
「ありがとう。ダグにもありがとうって」
「うん。とにかくゆっくり休んで」
「うん」
ほどなくして、父たちが帰った。
間を置かずに、医師が看護師と現れ術後の診察を受けた。姉が告げたようなことを改めて耳にする。
「もし、摘出となるといつ頃ですか?」
「すぐではないです。これから体調を観察して、結果、大きな不都合があれば処置を、ということです」
必要なら二年三年後になるだろう、という。「すぐにもまた大手術を」のように感じていたので、延びた結論に気持ちがちょっと晴れる。
それも、ないかもしれないし。
「その可能性も置いて、経過を見ていきましょう」
診察が終わった。
検温のとき微熱があった。そのせいかちょっとだるい。そこへ、ノックが聞こえた。「はい」と答える。開いた扉から軽い礼の後に男性の二人組が入ってきた。
「あの…」
ぽかんと眺めるわたしへ警察手帳を提示する。
ああ、これか! ドラマでよくあるやつだ!
いつか作品で使ってやれ、と、案外に黒光りするそれをじろじろ観察しておく。
「少しだけお時間を頂戴します。さっきお医者さんにもそこで注意されたんで、ほんの短く…」
「はあ」
一見、役所や銀行にでもいそうな普通の人たちだった。取り立て目つきが鋭い訳でもない。刑事だからといって、当たり前だが拳銃なんて持ち歩いていないだろうし。
一人が尋問役で、もう一人はそれをメモに控えている。
「…そうですか。安田玲子(安田さんの奥さん)が、いきなり部屋に侵入し、あなたを刺した。ご主人はそのとき?」
「…びっくりしていました」
「そう、びっくりね…」
間抜けな答えに相手は少し笑った。そりゃね馬鹿みたいだ。
あの人をかばう気持ちは露ほどもないが、殺意は見えなかった。ただ怯えてうろたえて、するべきことをしてくれなかっただけ。
そこで、メモ役の刑事がふと声を出した。
「お義兄さんのダグさん、いいタイミングで来てくれましたね、絶妙の」
「はい、夫が家に来たときに、実家に電話してあったんです。それで、すぐにこちらに向かってくれて」
こんなことは、ダグからも聞いているはずだ。関係者の話を照らし合わせ、確認しているのを感じた。
「旦那さんが自分の家に帰ってくるだけで、いちいち実家に連絡をとるんですか?」
「それは…」
離婚を控えたことやあの降って湧いた大金のことも、話さない訳にはいかないようだ。
観念しちょっとため息をついてから、経緯を話し出した。
ダグにだって似たことを聴取済みだろう。警察にとっては、わたしも事件の当事者として夫たちと同じ場所に立っているのだ。果たした役割が違うだけで。
被害者であるのに面白くないが、しようがない。事件に関して後ろ暗いこともない。探られても、何を聞かれてもかまわない。
「ご主人はあなたが浮気して家庭を顧みなくなったと感じ、腹が立っていたとおっしゃっていました」
「…そんなことは、あの場でも言っていました」
「なのに、自分は女連れで乗り込んできた訳ですね」
刑事の言葉から、やはり夫とあの奥さんには男女の関係があったのだろうと察した。夫は認めなかったが。
「安田がご主人とは不倫の仲にあったと話しています。ご主人の方はそういった話は口にしませんが」
気遣いなのかそんなことを言う。
今更どうでもいい。ただ、この期に及んで、その程度の過ちを認めない彼が不快だった。犯人に近い関係者として警察から取り調べを受け、何かの罪に問われるかもしれないのに。
何を守ろうとしているのか。総司でもないくせに。和解金の取り分か。
刑事は奥さんは我が家を逃げ出した数時間後、旦那さんに付き添われ署に出頭してきたと言った。
「ふうん」
心のつぶやきがつい口に出た。微熱で気が緩んでいるらしい。
「「ふうん」ですか?」
刑事の一人が、おかしそうに突っ込んだ。
「あ、いえ、すいません」
「いえいえ、構いませんよ」
不思議とあの奥さんに憎しみはない。もちろん、もう隣り合って住むのはごめんだし関わりたくもないが。縁が切れればもうどうでもいい。忘れてしまいたい。だから、今後の彼女の処遇などあまり関心がない。
心の底からの「ふうん」だった。
刑事が礼を言って出て行った後で、気づく。彼らはわたしの側の不倫のを問い質しはしなかった。
その辺りは事件に関係がないから、触れないでくれたのかも…。仮にも被害者だ。夫は相手を誤解したままだし。
ともかく、沖田さんの名を告げずに済んでほっとする。警察や事件、そういったことに縁の遠いはずの彼が、わたしに関わることでごたごたに巻き込まれてしまうのは、堪らない。
夜には、姉が総司を連れまた病室に現れた。面会時間が過ぎても総司が帰りたがらず、一緒にいると駄々をこねた。
「また、明日来ようね。明日、ダグが総司とママのところに行くよって、言ってたよ」
この日の出来事は、子供には刺激が強すぎただろう。長く不在だった父親が豹変した様子で現れた上に、母親は血まみれだ。
それを、総司は近くで見てしまっている。不安なのは当たり前で何とも不憫だ。こんなときにそばについてやれないのが、もどかしい。
「消灯の時間も近いので、お帰り下さい」
のぞきに来た看護師の注意を受け、総司を半ば引きずるようにして姉が帰って行った。
「ママ」と泣きじゃくった顔がなかなか頭を離れない。
ごめんね。
自分も悪いのだと思った。
姉たちは夫の問題に巻き込まれて刺された被害者として、気遣ってくれ優しい。
でも、子供が親を必要としているときにそばにいてやれない。それだけでわたしは悪いのだ。そう思う。もう、わたしだけなのだから。わたししかいないのに。
ごめんね。
幾度も寝ていたせいで目が冴える。余計なことをうろうろと繰り返し考えた。疲れた頃に、既に朝が近いのを知った。
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