魔王転生日記

第013話 眷属承認ふたたび！

我は家に戻ってきて隣の事件について、母に色々と聞いた。
その話によると、隣の家はけっこう金持ちらしく、女の一人暮らしなので、また泥棒にくる可能性が高いらしい。
その話を聞いて、犬を強くする必要があると思った。
そこで眷属承認なのだ！知力、体力、攻撃力を高めれば、泥棒なんて赤子同然だ。
幸い我のマナは回復していたし、タダシにちゃんと掛けられたことによって、術には自信を持っていた。
我はもう一度、犬に眷属承認を掛ける決心をした！早くせねば隣が危ないのだ！
次の日の午後、我は犬に会いに隣へ行った。

我　「おぬし、もう一度眷属承認をしてみないか？」

犬　「魔王さん・・・あれをもう一度ですか・・・」

犬は嫌な顔をする。すかさず我は説得した。タダシのように・・・

我　「おぬしが飼い主を守れなかったのは、おぬしが弱いからじゃ！しかも、もう一度、泥棒がくるかもしれないと聞いたぞ。だが、我の眷属になれば、地獄の門番ケルベロスのように強くなれるぞ！知っておるか？ケルベロスを」

犬　「ケルベロスですか？知らないです・・・」

我　「そうか。冥府めいふの入り口を守る猛犬で、頭は三つあって、恐ろしい遠吠えをし、とにかくごつくて、つよいのだ！見た目もかっこいいぞ！」

犬　「えっ？おいら、頭が三つになっちまうんですか？嫌だよー！」

犬は頭が三つになってしまうと思って泣き顔になった。

我　「ばかもの！たとえじゃ！それくらい、頑丈で強くなれるといることじゃ！」

犬　「そうなんですね！強くなれるんですね！それじゃー！お願いします。でも赤黒くしないでくださいね！」

我は犬の説得に成功した！
我は渾身のマナを溜めて、眷属承認！と唱えた！すると、犬がポウッと光った。

犬　「なんだかあたたかいです。成功しましたか？」

我はびっくりした。タダシと同じ事を犬が言っているのである。あたたかくなると・・・
これは成功じゃ！きっと術が成功するとあたたかくなって光るのだ。
しかも、犬になんの変化もなかった。これもタダシの時と同じだ。我は眷属承認をマスターしたのだ！！！！

犬　「？変化してない！茶色いままだ！！！よかったー。これでママさんに嫌われないですんだ！ありがとうございます！！！あっ、でも泥棒が来たら、どうすればいいんですか？」

我　「たぶん、感情を爆発させればいいのだと思う。たとえば、飼い主を守りたいだとか、やっつけてやるだとか・・・たぶん・・・」

犬　「たぶん？・・・大丈夫ですかね？おいらできるかな？」

我　「おぬしなら大丈夫じゃ！飼い主を大事にしておるしな。その思いが犬を強くするのよ！！！！」

犬　「なんか魔王さんドラマのセリフみたいな事言ってるし・・・本当に大丈夫かな？」

我　「おぬし我を信じぬか！タダシは我を誠に信じておったから、変身できたのじゃ！おぬしもそうせぬか！！！」

犬　「ヒィー！すみません！！！おいらも魔王さんを信じます！！！！」

我　「それでいいのじゃ！我の言う事聞いていれば、何事もうまくいくのだ！！！！」

犬　「ははー！おいらがんばります！」

我　「その意気ぞ！飼い主のピンチにはその力を泥棒に見せつけるのだぞ！！！！」

我は犬を精一杯、鼓舞こぶした。