恋する邪眼

むねじゅ

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002 開放!邪眼

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俺のカッコイイ眼帯をむしり取った。

「あっ!」

「こんなんどこで売ってんだよーきめぇ・・・・えっ」

「・・・」

俺の邪眼が1年ぶりに解放された。

男子生徒は、俺の邪眼を見てしまったので好きになってしまうだろう。

邪眼の所為で!

「マジきめぇ・・・きめぇのに・・・好き。」

俺は笑いを堪えた。
「っ」
不良男子生徒が顔を赤らめながらの発言に
見て見ぬフリをしていたクラスの生徒達が俺達二人を凝視した。

「あっ!?」
俺はヤバイと思いすぐ眼帯を取り付けた。

「すっ好きな訳ないだろうが~ばっ馬鹿じゃねの・・・」
最後の語尾が弱弱しい感じが、痛い。

そう言うと因縁を付けてきた男子生徒は、無言で自分の席に戻った。

この邪眼を一度見た者は、眼帯で隠しても
好きだった記憶は残るのだ。

好きだったけど今は好きじゃないみたいな?
別れた恋人みたいな。
たぶんコイツはこの先自分が男もアリなのか?と困惑する人生になるだろう。
なんて恐ろしい眼を持ってしまったんだ。

クラスの生徒はポカーンとその光景を見ていた。
その時、クラスのお調子者の一人が言う。

「お前ホモだったのかよ!お前がきめぇよ!ぎゃははは!!」

顔を真っ赤にした不良男子生徒は茶化した男子生徒を殴りかかったのであった・・・

なんて罪な眼を持ってしまったんだ・・・

  ボガッ ガッ「ちょ止めて」

俺が邪眼と言っている意味が分かっただろう?

こんな眼、何にも役に立たない。
俺の事で争いが起こるだけなのだ。
まぁ奴は自分で眼帯を取ったのだから俺に罪はない。

 「ざけんなっ」ボガッ ガッ「ごめんてっ」 

邪眼を見た女子の場合は、男とは違う反応になる。
それはまた今度話すとしよう。

  ボガッ ガッ「誰か助けてっ」

それより、いい加減殴るの誰か止めたら?

  ボガッ ガッ「やめてっ」

しっ仕方ない、俺が先生呼んでくるか・・・

・・・
・・

次の日の朝の通学路、

昨日言ってた女子の場合は違う反応になる。だけど、

あれは、俺が小学校で不登校になってから一週間ぐらいした時だった。
クラスの女子が俺の家に来た。
多分心配してくれたんだと思う。
勿論俺は、眼帯をして出たんだが、

その女子は俺に向かっていきなり
「誰?」

「えっ」

「鋼君は?居ますか?」

「えっ俺だけど?」

「えっ鋼君なの!?」

「えっうん・・・」

「そっそうなんだ・・・」
その女子は溜息ついて俺を睨んだあと無言でそのまま帰っていった。
似た様な事を女子生徒と何度かあった。
ある女の子は、再度見に来てがっかりして帰る子もいた。
当時俺は、まだ邪眼の事を知らなかったので
「???」って思っていたが、その後、彼女らの行動が理解できた。

例えるなら、
出会い系サイトで実際出会ったら「おもってたんと違う」みたいな表情。
男で言うならエッチなビデオで「表紙と顔ちがうやーん」みたいな。

思ってた顔全然ちがうやーん
騙された~的な感じになる。
人によっては酷いとやり逃げされた~みたいな感じになるかもしれない。
俺自体そんな悪く無い顔だとは思うが
邪眼の時どんだけ美少年に見えるんだって事。

なんで俺がこんな目に遭わなきゃならんのだー!
昔の事を思いだしてイラっとした。

「眼帯って!秋丸君って中二病かな~?」

まさに今、通学中に
俺のクラスの女子が面白半分に
カッコいいブラック眼帯引っ張りやがった。

*********************************
邪眼発動しちゃうぞ?
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