意味が分かると怖い話(自作)

雅内

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ライバル

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今からタカシとドライブに行く。

前々から狙っていたんだけど、マユミが邪魔で声をかけることが出来なかった。

でも、先週タカシからドライブのお誘いをもらった。

マユミには悪いと思うけど、内緒にしておいた。

運転する横顔もカッコ良くって、なんでマユミなんかと付き合ってるのか不思議でたまらない。

頭も悪いし、デブでノロマ。

お金を持ってるわけでもないのに……

「なんでマユミと付き合ってんの?」

つい、口走ってしまった。

「う~ん……まぁ、何となくだよ」

「じゃあ、別れたら付き合わない?」

タカシはキョトンとした顔で私を見ていた。

一瞬、笑ったようにも見えた。

私は取り繕うように話をした。

「マユミってお子ちゃまだから料理も下手だし、結構わがままなところがあるよね? 今日ドライブだから、お弁当作ってきたんだよ」

「確かに……マユミは全然料理しないし、料理なんて見たことなかったかなぁ」

「そうでしょ? あの子全然料理しなくって、お菓子ばっかり食べてるの。昔家庭科の時間に作ったカレーが不味いのなんのって」

「だからかぁ。マユミは不味かったな~」

「でしょ~! その点、私は料理上手で和食から中華まで作れるよ」

「そうなんだ~、マユミと違って細いけどしっかりご飯食べてるんだ」

「お菓子なんか食べないからね。健康的よ」

他愛もない会話でも私にとっては又と無いチャンスだった。

「だから、マユミと別れたら……」

「考えとくね」

笑いながら答えてくれた。

ドライブで結構人里離れたところまで来た。

誰も居ないような渓谷だ。

マユミには悪いけど、このチャンスは逃せない。

二人キリの今がチャンスだ。
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