16 / 47
2話 この男、初恋につき
6・追い詰められてクレイジー?!
しおりを挟む
「蓮は消極的過ぎるの!」
「えっと……」
何故誘えなかったのかをしどろもどろになりながらも一生懸命伝えたつもりではあるが、悠には怒られる。
「もっと自信もってよー」
”本気で嫌だったすぐに別れている”と彼女が言うのを複雑な心境で聞いていた。彼女とおつき合いをすることになったのは、自分のトチ狂った発言が発端。大好きな彼女の前ではいつも言動がおかしくなる。
取引先である(株)原始人からよくうちの社に来る営業の者の中に、特に仲良くしている奴がいた。
彼の名は『蒼姫』という。変わった苗字だなと思い、一発で覚えた。彼は蓮が仲良くしている『三多』の大学時代の友人ということも手伝ってたまに昼を一緒にする中だ。
そんな経緯もあって、蓮が悠に片想いをしていることを蒼姫も知っていたのである。
「池内」
いつものように社の玄関先でゴルフクラブを振っていると、営業で来た蒼姫に話しかけられた。
蓮が玄関先でゴルフクラブを振り回しているのは別段ゴルフが好きなわけでも、ホームの練習の為でもない。単に、不審者の監視のついでである。
これは社長の指示。
しかし一度も不審者が訪れたことはなく、近所の社の女の子が集まってくるくらいだ。
「よう」
蒼姫は社の中から出てくると、ガシっと蓮の肩に手をかけた。
非常にゴルフクラブを振るのに邪魔だ。
「今日も可愛いね『相模悠』」
蒼姫の言葉に蓮はおもむろに嫌な顔をする。
「フルネームで呼ぶのはやめろ。俺だって名前呼んだことないのに」
「はあ?」
相変わらず苗字さえ呼べない自分。
「え? いや、はあ? じゃあなんて呼んでんの?」
困惑気味の蒼姫。
「受付お嬢」
蓮の返答に蒼姫が一瞬、埴輪顔になる。
「なんでそこに『お』をつけるんだ!」
「緊張して間違ったけど、そのままそう呼んでいる」
”まあ、インパクトはあるけど”と肩で笑う蒼姫。
非常に失礼な奴だ。
「お前さあ……よくここで社外の女子と話している割には、女慣れしてないというか」
蒼姫は肩を竦めると、いつも三多が座っているベンチに腰かけた。
「そんなもの、慣れるわけないだろっ」
と蓮はゴルフクラブを振りあげる。
「ナイスショット」
素振りだ。
「なあ。協力してやろうか?」
と蒼姫。
「協力?」
「いい加減、話くらいできるようにならないと進展しないぞ」
三多のようなことを言うなあと思いながら、連は蒼姫に視線を向けた。
「ぼやぼやしてると、他の奴に取られちゃうぞ」
「え?」
これがいけなかったのだ。
蒼姫が蓮を焦らせるものだから、てんぱってクレイジーな言動に出てしまったのである。
「何それ?!」
悠にあの時の経緯を話すと、彼女は驚きに声をあげた。
「蒼姫くん、許すまじ……」
何故か悠が手を握り締め、決断力のポーズをキメている。
「ちょ、別に蒼姫は悪くないから!」
蓮は殺意を感じ慌てたのだった。
「えっと……」
何故誘えなかったのかをしどろもどろになりながらも一生懸命伝えたつもりではあるが、悠には怒られる。
「もっと自信もってよー」
”本気で嫌だったすぐに別れている”と彼女が言うのを複雑な心境で聞いていた。彼女とおつき合いをすることになったのは、自分のトチ狂った発言が発端。大好きな彼女の前ではいつも言動がおかしくなる。
取引先である(株)原始人からよくうちの社に来る営業の者の中に、特に仲良くしている奴がいた。
彼の名は『蒼姫』という。変わった苗字だなと思い、一発で覚えた。彼は蓮が仲良くしている『三多』の大学時代の友人ということも手伝ってたまに昼を一緒にする中だ。
そんな経緯もあって、蓮が悠に片想いをしていることを蒼姫も知っていたのである。
「池内」
いつものように社の玄関先でゴルフクラブを振っていると、営業で来た蒼姫に話しかけられた。
蓮が玄関先でゴルフクラブを振り回しているのは別段ゴルフが好きなわけでも、ホームの練習の為でもない。単に、不審者の監視のついでである。
これは社長の指示。
しかし一度も不審者が訪れたことはなく、近所の社の女の子が集まってくるくらいだ。
「よう」
蒼姫は社の中から出てくると、ガシっと蓮の肩に手をかけた。
非常にゴルフクラブを振るのに邪魔だ。
「今日も可愛いね『相模悠』」
蒼姫の言葉に蓮はおもむろに嫌な顔をする。
「フルネームで呼ぶのはやめろ。俺だって名前呼んだことないのに」
「はあ?」
相変わらず苗字さえ呼べない自分。
「え? いや、はあ? じゃあなんて呼んでんの?」
困惑気味の蒼姫。
「受付お嬢」
蓮の返答に蒼姫が一瞬、埴輪顔になる。
「なんでそこに『お』をつけるんだ!」
「緊張して間違ったけど、そのままそう呼んでいる」
”まあ、インパクトはあるけど”と肩で笑う蒼姫。
非常に失礼な奴だ。
「お前さあ……よくここで社外の女子と話している割には、女慣れしてないというか」
蒼姫は肩を竦めると、いつも三多が座っているベンチに腰かけた。
「そんなもの、慣れるわけないだろっ」
と蓮はゴルフクラブを振りあげる。
「ナイスショット」
素振りだ。
「なあ。協力してやろうか?」
と蒼姫。
「協力?」
「いい加減、話くらいできるようにならないと進展しないぞ」
三多のようなことを言うなあと思いながら、連は蒼姫に視線を向けた。
「ぼやぼやしてると、他の奴に取られちゃうぞ」
「え?」
これがいけなかったのだ。
蒼姫が蓮を焦らせるものだから、てんぱってクレイジーな言動に出てしまったのである。
「何それ?!」
悠にあの時の経緯を話すと、彼女は驚きに声をあげた。
「蒼姫くん、許すまじ……」
何故か悠が手を握り締め、決断力のポーズをキメている。
「ちょ、別に蒼姫は悪くないから!」
蓮は殺意を感じ慌てたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる