R18【同性恋愛】リーマン物語if1『いじめてあげる』

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1章『いじめてあげる』

32:愛を心に注ぐ夜【R】

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****♡Side・副社長(皇)

「ねえ、もっと……」
 皇は塩田に甘えるようにその首に自分の両腕を巻きつけ、口づけを強請る。塩田の手が背中から下着の中へ。
「んッ……」
 双丘の間にゆっくりと指先が降りていく。ベッドルームに差し込むのはリビングの明かりだけ。ロマンチックな夜に、皇はうっとりとした。
「塩田」
 塩田の股を跨ぐように向きあっていた皇は蕾に指先で触れられ、びくりと身体を震わせる。
「相変わらず、感度最高」
「淫乱みたいに言うな」
 皇はぷくっと膨れ、上目遣いで彼を見つめた。彼は熱い視線を返すと、腰をぐいっと引き皇をベッドに押し倒す。肌を這う手。首筋を舐め上げる舌。
「んんんッ」

──塩田……好き……大好き。

 心の中で呟きながら、皇は快感に身を捩る。彼の手が両腿の脇を這いあがり、下着の脇の部分にスルリと下から入り込む。
「優一」
 ”いいよな?”と言うように、手の甲に布を引っ掛けゆっくりとおろしていく。形を持ち始めた皇自身が、下着の中から顔を出す。脱がされる瞬間はいつでも恥ずかしい。
「ホント、可愛いんだから」
 塩田は小さく笑うと、皇の胸に手を這わせながら口づけをくれる。
「可愛いとか、言うなよ」
 精一杯の強がりは恥ずかしさを隠すため。以前よりは、可愛いと言われることにも、抵抗がなくなりつつある。

「ああッ」
 彼が鎖骨に舌を這わせながら、皇自身に指を絡めた。
「ね、いつも俺ばっか。俺も塩田にしたい」
 甘えるように強請るが、
「ダメ」
と言われてしまう。

 皇も自分がタチが下手な事くらい分かっている。それでも塩田に初めて抱かれて以来、ずっとネコなのだ。塩田は元々受け身。
 皇が塩田を抱いていたころは、対面騎乗位で腰を振ってくれる彼にドキドキしたものだ。それが単に、皇が腰を振ると下手で痛いからだと知った時には、ショックを受けた。それでもずっと言わなかったのは、彼の優しさ。

「ね、痛くしないから」
「そう言う問題じゃない」
「んッ……ああッ」
 彼は皇自身を握りこむとその鈴口に舌を這わせ始める。潤わせるように、じっくりと。
「んんッ……はあッ……」
「それだよ。興奮する」
 塩田の言葉に皇は、一瞬驚いたのち、真っ赤になる。
「俺は、優一に抱かれたいわけじゃない。犯したいんだよ」
 ゆっくりと紡がれる言葉に、脈が上がっていく。
「きも……ちい……おかしくなる」
 
 自分は変態なのだろうかと思った。身体だけじゃなく、心も犯されていく。でも、彼のことが好きなのだ。いや、好きだからこんな気持ちになる。
「あッ……んんッ」
 鈴口をちゅうっと吸い上げられ、快感が駆け上る。
「優一、愛してるよ」
「あ……ッ。しおた……はあッ」
 愛に狂った夜は更けていく。何処までも。
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