35 / 63
1章『いじめてあげる』
32:愛を心に注ぐ夜【R】
しおりを挟む
****♡Side・副社長(皇)
「ねえ、もっと……」
皇は塩田に甘えるようにその首に自分の両腕を巻きつけ、口づけを強請る。塩田の手が背中から下着の中へ。
「んッ……」
双丘の間にゆっくりと指先が降りていく。ベッドルームに差し込むのはリビングの明かりだけ。ロマンチックな夜に、皇はうっとりとした。
「塩田」
塩田の股を跨ぐように向きあっていた皇は蕾に指先で触れられ、びくりと身体を震わせる。
「相変わらず、感度最高」
「淫乱みたいに言うな」
皇はぷくっと膨れ、上目遣いで彼を見つめた。彼は熱い視線を返すと、腰をぐいっと引き皇をベッドに押し倒す。肌を這う手。首筋を舐め上げる舌。
「んんんッ」
──塩田……好き……大好き。
心の中で呟きながら、皇は快感に身を捩る。彼の手が両腿の脇を這いあがり、下着の脇の部分にスルリと下から入り込む。
「優一」
”いいよな?”と言うように、手の甲に布を引っ掛けゆっくりとおろしていく。形を持ち始めた皇自身が、下着の中から顔を出す。脱がされる瞬間はいつでも恥ずかしい。
「ホント、可愛いんだから」
塩田は小さく笑うと、皇の胸に手を這わせながら口づけをくれる。
「可愛いとか、言うなよ」
精一杯の強がりは恥ずかしさを隠すため。以前よりは、可愛いと言われることにも、抵抗がなくなりつつある。
「ああッ」
彼が鎖骨に舌を這わせながら、皇自身に指を絡めた。
「ね、いつも俺ばっか。俺も塩田にしたい」
甘えるように強請るが、
「ダメ」
と言われてしまう。
皇も自分がタチが下手な事くらい分かっている。それでも塩田に初めて抱かれて以来、ずっとネコなのだ。塩田は元々受け身。
皇が塩田を抱いていたころは、対面騎乗位で腰を振ってくれる彼にドキドキしたものだ。それが単に、皇が腰を振ると下手で痛いからだと知った時には、ショックを受けた。それでもずっと言わなかったのは、彼の優しさ。
「ね、痛くしないから」
「そう言う問題じゃない」
「んッ……ああッ」
彼は皇自身を握りこむとその鈴口に舌を這わせ始める。潤わせるように、じっくりと。
「んんッ……はあッ……」
「それだよ。興奮する」
塩田の言葉に皇は、一瞬驚いたのち、真っ赤になる。
「俺は、優一に抱かれたいわけじゃない。犯したいんだよ」
ゆっくりと紡がれる言葉に、脈が上がっていく。
「きも……ちい……おかしくなる」
自分は変態なのだろうかと思った。身体だけじゃなく、心も犯されていく。でも、彼のことが好きなのだ。いや、好きだからこんな気持ちになる。
「あッ……んんッ」
鈴口をちゅうっと吸い上げられ、快感が駆け上る。
「優一、愛してるよ」
「あ……ッ。しおた……はあッ」
愛に狂った夜は更けていく。何処までも。
「ねえ、もっと……」
皇は塩田に甘えるようにその首に自分の両腕を巻きつけ、口づけを強請る。塩田の手が背中から下着の中へ。
「んッ……」
双丘の間にゆっくりと指先が降りていく。ベッドルームに差し込むのはリビングの明かりだけ。ロマンチックな夜に、皇はうっとりとした。
「塩田」
塩田の股を跨ぐように向きあっていた皇は蕾に指先で触れられ、びくりと身体を震わせる。
「相変わらず、感度最高」
「淫乱みたいに言うな」
皇はぷくっと膨れ、上目遣いで彼を見つめた。彼は熱い視線を返すと、腰をぐいっと引き皇をベッドに押し倒す。肌を這う手。首筋を舐め上げる舌。
「んんんッ」
──塩田……好き……大好き。
心の中で呟きながら、皇は快感に身を捩る。彼の手が両腿の脇を這いあがり、下着の脇の部分にスルリと下から入り込む。
「優一」
”いいよな?”と言うように、手の甲に布を引っ掛けゆっくりとおろしていく。形を持ち始めた皇自身が、下着の中から顔を出す。脱がされる瞬間はいつでも恥ずかしい。
「ホント、可愛いんだから」
塩田は小さく笑うと、皇の胸に手を這わせながら口づけをくれる。
「可愛いとか、言うなよ」
精一杯の強がりは恥ずかしさを隠すため。以前よりは、可愛いと言われることにも、抵抗がなくなりつつある。
「ああッ」
彼が鎖骨に舌を這わせながら、皇自身に指を絡めた。
「ね、いつも俺ばっか。俺も塩田にしたい」
甘えるように強請るが、
「ダメ」
と言われてしまう。
皇も自分がタチが下手な事くらい分かっている。それでも塩田に初めて抱かれて以来、ずっとネコなのだ。塩田は元々受け身。
皇が塩田を抱いていたころは、対面騎乗位で腰を振ってくれる彼にドキドキしたものだ。それが単に、皇が腰を振ると下手で痛いからだと知った時には、ショックを受けた。それでもずっと言わなかったのは、彼の優しさ。
「ね、痛くしないから」
「そう言う問題じゃない」
「んッ……ああッ」
彼は皇自身を握りこむとその鈴口に舌を這わせ始める。潤わせるように、じっくりと。
「んんッ……はあッ……」
「それだよ。興奮する」
塩田の言葉に皇は、一瞬驚いたのち、真っ赤になる。
「俺は、優一に抱かれたいわけじゃない。犯したいんだよ」
ゆっくりと紡がれる言葉に、脈が上がっていく。
「きも……ちい……おかしくなる」
自分は変態なのだろうかと思った。身体だけじゃなく、心も犯されていく。でも、彼のことが好きなのだ。いや、好きだからこんな気持ちになる。
「あッ……んんッ」
鈴口をちゅうっと吸い上げられ、快感が駆け上る。
「優一、愛してるよ」
「あ……ッ。しおた……はあッ」
愛に狂った夜は更けていく。何処までも。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
イケメンモデルと新人マネージャーが結ばれるまでの話
タタミ
BL
新坂真澄…27歳。トップモデル。端正な顔立ちと抜群のスタイルでブレイク中。瀬戸のことが好きだが、隠している。
瀬戸幸人…24歳。マネージャー。最近新坂の担当になった社会人2年目。新坂に仲良くしてもらって懐いているが、好意には気付いていない。
笹川尚也…27歳。チーフマネージャー。新坂とは学生時代からの友人関係。新坂のことは大抵なんでも分かる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる