幼馴染を追って異世界へ〜『¥300,000,000』廃課金した最強アカウントをLv1からやり直し、「超重力」属性を使って〜

甲殻類

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7章 魔導学園 1年生編

76話 幼少期

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「兄ちゃん魔法ってどうやったら使えるようになるの?」



「バルトお前にはまだ早ぇよ。家族の仕事でも手伝ってな」



 俺の兄ちゃんは、8才でもう魔法を使えるようになって、村の中の才覚者として期待されていた。

 因みに俺はまだ6才で少ししか魔法を使えない。これでも凄いことだと村では言われ今は最強の兄弟とまで呼ばれている。そして、妹のナナミはまだ魔法は使えないが期待度としては村一番だろう。



 兄ちゃんは、家の仕事量を半分にしてもらい魔法やスキルの練習をしに森へ出て行くようになった。

 この村自体、他の村ほど大きくはない。成人男性30人、成人女性25人、子供は男女合わせて25人いて、全体で80人となる。100人以下の村は小規模な村とされ500人以上が中規模、1000人付近は大規模もしくは街となり1500人以上になると街になる。

 村や街になると必ずしもリーダー的存在が必要となる。街になればその土地を収めている貴族が当主になったりその貴族が指名した者もしくは住民から一番信頼を得ている者が当主になる。

 ただ、小さな村だと貴族に納税さえしていればいいので殆ど関心を持たない、なので殆どの村では村内の一番信頼を得ている人、一番支持されている人が村の長となり統括する。



 だからといって一家族に全てを任せるのではなくしっかり皆で考え、皆で村を発展させられるように村全体が一丸となって長をサポートする。



 そして、俺の両親と祖父母はこの村の長を任されている。この中でのトップは一応じいちゃんってことにはなっているが基本家族みんなで決めそれを村の人達と相談しあいながら村を発展させていた。



 この村の収入は主に、家畜と農産物になるのでこうやってよく仕事を手伝わされるのだ。



「俺も兄ちゃんに付いていきたい!」



 今日も森の方で魔法とスキルの特訓だろう。最初の頃は父さんや母さんが付いて教えていたが、兄ちゃんはもう1人でこなせるようになっている。

 この村は、北から東側を森が占めていて南が街、帝国の方へ続く道が整備されていて、西が川も流れる平らな草原になっている。



 大概兄ちゃんに付いて行きたいと言うとダメだと突っぱねられるから今日は父さんと母さんに許可を得て来たのだ!



「いいわけねぇだろ!」



 兄ちゃんは頭を押さえつけるように弄る。



「今日は父さんと母さんにも許可は得たよ」

「そう言う問題じゃねぇ!」



 そう、兄ちゃんは1回も俺を特訓に連れて行ってくれたことがない。なぜか頑なに拒まれてしまうのだ。



 んー俺の何がいけないのか?



 この歳ながらに頭をこらし考えるが全くいい答えが出てこなかったので今回は諦めることにした。



 兄ちゃんが連れて行ってくれなかったので俺は西の方にある草原まで出て来て1人で特訓する。

 森の方からはたまに魔物が出て来たりするし、兄ちゃんはその奥の方で特訓するのでまだ俺の力では後をつけることが出来ない。最初、興味本位で兄ちゃんにこっそり付いて行ったことがあった……けど途中出くわした魔物に腰を抜かしてしまい何も出来なかった。

 たまたま通りがかった村の大人の人に退治してもらったからいいもののそのめぐり合わせがなかったら俺は死んでいたんだ。



 その時の恐怖から森の中へは1人で行くことが出来なくなった。

 そして、森の中へ入るために強くなることを決意したんだ。



 俺はちょうど草原と川、多少木が何本か生えている場所に来て止まる。



「ふぅー」



 両手を広げ胸いっぱいに空気を吸い込み10秒後に吐き出す。この辺りの空気はいつ来ても新鮮でとても清々しい。

 そして、俺は自分の頬を2回叩き喝を入れる。



「よし!!」



 まずは準備運動を兼ねてランニングとストレッチから始める。30分程体を動かし温まってきたら魔法、スキルの特訓開始だ。



 俺の家系は代々火属性魔法、スキルを得意としていてこの属性は母親譲りで父さんは魔法やスキルは使えないが様々な武器を使え、さらに帝国の元騎士でもある人だ。

 今は母さんと結婚してこの村に移りこちらの仕事を手伝っている。



 俺は1本の木の向かいに立つ。



 今日使う武器は斧だ、約15kgある。俺は父さんと同じようにどんな武器でも扱えてさらに母さんと同じ火属性魔法も使える。

 だが、どんな武器でも扱えるが、初見ではやはりぎこちなさがあるのである程度慣れておいた方がより実践で使えるに違いない。



 斧の先を地面に付け、肩の力を抜き狙いを定める。狙いはちょうど俺の身長で言うところの腰の位置辺り。



「いっくぜぇええええ!!」



 俺は一心不乱に斧を振り上げ狙いを定めた場所に斧の刃が水平に入るように一気に振り下ろす。

 振り下ろした斧は俺が狙っていたところにピタリと命中し木の幹に突き刺さる。ミシリと奇妙な音が鳴り響きその木に生えている葉を揺らし生えていた木の実がいくつか落ちてくる。だが、俺はそんなことを気にも止めず幹を切り倒すまで斧を振り続ける。

 ずっと一緒の方向からではなく様々な方向から様々な切り掛かり方で刃を入れていく。





 そのまま何本かの木を切り倒し、今日のノルマをクリアする。昼休憩にしようと母さんに作ってもらった弁当を片手に川辺まで行き食べる。

 片手で持てる程のバスケットの入れ物を置き蓋を開けようとする。



「痛っ!」



 そう、さっきまで無我夢中で気がつかなかったが、この1週間殆ど毎日仕事を合間やこうやって休んで斧の特訓をしているので手の皮がむけて豆が出来ているのだ。

 今日の特訓中にその豆が潰れてしまったのだ。



「はぁ~斧の特訓はしばらくお預けかな……」



 斧は基本片手で操作していて今回は利き手ではない方の左手で斧の特訓をしていた。それもついに今日で終わりだ。なぜなら利き手の右は2、3日前にもう既に豆が潰れて物を持つことが出来ない程になってしまっている。

 昼ご飯を食べたらもう少しやっていこうと思っていたが手の治療もしたいので今日はここまでにした。













 村に帰ってみると何やら村中の人達が俺の家に集まり何やら騒いでいた。それもかなり深刻そうな顔で父さんと母さん、じいちゃんとばあちゃんもいて皆仕事どころではなさそうだった。

 俺はなんとか人混みをかき分け父さんの元へつく。ナナミはじいちゃんの膝の上にちょこんと座っていてなんか微笑ましかった。



「ただいま父さん」



「バルト……」



「どうしたの?父さん」



「よく聞きなさい……アギトが魔物に襲われ行方が分からなくなった」



 それを聞いた瞬間、俺は森の方へ走り出していた。

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