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7章 魔導学園 1年生編
92話 勝ち組
しおりを挟む「ちょっと!何してくれるのよ!」
その少女は剣先をこちらに向け威嚇する。相変わらず目つきが鋭いがあの本当に以前出会った少女なんだろうか。制服を来ていて見た目もまんまその子なので俺は怒られるてるよりも先にそっちが気になって仕方ない。
「ねぇ!聞いてる?」
「あ、すまない」
いつの間にか刀剣をアイテムボックスにしまい両手を腰に当て下から覗いてくる。こう言うずかずかくるタイプもまた一興だ。
「たく、私が倒そうとしていたゴーレムを横取りだなんて信じられない!」
いやいやあなたさっきやばそうでしたじゃないですか……と言えるわけないけど。
「いやー申し訳ない魔物を見るとつい攻撃する癖が」
頭の後ろに手を当ていかにもな嘘をつく。
目の前の少女は俺をジロジロ観察しついでに睨みつけてくる。
「ま、いいわここで会ったのも何かの縁ってことであなた!私に付き合いなさい!」
「え?」
「違うわよ!」
つい勘違いをして聞き返してしまう。それが癇に障ったのか頬を赤らめながら膝を思いっきり蹴ろうとしてくる。
が、俺は咄嗟に反応し一歩ひいて回避する。少女が蹴り上げた足は細く股が柔らかいのか俺の顔よりも高く振り上げられる。そのせいで見てはいけないものが俺の視界に入ってくる。これは咄嗟に反応しても目を閉じることもなく男の性か時が止まったかのように凝視してしまう。
白っていいよね……
「しねぇええええええ!!!」
蹴り上げて気づくのに遅れた少女は顔をさらに赤くしすぐに振り上げた足を地に付け丁寧にスカートを整えてから拳を振りかざす。
これを俺は避けてはいけないのだ……これも男の性である。
ではさらばだ。
「ぐふぅっ!!」
少女の拳が俺の鳩尾にめり込み俺の腹筋を抉ってくる。若干拳をめり込ませた後にほんの少し上下させ、さらにこの細身の体からは考えられないほどの力が入っていて痛みが予想外だった。
俺は大の字に地面に背中を付け倒れる。岩肌の天井が慰めてくれるようなそんな感覚に襲われ俺は天井に心の中で礼を告げる。
「ちょっと何寝てるのよ!!」
倒れている俺を上から覗き込むように少女は話かけてくる。いやいや、今倒したの君だからね……これもまた口には出せないので心の中でそっと抑え込む。
「す……すまない」
大丈夫か~俺の鳩尾……
手をついてゆっくり起き上がりお腹をさする。ていうかさっきから謝ってばっかだな俺。
「ま、いいわ。で、さっきの続きなんだけど私の特訓に付き合いなさい」
うん、これなら間違いようがないが……特訓?さっきやってだろうに多少は図書館で顔合わせていたものの何故俺なのだろうか。
「さっきのゴーレムじゃダメなのか?」
「ええそうよ。ゴーレムだと動きが単調で鈍いの体力がなくなったら確かに辛い相手に鳴るけどそれまでの過程がどうしてもお粗末になるの」
なるほどな確かにゴーレムは動きが鈍い分攻撃が単調だ。その分攻撃力と防御力が高いんだが……
さて、どうしたものか。
「少し話が湾曲するが、君は以前図書館で俺と何度か会っていないか?」
すると少女はキョトンとした顔で心当たりがなさそうだ。
「あなたと会ったのは今日で初めて……あ!そういうことねちょっとここで待ってなさい」
少女はさっき俺が下りてきた階段を上がって行ってしまう。
数分もしないうちに今度はその少女の他に殆んど顔に誤差がないもう一人の子を連れてくる。
「お待たせ。多分あなたと会っていたのはこの子じゃない?」
少女が抱えて持ってきたその子は眠たそうに寝ぼけ眼を擦っている。恐らく眠っていたところを起こして連れてきたのだろうな。
「確かに……この子だ」
そう俺が会っていたのはこの子だ。なんか見た瞬間しっくりする感覚が降りてくる。この眠たそうなジト目で髪のボサボサ加減がまさにって感じだ。するとまたその子はさっきまで少し開けていた目を閉じ眠ってしまった。寝てしまったのを見て少女はちょっとしたスペースにその子をそっと置いて話を続ける。
「私とこの子は双子の姉妹なの私が姉でこの子が妹」
「なるほどなどうりで似てるわけだ」
「そうでしょ次会った時見分けつかないんじゃない?」
少し小馬鹿にしたように言ってくるが恐らくというか絶対に分かるな。性格が違いすぎている。もし変装してわざとこれを真似られたら無理だろうが……
「そ、そうかもしれんな……」
うん、本当のことなんて言えるわけもなくここはこう答えるしかない。
「あ、そうだ自己紹介がまだだったわね私はルナ・アリアでこっちがシズ・アリアって言うのよろしくね」
「俺はアキトっていうクラスは黒聖で1年だよろしく」
「黒聖なのは知ってるわよ同じクラスじゃない」
「え……」
あれ……こんな人クラスにいたっけ?基本身内しか把握しないからクラスの人の名前とか覚えないんだよなあ~
必死に脳内を駆け巡るがこの2人の情報が出てこない。
「はぁ~別に無理しなくていいわよ私もあなたの名前までは把握してなかったしね」
「え?じゃあなんで平民の俺なんかに?」
「あのね!私を見くびらないでもらえるかしら確かにこれまでは平民を下に見ていたところはあるけどね前のバルトくんとトレインくんの戦いを見て目を覚ましたわ」
おーこうやって分かり会える貴族もいるのか……少し感動。
黒聖だからこそなところもあるんだろうな。普通の貴族だったら黒聖クラスなんて断固拒否だろうしこの子たちも何かしら抱えてるのかもしれないな。
「よっしゃ!じゃあ俺が2人の特訓を付き合ってやる」
すると、姉のルナの方が目を少し伏せ寝ているシズを見る。
「あの子はいいわ……」
「なぜだ?」
「あの子は……私なんかよりも才能が凄いの今回の魔導学園の入学だってすんごいお父さんとお母さんから期待されてたし何よりあの子が特訓した姿見たことないもの……」
そのあとに小さく「それなのにあの子に勝ったこと一度もない」呟いたのを俺はしっかりと聞き取った。
なるほどな双子の妹に才能を持っていかれた姉は才能がないと……
だが、それは違うということを俺が教えてやる。
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