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53・翠名と椎名のビキニ時間3
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その夜、翠名は午後8時過ぎに母を応接間に呼んだ。大事な話があるんだとつぶやけば、母が無視するはずはない。また女同士の話をするのに父親とはゴミ以下の存在だから、居間でやるはずもなかった。
「なによ大事な話って」
母は大事な話とかいうのに向き合う気マンマンな顔を色濃く浮かべる。
「あのさぁ、日曜日にお姉ちゃんと泳ぎに行こうと思っているんだ」
翠名が切り出すと母はすぐさま答えた。いいわよ、お金なら当然出してあげるわよと。このスピーディーな返しを物分かりのよい母と誇っているように見えた。
「あ、いや、それでその……」
「え、なに、今ので話は終わりじゃないの?」
「あたらしい水着が欲しいと思って……」
「あたらしい水着? どんな?」
「えっとその……」
翠名がFカップってふくらみの前で色白むっちりな手を合わせ、モジモジやりながらチラチラっとあざとく母に目線を送りながら言う。
「ビキニとかやろうと思って」
それを聞いた母、ビキニだぁ? とか返すと同時に娘の両肩をつかんで軽く揺する。そうするとFカップのふくらみが揺れ動く。
「ダメ、ダメだよ翠名」
「なんで?」
「なんでって……あんたほんとうにおっぱいが大きいんだから、中2でFカップってボリュームなんだから、だからダメ。あんたみたいな女の子がビキニをやったら、周りがだまっていないでしょう」
母は自分の論に自信があるらしく、先生みたいな顔をし、これで話は終わりだねと話を片付けようとする。でも娘がそれを拒んだ。
「それっておかしくない?」
「は? なんだって?」
「だってお母さんの自論だと、わたしが可哀想じゃん。巨乳のわたしが差別を受けているって話そのものじゃん。なんで? なんで女なのにビキニをやったらいけないの? おっぱいの大きさって人の心を抑えつけなきゃいけないほど大ごとな話なの?」
「く、翠名……」
母、椎名ならまだしも翠名が生意気な口答えをしたことにイラつく。こうなるともう大人の特権たる、強引なたたみかけを発動するしかないと、まさにそれをやろうとした。だがそのとき、まるでタイミングをずっとうかがっていたみたいにしてドアが開き、姉の椎名が参戦してきた。
「お母さん、話は聞いたわ。絶対お母さんが間違っている、翠名がビキニをやってはいけないなんておかしいよ」
椎名、行って妹の横に立ちポンと肩を叩く。実を言うと前もって、こういう流れを作って母を説得しようと姉妹で思い描いていた。そしていま、姉妹のシナリオ通りに事が進んでいる。
「椎名、あんただっておっぱい大きいんだからビキニとかダメだよ」
「なんで? なんで女がビキニをやったらいけないの?」
「な、なんでって……ビキニするにはまだ早い」
「おかしいじゃん、だって中2とか中3でビキニをやったらいけないって法律、そんなのわたしは知らないよ? あるの?」
ふだんは母の味方をする事が多い椎名だが、いまは強敵として母の前に立ちはだかる。それは妹からするとこの上なく頼りになる同士。
「椎名、わたしはあんたを色気虫とするために産んだんじゃないよ?」
「だったらなんで男の子に産まなかったの?」
椎名は手ごわかった。そしてここでの椎名は心得ていた。母という相手を完全にぶっ倒すみたいな戦いをしてはいけない、だから最後が重要なのだと。
「だいじょうぶだよ、お母さん……安心して」
ここでフッと戦闘意識をゆるめる椎名、お母さんに心配かけて楽しんでいるわけでもなければ、お母さんを不安にさせるような事を考えているわけじゃないよと、フッと実は聞き分けのいい子なんです! というオーラを立てる。
「安心して、わたしも翠名もゲロエロなビキニをやるわけじゃないから。ただふつうのビキニをやってみたいだけだから」
「ん……椎名ぁ……」
こうして母は椎名に負かされた。これだから年頃の女子は……とか疲れた声で言いながら、2人がプールでビキニに変身することを許可し、ビキニを買うためのお金も出すと約束するのだった。
「さすがお姉ちゃん、さしずめ悪魔の論客だね」
「人の性格が悪いみたいな言い方しないで」
翠名部屋で手を合わせた後、ホッとした翠名が明日にでも買いに行こうかなと顔を乙女色に染める。
「ダメ、明日はわたしに用事があるから、土曜日にして。2人でいっしょに買いに行くんだよ翠名」
「えぇ……別にいっしょでなくてもいいじゃん」
「ったく盛りまくってからに……翠名が色ボケしないか見張る義務がわたしにはあるんだよ。だからひとりでは行かせない。もし勝手にひとりで買い物したら……」
「したら?」
「今の翠名には実は彼氏がいて、彼氏と初体験する事ばかり考えていて、そういう道を切り開くためにビキニなったんだとお母さんに報告する」
「お姉ちゃん……」
「それがイヤならわたしの言う事を聞く事。すべてが自分の自由自在になると思うな! だよ翠名」
姉がそう言って部屋から出て言ったら、しまったドアを見ながら妹はつぶやく。お姉ちゃんは番犬ですか? と。するとそれを椎名の耳は聞き取ったらしく、ドアの向こうから何だって? と言ってきたりする。
「なんでもないよ……」
翠名、ベッドにゴロっと寝転がると、豊満なふくらみに枕をギュウっと抱きしめながら、今度はものすごく小さな声で言った。
「お姉ちゃんは番犬ですか……」
「なによ大事な話って」
母は大事な話とかいうのに向き合う気マンマンな顔を色濃く浮かべる。
「あのさぁ、日曜日にお姉ちゃんと泳ぎに行こうと思っているんだ」
翠名が切り出すと母はすぐさま答えた。いいわよ、お金なら当然出してあげるわよと。このスピーディーな返しを物分かりのよい母と誇っているように見えた。
「あ、いや、それでその……」
「え、なに、今ので話は終わりじゃないの?」
「あたらしい水着が欲しいと思って……」
「あたらしい水着? どんな?」
「えっとその……」
翠名がFカップってふくらみの前で色白むっちりな手を合わせ、モジモジやりながらチラチラっとあざとく母に目線を送りながら言う。
「ビキニとかやろうと思って」
それを聞いた母、ビキニだぁ? とか返すと同時に娘の両肩をつかんで軽く揺する。そうするとFカップのふくらみが揺れ動く。
「ダメ、ダメだよ翠名」
「なんで?」
「なんでって……あんたほんとうにおっぱいが大きいんだから、中2でFカップってボリュームなんだから、だからダメ。あんたみたいな女の子がビキニをやったら、周りがだまっていないでしょう」
母は自分の論に自信があるらしく、先生みたいな顔をし、これで話は終わりだねと話を片付けようとする。でも娘がそれを拒んだ。
「それっておかしくない?」
「は? なんだって?」
「だってお母さんの自論だと、わたしが可哀想じゃん。巨乳のわたしが差別を受けているって話そのものじゃん。なんで? なんで女なのにビキニをやったらいけないの? おっぱいの大きさって人の心を抑えつけなきゃいけないほど大ごとな話なの?」
「く、翠名……」
母、椎名ならまだしも翠名が生意気な口答えをしたことにイラつく。こうなるともう大人の特権たる、強引なたたみかけを発動するしかないと、まさにそれをやろうとした。だがそのとき、まるでタイミングをずっとうかがっていたみたいにしてドアが開き、姉の椎名が参戦してきた。
「お母さん、話は聞いたわ。絶対お母さんが間違っている、翠名がビキニをやってはいけないなんておかしいよ」
椎名、行って妹の横に立ちポンと肩を叩く。実を言うと前もって、こういう流れを作って母を説得しようと姉妹で思い描いていた。そしていま、姉妹のシナリオ通りに事が進んでいる。
「椎名、あんただっておっぱい大きいんだからビキニとかダメだよ」
「なんで? なんで女がビキニをやったらいけないの?」
「な、なんでって……ビキニするにはまだ早い」
「おかしいじゃん、だって中2とか中3でビキニをやったらいけないって法律、そんなのわたしは知らないよ? あるの?」
ふだんは母の味方をする事が多い椎名だが、いまは強敵として母の前に立ちはだかる。それは妹からするとこの上なく頼りになる同士。
「椎名、わたしはあんたを色気虫とするために産んだんじゃないよ?」
「だったらなんで男の子に産まなかったの?」
椎名は手ごわかった。そしてここでの椎名は心得ていた。母という相手を完全にぶっ倒すみたいな戦いをしてはいけない、だから最後が重要なのだと。
「だいじょうぶだよ、お母さん……安心して」
ここでフッと戦闘意識をゆるめる椎名、お母さんに心配かけて楽しんでいるわけでもなければ、お母さんを不安にさせるような事を考えているわけじゃないよと、フッと実は聞き分けのいい子なんです! というオーラを立てる。
「安心して、わたしも翠名もゲロエロなビキニをやるわけじゃないから。ただふつうのビキニをやってみたいだけだから」
「ん……椎名ぁ……」
こうして母は椎名に負かされた。これだから年頃の女子は……とか疲れた声で言いながら、2人がプールでビキニに変身することを許可し、ビキニを買うためのお金も出すと約束するのだった。
「さすがお姉ちゃん、さしずめ悪魔の論客だね」
「人の性格が悪いみたいな言い方しないで」
翠名部屋で手を合わせた後、ホッとした翠名が明日にでも買いに行こうかなと顔を乙女色に染める。
「ダメ、明日はわたしに用事があるから、土曜日にして。2人でいっしょに買いに行くんだよ翠名」
「えぇ……別にいっしょでなくてもいいじゃん」
「ったく盛りまくってからに……翠名が色ボケしないか見張る義務がわたしにはあるんだよ。だからひとりでは行かせない。もし勝手にひとりで買い物したら……」
「したら?」
「今の翠名には実は彼氏がいて、彼氏と初体験する事ばかり考えていて、そういう道を切り開くためにビキニなったんだとお母さんに報告する」
「お姉ちゃん……」
「それがイヤならわたしの言う事を聞く事。すべてが自分の自由自在になると思うな! だよ翠名」
姉がそう言って部屋から出て言ったら、しまったドアを見ながら妹はつぶやく。お姉ちゃんは番犬ですか? と。するとそれを椎名の耳は聞き取ったらしく、ドアの向こうから何だって? と言ってきたりする。
「なんでもないよ……」
翠名、ベッドにゴロっと寝転がると、豊満なふくらみに枕をギュウっと抱きしめながら、今度はものすごく小さな声で言った。
「お姉ちゃんは番犬ですか……」
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