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ユータにホレちゃいまして6
しおりを挟む「ねぇ、真央……」
今日の昼休み、真央のある友人が教室の中で質問を投げかけてきた。それはただいま教室にいない由美に対して抱く疑問だった。
「由美ってさぁ……彼氏とかできたのかなと思って。親友の真央なら知っているんじゃないかと思って」
「え、いないはずだよ」
「え、でもさ、最近の由美ってなんか少しフェロモン出てない? 基本的に子どもっぽいけれど、でも恋愛にはしっかり者みたいな」
「そ、そうかな……」
こんな会話をやったが……実を言うと真央は言われても仕方ないよなぁと内心では思っていた。なぜなら最近の由美はほんとうに彼氏がいる女子みたいになっている。え、彼氏いないの? いると思った! と他人に言わせかねない感じになってしまっている。
「由美、いっしょに帰ろう」
学校が終わったので真央は由美に声をかけた。すると由美はユータと帰ると言い出す。つまり、見えない彼氏がいるんですって事実をやがては隠さなくなる可能性大と感じさせる。
「由美、たまには女同士のお付き合いや会話も大事!」
ちょっと強引に言ったので、実際しばらく真央との付き合いが渋っていたので仕方なく同意する由美だった。
「由美さぁ……そのまま突き進むと危ないよ?」
「危ないってなにが?」
「ユータなんて架空のキャラなんだからさ、ホレたって意味ない」
「真央が嫉妬したってわたしとユータの愛は止められない」
「だからそういう問題じゃないんだってば」
真央は3つの大事というのを由美に語った。あんまりマジメに聞きたくないと露骨な由美のとなりで語りだす。
「まず第一に、由美は現実の男子と恋愛するべし。そして第二に知るべし、ユータは由美のモノじゃなくみんなのモノだってことを」
「みんなのモノ?」
「そうだよ、ユータは作品を見ていいなと思う人のために動くんだ。由美のために存在して動くわけじゃないから」
「それ違うし! ユータとわたしはもうしっかり愛し合ったし」
「だからその愛し合うって言い方は……」
「ユータだって言ったから、由美が好きだ、おれは由美のためならなんだってやってやるからな! って、そう言ってくれたんだから」
「えぇ……」
真央、これはヤバい、由美はほぼ確実な病気になっている! と思った。そこで大事なこと3つめを言ってやる。
「由美さぁ、ほんとうに大事なことを忘れてるよ」
「わたしが何を忘れているっていうの?」
「ユータはさぁ、突き詰めれば作者のモノでさぁ、ユータがどう動くかは作者が決めるんだよ。由美を喜ばせるために動かすわけじゃない」
真央のこの発言を由美は非常に不愉快! と立腹した。しかしこの世は正しい者の味方。だから真央の言ったとおりの、由美にとっては恐れるべく展開がやってきたのである。
「さーて、今日も少年マンボーを読んじゃうよぉ」
ひとつの作品を読むためだけにあんまり安くない雑誌を買う。それはちょっとした不経済活動である。でも早く読みたい、ユータに会いたいってキモチからすれば、そんなの全然高くないって話であった。しかし、今回はちがった。由美にとっては心地よさとは無縁の展開が用意されていたのだ。
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