短編集

jun( ̄▽ ̄)ノ

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ユータにホレちゃいまして7

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「はぁ? なにこれ……」

 読み進めていた由美が本気で青ざめた。それは作品がひとつのお約束とている流れを捨てたことだった。つまり由美って読者からすると裏切りが発生したのだ。

「作者ふざけんなよ……」

 由美がなぜ殺意抱くほど起こるのか。それは今回の内容に問題がある。この作品は主人公のユータがホレた女のためにがんばって告白しても、最後にはフラれるというお決まりがあった。それゆえユータは女に汚されない男として由美みたいな女子を感じさせていた。

 しかし今回は……なんと……ある女子キャラがユータの、おれと付き合ってくれ! って告白を受けたら、顔を赤らめてイエスとしたのだ。

―わたしでよければー

 女子キャラがそう言ったら、ユータはイメージが崩れるだろう! って感じのデレ顔をしてダサいセリフを発したのである。

―え、マジで? うっひょーおれの幸せダイナマイト級―

「ふざけんな!」

 由美、発作的な怒りが発生、ハァハァとやりながら机よりカッターナイフを取り出し、それで真新しい雑誌をビリビリ引き裂いていく。

「ふざけんなつーんだよ……なんでユータがデレデレした顔を見せるんだよ、こんなのユータじゃないから、わたしの好きなユータとちがうから、ユータにダサいセリフを言わせるなつーんだよ」

 怒り収まらない由美、思いっきり力を入れてあらゆるページをぐっちゃぐっちゃに引き裂く。そして言い続けた、作者のクソ、作者のクソ、作者のクソ! と。

 しかし由美の怒りはこれで終わるのではなく、しかも薄まるのでもなく、どんどん悪化していくことになる。

 次の新しい話にて、なんとユータが付き合う女子キャラと手をつないだときに顔を赤くした言ったのである。

―うわぁ、やわらかくて……キモチいいー

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」

 由美、絶叫して雑誌を床に叩きつけた。そして怒りにまみれた足でどんどんと踏みつけながら叫ばずにいられなかった

「なーにがやわらかくてキモチいいだ、わたしがいるのに、わたしって女がいるのに、浮気して、浮気なんかしやがって! ユータ、ユータぁ!」

 しかしここで何とか思い直した。そうだ、ユータが浮気したのではなく、ユータを動かす作者が悪いんだと。もうひとつ言えば、手をつなぐくらいなら許すべきなのかなとも。

「ハァハァ……だ、だけど、愛し合うとかそれだけは絶対に許さないから。もしそんな展開を描いたら作者の家に放火してやる!」

 この場はなんとか収まった。しかし次で由美の怒りは最高潮に達する事となり、もはや冗談が通じないレベルに到達。

 なんとファンから問題とされるその回では、ユータが彼女とキスをしながら、その最中において彼女の乳を揉むというシーンが生々しく描かれたのである。男子から攻めエピソードと評価されるが、女子からは最悪エピソードと貶される事となった。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 由美は雑誌を放り投げると勢い余ってカベのポスターをビリビリ破いてしまった。しかしこれで終わるような怒りではない。

「作者め……作者めぇ……」

 由美、貯金を取り出すと財布に入れ家を出た。そしてグイグイ自転車をこいでホームセンターにたどり着くと包丁を一本購入した。そして心の中で思うのだった。

(作者め……殺してやる、絶対に殺してやる!)
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